アバウトなつぶやき

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日本画大研究展

2018年09月21日 | かんしょう
 今日は次男が自動二輪(小型)の免許取得のため、免許センターへ連れて行きました。試験の間、私は移動して三重県立美術館へ。
 ただいま開催されているのは、館のコレクションをメインに利用した「日本画大研究展」。
 私、これとっても楽しみでした!
 巡回展も良いけれど、やっぱり自館の作品を大切にして紹介するのって大事だよね~。





 私、この企画展すごく良いと思います。
 まず、キャプションの読み方から解説が始まります。キャプションなんて見たままなので、解説が必要かどうかと言うと必要ではないかも知れません。でも、こういう所に目を止めて頂こうという気概が大事です!これがあることによって、ほとんど美術館へ来たことのない人にも作品を紹介する側の気持ちを汲み取ってもらえると思うのです。
 全体的に日本画の画面形式、画材や技法の紹介、鑑賞ポイントなどが実際の作品を前に解説されているのでとても丁寧で分かりやすい。
 私、この展覧会を観るまで襖絵の画題が、建物や部屋の格によって描き分けられているなんて知りませんでした※格が高い方から順に、山水→人物→花鳥らしいです
 特に興味深かったのは、伊藤小坡〈ふたば〉の部分模写による技法の解説です。絹本の裏側を見ることができるようになっていて、質感を表現するのに非常に工夫が凝らしてあるのを実感しました。
 曾我蕭白の作品に描かれた画題としての人物解説も良かったし、企画展示室4に横山操〈蕭湘八景〉が一同に展示されているのも見応えがあって素晴らしいと思いました。
 今日は雨だったこともあり、館内は静かで落ち着いて見ることができて、とても良かったです。試験が終わった、という次男からの連絡が入ったので早々に切り上げなければならず、常設展が観れませんでした。連絡無かったら、あと1時間は居たと思う。。。半券あるし、会期内にもう一度行けると良いんだけど。
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松浦武四郎 生誕200年記念展覧会

2018年09月18日 | かんしょう
三重県立博物館で開催中の企画展「幕末維新を生きた旅の巨人 松浦武四郎」を観てきました。



〈チラシPDF〉


三重県の歴史的な偉人と言われた時、割と出てくるのは本居宣長と藤堂高虎。
どっちも全国的にメジャーな人物かというと首を傾げたくなるところなんだけど、この数年、頭角を現してきたのが松浦武四郎です。
少し前にNHKの番組で(歴史ヒストリアか何か?)取り上げられ、来春には松本潤主演で特番ドラマも予定されているという注目株の人物。→北海道150年記念ドラマ「永遠のニㇱパ~北海道と名付けた男 松浦武四郎~」

近世の日本地図と言えば伊能忠敬が有名ですが、伊能図は本州が主であり、北海道(蝦夷地)は本州に近い道南や道東辺りの海岸線を記すに留まっています。蝦夷測量に対する幕府の協力が得られなかった上に、厳しい自然に阻まれた踏破困難な場所だったからです。
 そんな蝦夷を、後に詳細に調べ上げたのが松浦武四郎でした。
 幕末、武四郎はロシアの南下政策で蝦夷が危機にあることを知り、自ら蝦夷を調べに向かいます。その後、江戸幕府に認められて、命を受けての探査へ赴くことになり、アイヌの人々の助けを借りて驚くほど詳細な記録を残すのです。
 武四郎が幕府の命を受けるに至ったのには大久保利通の推挙があったからなのですが、この頃の武四郎の交友関係がすごい。歴史上の名だたる人物が出てきます。
 西郷隆盛、木戸孝允、勝海舟、吉田松陰、坂本龍馬…もう、これは大河ドラマ作るしかないんじゃないかと思ってます。特番で終わらせるのもったいない!
 来年は生誕200年の上に北海道命名150年と重なるため、このところ様々な企画が催されています。昨秋も三重県の総文センターで講演会が行われていたので参加したのですが、その時に聞いた逸話がどれも面白くて、生き様が本当に魅力的な人物です。
 だいたい、旅の巨人と言われていますが、最初の旅は家出から始まっています。それも、自分の趣味の蒐集で金に困って恩師の大切にしていた「火事頭巾(確か、誰ぞに賜った由緒ある品)」を勝手に売却してしまい、それを隠したまま逃げているんです。(すぐばれて、家の者が後始末してますが)なんて破天荒な
 そして、退官後も健脚ぶりは健在で、60代終盤から亡くなる前年の70才まで大台ヶ原に登っています。
 この地域の人にしか分からないだろうけど、大台ヶ原ってのはものすごい山深い場所で、屋久島と並ぶ日本の降水量のトップ。急勾配のため踏査する人が少なく、もちろん当時は拓かれた場所ではありませんでした。そんなところに死ぬまで登るジジイ…ただ者ではない!→大台ヶ原とは
 河鍋暁斎に自分の涅槃図を描いてもらってるのは美術ファンに響くし、アイヌの生活向上に尽力した点においては民族保護の観点から研究の余地がまだまだあります。蝦夷のことを書いた本を出版してブームも起こしたらしいし、ホントもう、若い頃から最晩年までエピソードが満載です。
 おまけに2020年には最後の国立博物館になるだろうと言われている、アイヌ文化博物館(仮称)が開館予定です。
 2020年なのはオリンピックに合わせての事らしいですが、こんな人物、大河にするしかないでしょー。

 この展覧会はそんな武四郎の足跡をたどることが出来ます。
 北海道の社会科の教科書には必ず出てくるという松浦武四郎。三重県人はもっと彼のことを知って、誇りに思うべきですよ。
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藤森照信展

2018年09月13日 | かんしょう
 ジブリのような建築を作る建築家、藤森照信氏の展覧会が同氏の設計した浜松市秋野不矩美術館で開催されているのを知り、ワダちゃん誘って行ってきました~

 館の入り口側の駐車場に車を止めて歩いていくと、見えてきました。美術館と新しくできた「望矩楼」という名の茶室です。

 私が藤森氏を知ったのは、滋賀県といえばバームクーヘンでおなじみ「クラブハリエ」もとい「たねや」が2015年にオープンしたラ コリーナ近江八幡のメイン店舗である「草屋根」の設計でした。
 その後、2016年には岐阜県に多治見市モザイクタイルミュージアムもオープンし、その個性的な建築は一度見たら忘れられません。

 今回、秋野不矩美術館の開館20周年に合わせて茶室が制作され、それに伴い藤森氏の建築をパネルや模型・見本などを展示、紹介しようという企画です。




 今時、webで作品の写真は見る事が出来るので、どんな作品を作ってらっしゃるかは知っていましたが、改めて大きなパネルで見るとよく分かりますねぇ。
 どの建築もかわいくて、面白くて、そして脆そう(笑)!
 模型が展示されていると聞き、実際の建築を100分の1ぐらいにしたおもちゃのようなジオラマ風の世界が広がっているのを想像していったのですが、これがまた全然違うんだなぁ。
 模型というよりもどちらかといえば彫刻。丸太を削り出して、イメージの形状だけを表現した、立体エスキースという感じです。木の椅子にぽこんとモコモコの立体物が乗っかっているようなのもあり、その姿はかわいらしく、インテリアとして飾るなら精巧な模型よりもかえって良いことでしょう。
 また、屋根の構造や素材の見本もありました。ちゃんと断面図付き。
 なるほど、こうなってるのか~、と見てて思ったのですが、あれはメンテナンスが大変そうですよ、ホント。
 屋根に植物を植えている建築は、強度と水漏れがやっぱり心配です。工夫を凝らしているため「もう7年経ちますが雨漏りはありません」てなことが書いてあって「建築物で7年かぁ。心配なのは10年後からだよね。」と思うワタクシ。あの構造で水漏れしないのは、防水のルーフィングの性能が上がってるからでは、、、劣化したら危ないぞ、きっと、と思う。
 銅板も手作りの風合いを表現するために、かなり薄いものを使っています。藁を練りこんだしっくい壁も、もし見本の厚さ通りならちょっとした地震でヒビが入ってしまうでしょう。
 でも、クライアントはそんなの承知で設計してもらってると思うんですよね!
 だってあの見た目の可愛さにはそういう心配を凌駕する魅力があると思うんです。そして、メンテナンスできる財力のない人は、きっと藤森氏には頼まないと思う。
 とにかく、あんなかわいい建築物、他にはないですよ。見てるだけでわくわくしますから。
 実際、恒久的なものよりもイベント要素の強い展示作品をたくさん手掛けていらっしゃる印象です。
 学生時代の卒業設計も展示してありましたが、その頃から発想がぶっ飛んでます。建築イメージを合成写真で表現した作品もあり、藤森氏はアート作品を作る技法として建築を選択しているというのが伝わってきます。
 そう、彼の作品は楽しい時間を過ごすためのアートなんだと思います。
 「望矩楼」も、リーフレットに「展示」って書いてあるから、恒久的な茶室利用は考えてないんじゃないのかなぁ。

  

 
 私は秋野不矩の絵を見たことがなかったのですが、職場のまっちゃんが好きで以前に観に行った話を聞いていたので「きっと素敵な作品を描く人に違いない」と思ってそちらも楽しみにして行きました。
 最近、ゴーギャン、田中一村、平山郁夫、と立て続けに南方を描いた作品を観てきましたが、秋野不矩さんもインドを旅して、かの地を描いていらっしゃいます。
 そして、その作品が良いんだな!これが。視点や描き方が女性らしくて、伸びやかさと落ち着き、そして優しさがある絵を描かれます。
 今回は藤森氏の企画展があったため、所蔵作品は第2展示室のみの展示でした。もっと彼女の作品を見たいなー、と思ってたら秋野不矩美術館の展覧会スケジュール裏面の浜松市美術館の案内に池田学氏の作品を発見!翌春のコレクション展で≪再生≫を展示するようです。
 そうか、浜松市美術館は池田学を持ってたのか~。悩むわ~。昨年の金沢の展覧会を見送っちゃったからな~。でも微妙に遠いんだよなー、静岡って。
 池田学氏の巡回展、来期の開催がなかったら考えよう、うん。
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生誕110年 田中一村展

2018年09月07日 | かんしょう
 先週、シロウタと佐川美術館で開催中の田中一村展を観てきました。

 もうすぐ会期終了を迎えるためか、開館時刻からそんなに経っていないのに入口には結構な数の人が並んでいました。
 私はテレビでの紹介とポスターの美しさに惹かれて見に来たクチなのですが、皆さんはどうなんでしょう。

 彫刻家の父を持ち、幼い頃から南画でその才能を発揮していたという一村(本名は孝)。
 まずは7才の時に描いた絵から展覧会が始まるのですが、これがまたものすごく上手い。父親が手を入れたことが気に入らずにその箇所を破ってしまったというエピソードまで付いていて神童と呼ばれていたというのも頷けます。
 若い頃に描いていた南画から始まり日本画に移行していくのですが、私の抱いた印象は「どれもダイナミック」。
 一村は「日本のゴーギャン」と称され、奄美大島へ渡ってからの明暗のはっきりした色遣いと南国の動植物がモチーフの絵が有名なので、移住したことで画風が変化したのかと思っていましたが、展覧会を見てもともと大胆なものを好む気質があったんだな、と思いました。

 南画って筆使いが荒々しい傾向があるので作風というのももちろんですが、南画以外のスケッチや初期に日本画を描いている際に選んでいるモチーフに力強いものが多いのです。
 例えば夏の花。日本画で好まれそうな花というと百合や紫陽花、桔梗といったはんなりした花だと思うのですが、一村は(もちろんそれらも描くけれど)鶏頭、鳳仙花、オクラなどの中心から外へ向かう感じの力強い植物を好んで描いているように見受けられます。本人の自信作だった〈秋晴〉にも棕櫚やカロライナポプラかな?ヤナギ科?と思うような、やはり放射状に枝葉が伸びる植物を描いています。
 鳥にしても圧倒的に軍鶏が多いし、日本画として受賞した〈白い花〉でさえ普通のツグミではなくトラツグミという柄がはっきり出る種類のツグミを描いています。
 構図も縦長の作品だとかなりの確率で上に重心があったりして、迫ってくる感じの重量感がすごいんですよね。
 それが個性であり、だからこそ奄美に惹かれたのだと思いますが、逆にそういう感じだったからこそ当時の日本の画壇に認められなかったんでしょうね。
 
 今回の展覧会は画業を振り返るという趣旨のためか、出展数は180点という膨大な量なんだけれど、色紙に描いたものや知人や親類のために描いた小品が占める割合が非常に高い。そのため、リーフレットに載っているような色使いの鮮やかな大作がメインかと思って行くとちょっともの足らない感じがしてしまいます。
 有名な〈アダンの海辺〉も岡田美術館へ行っちゃってパネルだけだし(展示中に行かなかった自分が悪いんだけど)、点数多いのにダイナミックな画風ってことで見終えたらすっごく疲れてました。
 あ、もちろん作品は素晴らしく美しいと思ったし、好きな作品もたくさんありましたのでマイナスの感想ではないです、念のため。


 佐川美術館を飾る彫刻として、佐藤忠良もコレクション展として紹介されていました。
 顔の表情ももちろんですが、体の表情が良くてとても良い彫刻家だなって思いました。外の〈蝦夷鹿〉ももちろんだけど、〈帽子・夏〉は好きだなぁ。
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至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

2018年09月03日 | かんしょう
 名古屋市美術館で開催中の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」を観てきました。





 夏休み中(あと2日で終わりの日)だったので、シロウタ&その息子たちも一緒に行ったけど子どもたちはお向かいの科学館へ行ったのでいつも通りシロウタと二人。お兄ちゃんは小6なのにしっかりしてるから任せられてイイねぇ、頼もしい。

 さて、NHKで宣伝しまくってるこのコレクション展。
 「あのビュールレコレクションが!」って感じで語られてるけど、私には「どのビュールレさんですか」ってな具合で、ビュールレ氏についての予備知識は全くなしでした。
 会場で紹介文読んで初めて知ったのですが、ビュールレ氏、収集家やパトロンである前に武器商人だったんですね。。。道理で資金が潤沢なわけです。
 その背景を知ってコレクションの動きを聞くとどうにも生臭くて、ある意味面白い。買ったものが盗品だったり、またそれを買い戻したり、盗難にあったり、武器輸出の禁止で商売替えしたり、現在では警備費維持が困難になってしまうとか(そのため、2020年にチューリッヒ美術館へ移管されることになり、それまでの間、警備費削減のために巡回してるから日本にも来たわけで)どうにもこうにも波瀾万丈なコレクションです。

 武器商人なんてのは敬遠したくなる響きですが、美術品には罪がない、、、ので楽しませていただきます。
 このコレクション、センスが良いんですよねぇ。私なんかに褒められても何の意味もないですが、私の好みの作品が大変多いのです。今回、来日したものは一部なのでしょうが、主たる収蔵品が巡回しているのは間違いないようです。
 そのうえで今回の展覧会の感想なのですが、印象派の時代の良作が多いこと、同じ画家でもタイプの違う作品を揃えているところや、風景画のコレクション傾向が私好みなのとが気に入りました。特に風景画について、アントーニオ・カナールの描くベドゥーテ(景観画)の精密さと美しさが素晴らしいと思ったのですが、その後、カミーユ・ピサロの作品を見た時に「あ、この構図、好き!」と思う作品が揃っていたのです。
 ピサロの作品に限らずなのですが、道だったり野原だったり、奥行きを感じる風景画が多いように思います。道はどこかへ続いている印象を受けるし、空は広がっているように感じる。しかも明るい色使いの作品が多いので見ていて明るい気分になるというか、わくわくするような気持ちになれる気がしました。
 マネの<燕>という風景画ものびのびとした風景が描かれていて大変気持ちがよいのですが、そのコーナーではマネの作品を3点並べてあり、<オリエンタル風の衣装をまとった若い女>、<ワシミミズク>など、マネと言ってすぐに思いつかないようなタイプの絵が並んでいたのが面白かったです。
 ゴッホの作品は明るい色調のものが多かったのも面白いと思ったし、モダン・アートのコーナーではヴラマンク、ドラン、ブラックが、それぞれ配色が素晴らしい作品だったのが目を引きました。
 ヴラマンクについては、最近観たどの作品よりもフォーヴ期であると感じましたし、ブラックの作品もキュビズムの構成でありながら色調はフォーヴのようで、時代を感じました。また、ドランの<室内の情景>は、赤、青、黒、そして黄土色のバランスがとても良くて、アンドレ・ドランの作品をもうちょっと気にして観ようかなという気になりました。
 もちろん、話題作であるルノワールの〈可愛いイレーヌ〉も、モネの〈睡蓮〉も思った通り素晴らしかったです。名作ぞろいの良い展覧会でした。
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