パラミタミュージアムで開催中の「笠間日動美術館・三重県立美術館コレクション 近代西洋絵画名作展」を観てきました。
笠間日動美術館と三重県立美術館のコレクションを中心に、印象派からエコール・ド・パリまでを紹介するという企画展です。
出展数を細かく数えてみたら123点あったけれど、エッチング等の版画シリーズが5点あるため作品数としては32点。決して規模の大きいものではありません。しかし、それぞれ普通の版画シリーズとちょっと毛色の違うところを持ってきているのが工夫されたところでしょうか。
出展の大半を占めるのは、藤田嗣治とマルク・シャガールの版画です。日動美術館の母体といえば洋画の画商で有名な「日動画廊」。戦前から藤田嗣治の個展を開催していただけあって、藤田のエッチング(水彩)なんてものまで持っているんですね。
藤田の没後50年なんていう大規模展覧会が開催されている今年、展覧会のメインに藤田を据えようと思うとなかなか難しいと思うのですが、小規模なりに大回顧展の向こうを張ってる辺りが小ワザが利いているという感じ。
シャガールにしたって人気のあるのは大きくて色彩豊かな油彩画だと思うので、版画だとちょっとインパクトは少ないです。で、その代わりになのか、版画と言っても木版画を持ってきてます。枚数があるのでたくさんの色があるように見えますが、一枚あたりは決して版は多くなく、3色摺り程度の作品がいくつもありました。
けど、木の風合いがあってこれがなかなか良いんですよ。色自体が明るかったり、シャガールっぽい楽しく幻想的な画面なので疲れることなく気軽にたくさん見れる感じです。
油彩画も点数少なくとはいえこの時代の画家のものは揃えています。モネとルノワールをかろうじて一点ずつ出展しているのが謳い文句の面目躍如というところでしょうか。この二人さえ入れておけば印象派押さえてますって言えるだろうし(笑)
その中で、「水の画家」と呼ばれているアルベール・マルケ〈ボートのある風景〉は、水を湛えた風景が彼の作風がふんだんに発揮されている作品で良かったのと、ジュール・パスキン〈若いムラート〉の真珠母色と呼ばれる淡い色彩(虹色と表現するらしい)がとても雰囲気があって良かったです。それから、モーリス・ユトリロ〈プール=レ=ゼシャルモ(ローヌ)〉に描かれた添景の人物が楽しそうに会話している雰囲気だったのが目を引きました。人間嫌いのユトリロのイメージがあるので、人物が大きめに描かれているだけでホッとするのです。。。
三重県立美術館の所蔵の作品もあるため、地元民としては見慣れた雰囲気なのは否めなかったかな。
展覧会全体としてはこれといったインパクトの大きい作品はないですが、ちょっと空いた時間に観るには良いかもしれません。
笠間日動美術館と三重県立美術館のコレクションを中心に、印象派からエコール・ド・パリまでを紹介するという企画展です。
出展数を細かく数えてみたら123点あったけれど、エッチング等の版画シリーズが5点あるため作品数としては32点。決して規模の大きいものではありません。しかし、それぞれ普通の版画シリーズとちょっと毛色の違うところを持ってきているのが工夫されたところでしょうか。
出展の大半を占めるのは、藤田嗣治とマルク・シャガールの版画です。日動美術館の母体といえば洋画の画商で有名な「日動画廊」。戦前から藤田嗣治の個展を開催していただけあって、藤田のエッチング(水彩)なんてものまで持っているんですね。
藤田の没後50年なんていう大規模展覧会が開催されている今年、展覧会のメインに藤田を据えようと思うとなかなか難しいと思うのですが、小規模なりに大回顧展の向こうを張ってる辺りが小ワザが利いているという感じ。
シャガールにしたって人気のあるのは大きくて色彩豊かな油彩画だと思うので、版画だとちょっとインパクトは少ないです。で、その代わりになのか、版画と言っても木版画を持ってきてます。枚数があるのでたくさんの色があるように見えますが、一枚あたりは決して版は多くなく、3色摺り程度の作品がいくつもありました。
けど、木の風合いがあってこれがなかなか良いんですよ。色自体が明るかったり、シャガールっぽい楽しく幻想的な画面なので疲れることなく気軽にたくさん見れる感じです。
油彩画も点数少なくとはいえこの時代の画家のものは揃えています。モネとルノワールをかろうじて一点ずつ出展しているのが謳い文句の面目躍如というところでしょうか。この二人さえ入れておけば印象派押さえてますって言えるだろうし(笑)
その中で、「水の画家」と呼ばれているアルベール・マルケ〈ボートのある風景〉は、水を湛えた風景が彼の作風がふんだんに発揮されている作品で良かったのと、ジュール・パスキン〈若いムラート〉の真珠母色と呼ばれる淡い色彩(虹色と表現するらしい)がとても雰囲気があって良かったです。それから、モーリス・ユトリロ〈プール=レ=ゼシャルモ(ローヌ)〉に描かれた添景の人物が楽しそうに会話している雰囲気だったのが目を引きました。人間嫌いのユトリロのイメージがあるので、人物が大きめに描かれているだけでホッとするのです。。。
三重県立美術館の所蔵の作品もあるため、地元民としては見慣れた雰囲気なのは否めなかったかな。
展覧会全体としてはこれといったインパクトの大きい作品はないですが、ちょっと空いた時間に観るには良いかもしれません。