アバウトなつぶやき

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「美少女の美術史」展

2014年10月05日 | かんしょう
静岡県立美術館で開催中の「美少女の美術史」展。
青森・静岡・島根の3か所でしか開催されない巡回展です。ちょっとマニアックな気がしてたんですが、昨日 職場のまっちゃんが一緒に行ってくれました♡

ちなみに展覧会の公式サイト→http://bishojo.info/


▲このイラストは東京モノノケさんという静岡在住のイラストレーターさんが描いたらしいのですが、後でじっくり見てたら展覧会内で印象に残った作品の集大成になってるのに気づいて嬉しくなった。


  現在、わが国では「美少女」をめぐるさまざまな現象が注目を集めています。
それは漫画、アニメ、映画、文学、美術、商品広告など様々な分野に登場し、現代日本文化を象徴する存在の一つとさえなっています。
そもそも少女という概念が一般に定着したのは、近代的な学校制度の整備や出版文化の発達を苗床に女学生文化が花開いた20世紀初頭のこととされています。
しかしこれ以前にも少女にあたる若い女性はさまざまに表現されていました。
本展覧会は、江戸の華ともいうべき浮世絵から、近代に隆盛を迎えた洋画や日本画の美人画、少女たちの心をとらえた叙情画、さらには漫画やアニメ、フィギュアといったキャラクター文化、そして現代社会における少女イメージを表したアート作品に至るまで、多くの少女のイメージを紹介します。
本展は、さまざまなジャンルを横断した約110作家300点の作品で、私たち日本人が少女という存在に何を求めてきたのかを振り返る試みです。


この展覧会のコンセプトは↑のとおり。これ以上の事を私が言えるはずもございません。

が!感想としてはいっぱいあります!!

美術鑑賞に関して、普段は生粋の美術ファンからバカにされそうな感想しか言えなくともこれに関しては素直に思うところを言える。
だって、この展覧会は美しい、とかカワイイとかを目で見たままに言っていい展覧会♪
画壇の派閥とか歴史とか技法がどうとか、全部どーでもいい。ただ美少女を愛でるだけで充分なのです。
もちろん美少女を通じて民俗や文化を考えるもよし、表現方法の変遷を考えるもよし、モラトリアムの時間を通して人生論を考えるもよし。
とにかく「美少女」という媒体をあらゆる方面から紹介しているので、どんな角度から鑑賞してもどんな人が鑑賞してもどこかで興味を持てる内容になっているのです。
だから入場者を見ていてもいろんな人がいる。私よりずっと年配の方から、小学生まで。もちろん20~30代の若者もたくさんいます。

私はまず、自分が子どもの頃に好きだった漫画家の作品が出展されていることでこの展覧会に興味を持ちました。(ここからは敬称略で失礼します)
太刀掛秀子や陸奥A子といった「りぼん」作家です。また、「魔法の天使クリィミーマミ」のキャラクターデザインを手掛けた高田明美の原画を見れるのも楽しみでした。
行ってみるとそれらの作家さんの作品はそれぞれ1~2点程度でしたが、懐かしさを覚えるにはそれで十分。
そしてそれ以外のところで新しい発見や驚きがたくさんあったのです。

まず、美人画で有名な鏑木清方が雑誌の付録の双六を描いてるのにびっくり。その後、高畠華宵や内藤ルネのような女性誌や少女誌で一世を風靡した作品を目の当たりにしてその時代を体感。何気なく見てた時には古臭い絵柄と思っていたけれど、じっくり見てるとその世界に引き込まれてしまうパワーや楽しさがあります。
水森亜土なんかもNHKで子どもの頃に歌いながら描く姿を見ていたので身近すぎてどれも同じくらいに思っていましたが、よく見ると少女の表情がそれぞれ違っていて憂いた表情だったり色っぽかったりするのでドキッとします。ファンが多い理由を今更ながらに認識。
 
▲内藤ルネの付録は人気あったのがうなずけるものがたくさんでした。

▲水森亜土たん。右の画像は今展覧会での発表ではないですが、カワイイだけでないのをあらためて実感。


▲山川秀峯《序の舞》
なんと美しい姿なの、と館内の美少女コンテストに投票したり


▲霜鳥之彦《少女(休憩)》
大正時代にもうハイソックス履いてるよ~、少女が奔放で清楚だよ~、と思ったり


手塚先生はやっぱり神様です、何気ない原画に力があります、眼福です、と拝んだり


太宰治の『女生徒』という短編をアニメにした作品を見て、太宰治はなぜ少女の揺れる心をそのように表現することができるの!?これが文豪なんですね!と感心しつつ、それを映像にした監督に敬意を表しつつ、声をあてた遊佐未森にお久しぶりです、と心でごあいさつ。


▲石黒賢一郎《真〇〇・マ〇・イ〇〇〇〇〇〇〇》
え?これ油絵?写真じゃないの!?と驚いた上に


▲Mr.《Goin To A Go-go!!》
この絵が幅6.5mという巨大パネルなのもびっくりだし


▲村上隆《シックス♥プリンセス:戦闘態勢》
アニメやコスプレの紹介映像だけでなく抱き枕とか飾ってあるも圧巻。

そうそう、画像は引っ張ってこれませんでしたがフィギュアもたくさんあって、その精巧さや表情のかわいさは大したものでした。
(まっちゃんが艦コレの島風を見て「この子カワイイ~❤」と声をあげた)

このように、日本画から現代のアニメまでありとあらゆる方面からの美少女が紹介されていてとっても楽しい展覧会でした。
関東の人は静岡が一番近い会場です、これを逃すと島根です。

静岡は11月16日(日)まで。
今期は浜松市美術館で開催中の「デ・キリコ」展も捨てがたく、両方は行く自信が無い私はどちらを優先するか悩んでました。
でも、ホントに面白かったのでこちらを選んで悔いナシ!です。