アバウトなつぶやき

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「片岡珠子」展

2015年07月05日 | かんしょう
週末のこと。
次男と一緒に愛知県美術館で開催中の「片岡珠子」展に行ってきました。
息子たちはなかなか美術館へは一緒に行ってくれなかったんだけど、次男は中学で美術部に入ったせいかちょっと前向きになりました。嬉しい。

片岡珠子は日本画家なのですが、とても大胆な構図や色遣いが特徴的です。
当初はあまり興味がなかったのですが、展覧会のリーフレットを見ていたらその大胆さに目を奪われてしまい、なんだか気になって仕方がなくなってきました。




展覧会の序盤は若い頃、時代の風潮に合わせた大人しい作品が並んでいました。
美しい、彼女のイメージとはずいぶん違う作品です。

その後、「対象の観察と個性の発露」と題されたコーナーに入るともう別の人のようです。
個性を発揮しだしてからの作品はとにかくすごい!
コーナーの初めに教師時代の≪飼育≫という子ども達の様子を描いた作品があったのですが、その絵を見た時の印象は「あぁ、小学生の絵で入選するのってこういう感じの作品だなぁ。」でした。こういう感性を子どもに求めるのはこういう作品の影響なのかな、などと穿った見方をしてしまい「配色の豊かさが息子のポスターデザインの参考になるか」程度に考えたのですが、次の部屋の風景画を観たらそんなのは吹っ飛んでしまいました。

大きな画面に繰り出される大胆な構図とその色彩ときたらもう圧倒です。
描かれた風景(山々)はものすごい迫力で、胸の中がスカッとするような晴れ晴れとした気持ちになります。
「鮮烈な色彩、大胆にデフォルメされた形、力強い筆使い」が彼女の特徴なのは耳にしていましたが、その絵を前にするとその迫力は想像以上です。
度肝を抜かれた、という言葉がぴったりのショックで笑っちゃいそうになりました。
≪面構≫シリーズという歴史上の人物を個性的に描いた作品も良かったのに、私はあまりにも山々を観た時の印象が強烈で、後の作品が余韻のようになってしまいました。
(もったいない見方なんだろうけどこればっかりは個人の感想なんで仕方がない)

また色彩の美しさ以外にも布などの質感も素晴らしくて、久しぶりに「本物は迫力が違う!」という感覚で頭をいっぱいにしました。

展覧会を観た後、気に入った作品の絵葉書を数枚買ったのですが全然色が違う(涙)
本物と印刷が違うのはいつものことですが、あまりにも色彩に力がありすぎてその落差にがっかり。そのがっかりしてる度合いがいつも以上だったことにまたびっくりでした。

ちなみに買った3枚はこちらなのですが

▲山(富士山)


▲伊豆風景


▲梅園


つ、伝わらない…。
何もかもが伝わらない気がします。色も形も迫力も。

興味ある人はぜひ!美術館へ足を運んでください。7月26日(日)までです。