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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信777 ・ジャーナリズム精神を自ら踏みにじる朝日新聞の愚

2011-01-22 06:55:33 | 日記
おはようございます。前原外相は、アメリカ軍への「思いやり予算」を今後5年間、現行水準(10年度は1881億円)で据え置く協定に署名しました。ぼくは「お前さんにそんな権限は認めていないぞ」と腹の中でいってみました。ごまめの歯ぎしりです。
生き生き箕面通信777(110122)をお届けします。

・ジャーナリズム精神を自ら踏みにじる朝日新聞の愚

 「国会を台なしにするのか」という見出しを掲げた本日の朝日新聞社説。またまた小沢氏問題を社説で取り上げました。要するに、「早く国会に出てきて説明しろ」ということです。ジャーナリズムの立場からも、一見まともな主張のように見えます。

 社説ではまず、「小沢氏はまもなく強制起訴される」と、現状を正しくとらえています。「そこでは当然ながら『推定無罪』の原則が適用される」と、これまた正しくとらえています。ところが、その後です。「しかし」と続けて、正しい前提をすべてひっくり返してしまうのです。「政治家小沢氏に対しては言行不一致を指摘しなければならない」という理屈です。

 そのうえで、「東京地検が捜索を開始してから1年。国会で説明する機会はいくらでもあったのに果たさず、いまだに条件をつけている。時間を稼ぎ、『逃げ切り』を図る戦術とみなすほかあるまい」と、決めつけました。

 さらに追い打ちをかけ、「この事態を受けて、民主党執行部は証人喚問や、離党勧告の段階に入る。小沢氏が政倫審出席を拒否する以上、当然の対応である」と、早々と「離党勧告の勧め」の社説にしました。

 それでもまだ腹の虫がおさまらないらしく、「新年度予算をはじめ社会保障と税の一体改革、自由貿易と農業再生など、重要政策課題は多い。そのための『熟議』の場を台なしにして良いのか」と、すべてを小沢の責任と押し付けて大上段からばっさり切り捨ててくれました。本来なら、拍手喝さい、足を踏みならして「やんや、やんや」といいたいところです。

 しかし、一呼吸置いて、冷静になってみれば、これほどジャーナリズムを自ら傷つける論調も例がないと言わざるをえません。

 まず、社説子が認めているように、「推定無罪」が大原則ですが、それを考慮した論理展開はどこにその片鱗があるのでしょうか。社説は徹頭徹尾、「推定有罪」で立論しています。人権無視、人権蹂躙もいいところです。「人民裁判」あるいは中世にジャンヌ・ダルクを火あぶりにした「魔女裁判」と変わることがありません。結果的には、ジャーナリズムを自ら火刑にする振る舞いです。

 第2に、小沢氏の「説明責任」についていえば、小沢氏はこれまでことあるごとに説明してきました。政権交代した時の与党幹事長として、毎日、記者会見があり、そこでは朝日新聞の記者も何回も質問をし、小沢氏はすべて話をしてきています。ただ、朝日新聞をはじめマスメディアは、自分の気に入らないものは書かないというやり方を通してきましたから、一般に伝わっていないだけなのです。あるいは、まだ何かが足りないとしたら、朝日の記者の質問力不足、取材不足ということをさらけ出す結果ではないでしょうか。

 朝日新聞が社説で「説明責任が足りない。もっと説明しろ」と主張してきたことは、実際のところ、何を説明しろといっているのか、常に不明です。つまり、説明しても、説明しても、「まだ足りない。まだ説明しろ」というばかりなのです。要するに、ずっと「小沢はあやしいぞ。説明できないから、逃げ回っているのだ」という印象を与え続けたいだけなのです。

 いずれにしても、近く強制起訴され、問題は法廷という司法の場で裁かれることが決まっているのです。司法、行政、立法の三権分立の建前から、司法の場へ移ったものは、そこでの推移を見守るのが通常のありようです。朝日新聞が「やいの、やいの」とせっつく問題ではありません。朝日新聞は本日の4面でもおおきなスペースを割いて、小沢問題を追及しています。余程、おひまのようです。それほど暇を持て余し、エネルギーがあるのなら、目の前に迫っている予算、生活防衛、社会保障をはじめとする国民の問題に精力的に取り組んでいただきたいものです。素晴らしい勇気の出る社説を書いてもらいたいものです。

 朝日新聞の論説委員室をのぞいてみれば、ベテランのおっさん記者連中が「小沢はけしからん。民主党執行部は何をもたもたしているんだ」と、おだをあげているのでしょう。国民生活の問題より、そちらが「おもしろいもん」「小沢をたたけば、胸がすっとする」というわけです。これが朝日の高まいなジャーナリストの実際の姿です。