数多くの著作のある齋藤孝先生。『身体感覚を取り戻す』や『声に出して読みたい日本語』など教育や日本語に関する本は有名です。本書は日本語の価値、また、日本人にとっての日本語とはいかなるものかについて書いています。
まず、中国におけるウィグル族への虐殺ならびに中国化への教育に対して、一石を投じています。ウィグル語を学校で学ばせず、中国語への教化だけにしていることは、「民族に固有の言語」を排し、ひいては民族を滅ぼすことを平気で実行しています。「民族が一つの生命体であるとすると、その心臓部に言語がある」ことを踏まえれば、日本語を守ることが重要です。
そのためにも、「日本語を充実させて内側から守る意識」を日本人に持ってもらい、国語教育をより良くすべきと訴えられています。「母語の奥深さをもっと知る」には素晴らしい、優れた日本語との出会い、それを素読することにより、日本の精神文化の習得にもつながります。
小学校での教育に英語やプロミングよりも、国語を充実させる方が、日本人としては良いと考えます。
『なぜ日本語はなくなってはいけないのか』(齋藤孝著、草思社、本体価格1,500円、税込価格1,650円)
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