アバウトなつぶやき

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ボストン美術館の至宝展

2018年06月02日 | かんしょう
先週のこと。シロウタと名古屋ボストン美術館で開催中の「ボストン美術館の至宝展」を観てきました。


名古屋のボストン美術館は、とうとう今年の10月に閉館を迎える事になり、あとはこの展覧会と次回展覧会の「ハピネス」展を残すのみ。
立地も良いし、静かな美術館なので好きなんですが……収益に問題あるから静かなんだろうな(苦笑)

今回はボストン美術館の成立ちについても焦点が当てられています。


ボストン美術館って完全な私設美術館だったんですね、知らんかった(-_-;)
コレクションの形成に寄与したコレクター達が紹介されていて、その功績と生きざまに感心させられます。どこの世界にも富豪ってのはいるもんだけど、自分に関係ない人たちだから普段は気にしてないんですよね。
今回、そのつもりで作品を観ていると、なるほど、どれもこれも保存状態が素晴らしい!
日本画とか中国絵画とか、同じ時代の作品なら紙が黄ばんでたりするものも多かろう思うのに、修復してある作品も含めて美しく保たれてるのがさすがです。作品を大事にしているんだなぁ、と思っちゃう。(公共の施設が保存をないがしろにしてるという意味ではなく、予算繰りってものの存在を感じるわけで)

古代エジプト、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術、と7つのテーマに分かれて展示されています。
観る前は「また、詰め込んだもんだなぁ」と思っていたけれど、どれもこれも質が高いので観てるうちに「このラインナップを構成できる至宝展ってさすが♡」って考えを改めました。

私は普段、あまり中国絵画の違いを気にして観ないので大陸の作家や画家のことをほとんど知らないのですが、それでも見ていれば名作の力はひしひしと伝わってきました。
今回、特に気になったのは陳容《九龍図巻》です。
龍を描いた墨画なんてのはたくさんあるわけですが、この作品の龍はなんというかすごく質感があったのです。
少し前に見た、加山又造の雲竜図みたいな荘厳とか壮麗っていう言葉が似あうタイプの龍ではなく、、、とても生き物っぽい。鱗の表現がちょっともろもろしてるせいかもしれませんが、命やストーリーを感じる龍が描かれていましたし、空(くう)を描いた部分の動きや重量が伝わってくるようでした。

フランス絵画として、私が好きなタイプのコローの作品《ボーヴェ近郊の朝》も良かったし、空と海のブーダンの作品も良かった。そして、ミレー、シスレー、ピサロ、モネ、ルノワール、クールベ、セザンヌ、そしてゴッホ、と、私でも知ってる有名どころが揃ってるのもさすがでした。

シロウタと一緒だったので、絵画の中の些細な風俗とかに目を留めて話すのも面白かった。特に英一蝶の《月次風俗図屏風》の正月に描かれてる荷物が何だかよくわからなくて、えらく長い時間その作品前に居てしまったわ。

ボストン美術館、名作たくさん持ってるんですよねぇ。
次回で最終展と思うと切ない(涙)
でも最後は「ハピネス」で締めくくるらしいので、絶対に観に行ってハッピーな気持ちにさせていただきます!

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