あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

デジタル・ファシズム

2021-10-13 15:00:04 | 

 便利の代償はおそろしいことを思い知りました。

 日本もデジタル庁が創設され、国と自治体のバラバラだったシステムは統一され、国民はマイナンバーカードで登記から健康保険証、車の免許書も統合される予定です。また、通販サイトからの買い物やお店でクレジットや〇〇payでの支払いはデータとして残ります。買った賞品明細まで紐づけられ、マイナンバーカードに銀行口座まで入るとどうなるのか?調べようと思えば、その人の思想信条が手に取るようにわかる仕組みが出来上がります。特に、民主主義でない国では反乱分子は簡単に摘発され、行動は常時チェックされます。そういう意味では統治しやすい。子どもたちはオンライン授業を受けて、その子どもの学力にあった課題が出され、非常に効率が良い。しかし、子どもの頃からの学力結果、つまり学歴が死ぬまで付きまといます。本当にそれでいいのか?

 一人の人間の信用スコアはこれらのデータの蓄積に成り立つのであれば、恐ろしい。間違ったことを行ったら、そのデータを消せないのであれば、デジタルデータを一生背負わなければなりません。

 デジタルは0,1ですが、人間は多様な価値観を持った動物です。2元論に集約するのでいいのか?と言っている間に、自分という人間もデジタルに置き換わっていっています。

『デジタル・ファシズム』(堤未果著、NHK出版新書、本体価格880円、税込価格968円)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする