ネイティブアメリカンの本は数多く読んできましたが、全世界の人種の太古から伝わる教示は初めてでした。どれも新鮮でありながらも、現代人にも含蓄の多い言葉の数々でした。
森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会前会長の「女性蔑視は解釈の仕方」という発言に関しても、スワヒリの格言である、『賢人は警告を祝福として受け取るが、愚か者は侮蔑と受け取る』からすると、この一件は後者に属すると思われますし、チベットの格言の『1本の糸では布にならない。1本の木では森にならない。』では多様性の重要性を示しており、本当に良き教えです。シュメールの格言『人を侮れば、侮られる、人を呪えば、呪われる。』なども、発言者への強いメッセージです。
といっても、アフリカの格言『金は打たれて輝きだす』ですから、自身の変身、あるいは脱皮もしくは変態の良い機会ととらえれば良いのですが、強烈なレッテル付けがなされたのですから、相当の過酷な脱ぎっぷりが必要です。
私は、ネイティブアメリカンであるチェロキー族の言葉、
『あなたが生まれた時には、あなたは泣き、世界は喜んだ。
あなたが死ぬ時には、世界が泣き、あなたは喜べるような人生を生きろ』
を胸に留めて生きていきたいと思います。
108の名文をぜひお読みください。きっと生きる指標にぶちあたると思います。
『太古から今に伝わる不滅の教え108』(エリコ・ロウ著、牛嶋浩美イラスト、太陽出版、本体価格1,500円)