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人生を癒す 百歳の禅語

2014-12-15 14:41:46 | 

 禅語は難しいというのが定番でしょうか。「不立文字(ふりゅうもんじ)」という禅語があるので、言葉では表現できないと思われがちですが、文字の解釈が難解だけです。つまり、禅語の表現する表面ではなく、

 「禅語の奥にある真面目(しんめんもく)」

つまり、目に見えない本旨、本質を解釈していかなければなりません。

 例えば、『柳緑花紅』とは、柳は青々として花は紅くなっていくということですが、いずれは花も葉も散って何一つ残らないという「無常」や、人は花や若葉の命の美しさを感じるが、葉や花自体は美しさを媚びていないという「無我」を読み取っていかなければなりません。すなわち、柳に同化して考えます。これと同じように、自らの煩悩や苦悩に溶け込み、成りきり、徹することが大切になります。「無常」や「無我」を感じると、「有難し」「お蔭様」という心に目覚めます。結果、少しでも人のためになろうと、利他の行動を起こせば、より謙虚になります。そうすると、生まれながらに具わっている「仏性」が顕在化し、人間性の完成に近づきます。

 このように考え込む、考え続けることが必要であり、そのためには「読書」が不可欠であるという松原泰道和尚の言葉は非常に重いです。われわれの生活は考えなくとも暮らせるようになっている恐ろしさを知っておかなければなりません。

『人生を癒す百歳の禅語』(松原泰道著、致知出版社、本体価格1600円) 

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