生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

・1262 ・アフガンからの即時撤退こそが解決のカギ

2012-05-23 06:58:02 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1262(120523)をお届けします。



・アフガンからの即時撤退こそが解決のカギ



 本日5月23日は、朝日、読売新聞が一致して「アフガン情勢に今後、

どう対応すべきか」を社説で論じました。結論は朝日が「不安定さ直視

し支援を」、読売は「長期的アフガン支援が必要だ」と、「継続的支援」を

強調する相似性の強い社説でした。



 両紙がアフガン問題を取り上げることにしたのは、きっかけがありまし

た。アメリカのシカゴで開かれていた北大西洋条約機構(NATO)の会

議が閉幕した時点をとらえたものですが、問題は中身までが相似形な

ことです。



 いわく、「撤退を急ぐ余り、テロ組織が勢いを取り戻す事態は、避けな

ければならない」(朝日)、「アフガンを再び国際テロ組織の温床に逆戻

りさせてはならない。国際社会の連携が欠かせない」(読売)と、引き続

きの”テロ対策”に重点を置いた社説に仕立てているのです。



 容易に推測できるのは、外務省が各紙の論説委員を集めて、アフガ

ン問題に対する”ご進講”、いわゆるレクチャーという洗脳会議をした結

果だということです。外務省は、この7月に日本で開く「アフガン支援国

会議」を成功させたい、という思惑があります。いまから、世論誘導が

必要なわけです。少し先の予定を読んで、対応するのが官僚の習性

になっています。



 つまり、外務省は7月の東京アフガン会議で、「国際社会が引き続き

テロ対策を強化することで一致した」ことを成果としたいわけです。本日

の社説は、東京会議を2か月後に控えて、国民のマインドコントロール

が始まったといえます。



 シカゴ会議では、国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘任務は「2014年

末に完了する」と明記して、宣言文に盛り込みました。フランスの新し

いオランド大統領は、仏軍部隊の撤収を予定より1年早めて「今年年

内」と、シカゴ会議でも明言しました。ISAFは戦闘力が衰える一方の

見通しです。これに対して、朝日も読売も社説で「タリバン復活がこわ

いぞ」と強調しています。



 しかし、考えてもみてください。だれかがアフガンに部隊を送ってくれ

と頼んだでしょうか。そもそもは、「9・11」事件をアメリカが勝手にテロ

の仕業と決めつけ、何の証拠もないのに犯人はアル・カイーダと国際

社会をたぶらかして戦争に持ち込んだものです。アメリカが「アフガン

のタリバンがテロの温床」と決めつけたのでした。ジャーナリズムとし

ては「アフガン問題とは何だったのか」、早急に検証することが欠かせ

ません。



 ところが、本日の社説では、そうした検証の必要性については全く触

れていません。触れもしませんし、みずから検証しようとする気配すら

見えません。そもそも中東の石油利権などを求めて、アメリカが無理や

り力で乗り込む事態が繰り返されてきました。中東からアメリカが即時

撤退すれば、中東の平和は随分と近くなるはずです。アフガンことはア

フガン自身に任せればいいのです。アメリカがおかしなちょっかいを出

さなければ、テロなど発生もしないのです。ユダヤ国家をめざすイスラエ

ルとパレスチナ問題は残りますが。



 いずれにせよ、ジャーナリズムは、アフガン問題について一度きちん

とした検証を行うべきです。それなくして、テロ対策などをいくら論じてみ

たところで、群盲象をなでる、の類いです。きちんと検証すれば、「アメリ

カの中東からの即時撤退こそが平和構築の条件」であることが見えて

くるはずです。