生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

・1259 ・「核のゴミ」から逃げたNHKスペシャル

2012-05-20 07:13:07 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1259(120520)をお届けします。



・「核のゴミ」から逃げたNHKスペシャル



 昨晩のNHKスペシャル「原発の安全とは何か」は、力が入ったドキュ

メンタリーでした。しかし、それだけに際だったのがきわめて不愉快な

意図的操作でした。結局、最後まで「核のゴミ」、つまり使用済み核燃

料については、触れることはありませんでした。このNスペを企画した

段階では、福島第一原発の使用済み核燃料、「核のゴミ」問題をどう

取り上げるか、検討されたはずです。にもかかわらず、なぜ隠されて

しまったのか。



 NHKは、アメリカそしてスイスにもカメラ・チームを送って精力的に取材

していました。アメリカは長い空白期間を経て、新しい原発の建設を決断

した。一方、スイスは国内の全原発を2034年までに廃炉にする「脱原発」

の道を選択した。その映像の最初から最後までが「安全性の追求」という

語でおおわれていました。いかに安全性を確保するか。アメリカの場合は、

独立した機関が常に安全性をチェックし、住民に情報を提供して公開性・

透明性の原則のもとで住民からの信頼獲得に努めている。



 こうした説明を映像で懸命にすればするほど、「それなら、最後に残る

『核のゴミ』はどう処分するのですか」という疑問が湧き出てきます。核の

ゴミという人類が処分できない超高濃度の放射性廃棄物は、地球上に

貯まりに貯まって、どうしようもないところまできています。この「核のゴ

ミ」を抜きに、原発の安全性を語ることができないのは自明の理です。

ところがあえて、知らぬ顔で素通りしてはばからない。そこにおぞましい

世論操作の意図がにじみ出ていると感じます。名前を挙げて失礼ながら、

これがサンケイや読売なら「さもあらん」と受け流す手もありましょう。しか

し、ある程度「信用」を得ていると評価されている「Nスペ」ならばこそ、番

組制作には神経をもっと注いでもらいたいものです。



 それとも、NHK経営委員長の数土文夫氏が東電の社外取締役に就

任する影響が、番組制作に早くも表れたということでしょうか。