生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

・1266 ・「4号プールは安全なの?」――相変わらずの大本営発表

2012-05-27 07:13:10 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1266(120527)をお届けします。



・「4号プールは安全なの?」――相変わらずの大本営発表



 福島第一原発4号機の原子炉建屋内部が昨日5月26日、報道陣に

公開され、本日の朝刊で一斉にニュースとして伝えられました。カラー

写真付きで大きなスペースを割いている割には、内容は乏しいもので

した。最も知りたいこと、多くの人が心配していることについては、ほと

んど何一つ明らかにされませんでした。



 まず第一に、最も心配されている、核燃料プールの安全性について

です。朝日新聞は一面記事の前文で「余震による再事故の危険性も

抱えている」と、書いただけです。その危険性を抱えているから、それ

がどの程度なのか、その危険性を克服するには今後どのような対策

が必要なのか。その対策は現在進められているのか。それはいつま

でに終わるのか。そうした最も肝心なことについて、記事は全く触れて

いません。あるのは、原子炉建屋の耐震性に対する疑念に対して、東

電が「安全上、問題ない」としているという大本営発表だけです。わず

かに、細野原発相が視察後の記者会見で、「壁の膨らみは、国として

も厳しく認識して東電に再度安全性について確認するよう指示した」と

話した程度です。このスピード感のなさはどういうことか。



 4号炉の建屋と燃料プールの安全性については、東電任せではなく、

信頼できる第三者機関の調査と評価が欠かせません。それも早急に

実施する必要があります。



 知りたいことの第2は、いま、4号炉の周辺の放射線量はどのくらい

なのか、がれきの撤去作業への影響はどうなのか。



 第3は、4号炉の廃炉作業は、現在どこまで進んでいるのか。今後は

どのようなスケジュールなのか。核燃料の取りだし作業のメドはついて

いるのか。



 こうしたごく基本的なことについても触れないか、触れていても極めて

あいまいできちんと説明されていません。相変わらずの隠ぺい体質で

す。「安全です」を繰り返すだけで、詳細なデータは隠したまま何一つ

明らかにしない。そして、その体質を野放しにして追及しない報道陣。

同じ穴のむじなです。



 大本営発表の何よりの証拠は、朝日も読売も、「核燃料」のことを単

に「燃料」とだけ表示しており、慎重に「核」の文字を取り去って表現して

いることです。今朝の新聞をご覧ください。ほとんどどこにも「核燃料」と

は表記されず、単なる「燃料」と穏やかにされています。



 おそらく最初から取材制限付きで、「当局に具合の悪いことには触れ

ない」という注文が付けられたものと推測できます。あるいは報道陣の

方がみずから進んで自己規制したか。要するに当局と馴れ合いの「大

本営発表」にすぎなかったのです。だから、取材にあたった記者たち、

そしてそんなへなちょこの記事しか書かせない本社の編集責任者たち

には、声を大にして言いたいものです。「恥を知れ」と。「それでもジャー

ナリストか」と。