あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

くらしのアナキズム

2021-10-14 17:19:26 | 

 今日、衆議院は解散されて、選挙モードに入ります。板宿駅前に立地する店の前では各党の宣伝カーが訴えの声を張り上げることでしょう。これも国家の仕組みの中でのことですが、無政府主義になれば選挙もなくなりますね。

 いかにして無政府状態でも問題がないかを人類学の視点から考察しています。人類の歴史を見ても、政府がない時もありましたし、日本の場合は震災や自然災害の発生で、時として政府の統制が効力を発揮できない、また、公や企業から供給されるライフラインも途絶えます。そんな状況下、被災者は必ず援け合っています。それも有縁な人間関係から。

 災害の地域活動の話を聞いたことがあります。高松の自治会の長の方は水害の折、自治会活動に協力してくれる人から救助したとおっしゃっていました。つまり、知っている人から優先されます。これは日頃のコミュニケーションの密度がモノを言うわけです。「顔のみえる社会関係」こそが大切です。デジタルの社会では匿名な存在で生きていけるかもしれませんが、実社会ではそうはいきません。常に足元が大事です。

『くらしのアナキズム』(松村圭一郎著、ミシマ社、本体価格1,800円、税込価格1,980円)

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