生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

1430 ・小沢一郎氏の無罪が確定――「人の道」が壊れつつある日本

2012-11-20 06:47:43 | 日記

 

おはようございます。わたくし事ながら、本日73歳になりました。長生きさせていただいていることに感謝しつつ、しかし、こんな日本でいいのかともどかしく思って、この「箕面通信」を発信しています。                                                                              生き生き箕面通信1430(121120)をお届けします。

・小沢一郎氏の無罪が確定――「人の道」が壊れつつある日本

 小沢問題とは何だったのでしょうか。一人の卓越した政治家を、無実の罪で社会的に葬り去ろうとした「歴史的なえん罪」だったといえます。21世紀の日本で、白昼堂々と「陰謀」が仕掛けられ、国民の目の前で陰謀劇が延々と演じられました。この日本で、信じられない謀略が現実に起こったのです。

 なぜ、そんなバカげたことが可能だったのでしょうか。昔から「一人が言っても信じられないが、100人が言えば真実になる」と言われました。今回は、検察がニセの情報をマスメディアに流し、マスメディアはそれを拡声器よろしく広く国民の頭に刷り込む役割を果たしました。繰り返し、繰り返し、「小沢は怪しい。小沢はクロだ」と流し続けました。

 朝日新聞も、読売新聞も、そしてNHKをはじめとするテレビ・メディアも、真実を求めようとする努力なしに、あるいは小沢氏の説明に耳を傾けることなく、検察寄りの「クロ説」をたれ流し続けました。小沢氏が、公判の中で説明し、記者会見などで説明しても、「説明が足りない、説明が足りない」と繰り返すばかりでした。そしてマスコミが100人、1000人役で流し続ければこれが”真実”となり、小沢氏を社会的に抹殺できるはずでした。

 しかし、検察の必死の証拠探しにもかかわらず、結局、「やってないことはやっていない」という結論しか得られなかったのです。そして、最後の頼みだった検察審による強制起訴での「有罪狙い」というシナリオも、結局、破たん。最終的に無罪が確定したわけです。最終的に「えん罪」だったという結論が出たのです。となれば、一連の捜査と裁判の結果について、直ちに検証を始めなければならない事例です。

 新聞、テレビは検証を始めたでしょうか。

 まず、朝日新聞。昨日の夕刊では、一面トップで「小沢氏の無罪確定 指定弁護士、上告断念」と事実を伝えました。しかし、検証はまったくなし。本日の朝刊でも、社会面で「『民意』の基礎に宿題」を見出しにしましたが、検察審査会のあり方論に触れただけで、新聞の報じ方そのものに対する検証はありませんでした。近いうちに、本格的な検証記事を掲載しなければ、朝日も落ちるところまで落ちたと結論づけられます。

 読売新聞は――。昨日の夕刊で、「小沢代表の無罪確定」と報じましたが、こちらも検証は全くなし。今朝になっても、社会面で「小沢代表『主張裏付けられた』無罪確定」の見出しで、あっさりと伝えただけでした。もちろん、検証はゼロ。新聞が犯したえん罪への片棒かつぎには、知らぬ顔の半兵衛を決め込む魂胆がありありです。ジャーナリズムの風上にも置けない、卑怯な態度です。人を痛めつけた場合、悪いと気がついたときには、率直に謝罪し、二度と同じ過ちを繰り返さない措置を表明すべきです。それが「人の道」というものではないでしょうか。読売新聞は、「人の道」にはずれたことを平気でやってしまう、それほどまでに劣化した新聞になり下がりました。

 「責任を取らない」風潮が、日本中にまん延しています。いまほど「人の道」がかえりみられることの少ない時代はなかったのではないでしょうか。世のリーダーの立場にある人間が、全く責任を取ろうとしない。どんなに人に迷惑をかけ、社会的に葬られることになっても、自分さえよければそれでいい、とする風潮です。

 今回の選挙は、こうした日本が立ち直れるか、最後のチャンスかもしれません。