アバウトなつぶやき

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万葉文化館−持統天皇誕生の物語

2019年09月08日 | かんしょう
ただいま奈良県立万葉文化館では「マンガで語る古代大和ー持統天皇誕生の物語」が開催中。

これは持統天皇の生涯を描いた里中満智子作品『天上の虹』をなぞって、その頃の歴史や文化を紹介する展覧会です。
今回はこの企画の第2弾で、8巻から13巻を中心として壬申の乱が終わり天武天皇の治世となった辺りが主題です。




このマンガを読んだことのない方はピンと来ないかもしれませんが、ホント、名作です。
壬申の乱辺りの歴史を知るのにコレを外しては語れますまい。
里中満智子先生は膨大な文献と資料を使って史実に従った作品づくりをしています。もちろん登場人物の感情は想像ですが、歴史的な流れを変えずに物語を作り、その根拠となる歌を巧みに織り交ぜ紹介し、マンガという特性を発揮して文化や風俗を絵で見せます。
ワタクシ、仕事でこの時代の衣装をイラスト(簡易なもの)で描かなければならない事があり、このマンガを一部参考にさせて頂きました。その事を伝えた上で学芸員の方にチェックしてもらったら、それなら大丈夫と太鼓判をもらったほど。
ぜひご一読願いたい作品です。

原画が展示されているのでこの作品のファンの方は楽しめるに違いありませんが、中にはマンガが苦手な方もおられるかと。
出土遺物の他にこの時代やこの土地を描いた作品なども展示されているのでその視点からも見る事ができます。
そんな中、印象的なエピソードがありました。
小倉遊亀が持統天皇を描いた日本画があったのですが、この作品依頼があった当初は乗り気ではなかったのだとか。
その理由が、滋賀出身の小倉は大友皇子、ひいては近江大津宮を滅ぼした天武天皇や持統天皇を快く思っていなかったというもの。
なるほど地元民としては恨みがましい気持ちになるのね、と小倉遊亀の人間味を感じて非常に面白いと感じました。

万葉文化館を訪れたのは初めてですが、なかなか立派な資料館でした。
「令和」が万葉集からの出典とあってこの時代の文学が注目されるようになっていることもあり、多少は来館者が増えている様です。でも賑わってるというわけではなくかなり静か(笑)
もちろん、館内には「令和」に引用された部分の解説が展示されていました。
企画展は有料ですが、地下にある常設の展示室は無料。
企画展を見なくても、観光として奈良を訪れる際に立ち寄るには良い場所なんじゃないかと思いました。

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1 コメント

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Unknown (omachi)
2019-09-20 23:44:36
お腹がくちくなったら、眠り薬にどうぞ。
歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

読み通すには一頑張りが必要かも。
読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
ネット小説も面白いです。
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