アバウトなつぶやき

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「ピカソ、天才の秘密」展

2016年02月11日 | かんしょう
現在、愛知県美術館では「ピカソ、天才の秘密」展が開催中。
年明けから始まって、3月21日までという開催期間になかなかの余裕がある展覧会。知名度が高いピカソとあって動員が見込めるのでしょう。
有名どころで開催期間が短いと混雑がすごいので助かります。


私はいつものようにシロウタと一緒に、2月の第一週に観に行きました。
その日は平日なのに中学生のグループや親子連れが多く、混雑というほどではありませんが盛況でした。この展覧会はうちの次男も美術部の活動の一環で観覧にいっているので、学生には興味の持ちやすいテーマなのかもしれません。

ピカソの若い頃、キュビズム以前の作品が中心に紹介されています。
ピカソというと何が描いてあるか分からない絵と思っている人が多いと思うのですが、それがキュビズムと呼ばれる作品です。キュビズムはそれまでの絵画とは違う新しい考え方で、いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収めるという技法です。
日本語に訳すと立方体(キューブ)派→「立体派」で、平面に立体を投影する描き方なので見慣れた平面とは違って見えてしまいます。例えば女性の絵ってタイトルでもなんだか分からない幾何学模様が並んでいて、でもよーく見ると目がこちらを向いていて鼻が横を向いていて胸があって…という構成になっている。
興味がなく見慣れてもいなければキュビズムを奇妙と感じるのも無理はない話で、学校の先生も息子達に「ピカソがおかしくなる前の絵を観に行こうか(笑)」とおっしゃったらしい。中学生に対しとっても分かりやすい説明、ありがとうございます。



ピカソの若い頃と言えば20代前半のメランコリックな色調の「青の時代」が有名なのですが、それ以前の少年時代の作品も展示されています。
冒頭に13才の頃に描いたスケッチがあるのですが、天才と呼ばれるだけあって素晴らしく上手い。
「うちの次男と同じ年でこれを描いたって…さすがだな!」と言わざる得ません。うちの次男は一応美術部在籍ですが、実力も興味も十人並みなので比べちゃいけないんですけどね。でも、同い年って事は事実ですので^_^;

前述の「青の時代」とその後の「バラ色の時代」がメインですが、「バラ色の時代」の作品が物足りなかったです。
本当にバラ色を多用しているわけじゃないのは知っていますが、もう少し明るい作品が数点あるとテーマが引き立ったと思います。
版画の点数が結構あり、それを含めているせいもあってか全体の展示点数はあまり多くないように思いました。版画にいたっては、先秋にも観た「貧しき食事」が2点ありましたし。同じ展覧会内で同じ作品を展示するって、ダメとは言わないけどあんまりやらないんじゃ…。

あまり規模は大きくないけれど、話題性があり主題も絞られている点で観やすい展覧会だったと思います。
結論として、やっぱりピカソは天才なんだな、と。

なお企画展のあとそのまま常設展を観る流れになっていて、コレクション展のテーマはシュルレアリスムでした。
ピカソで頭を使い過ぎずに済んだおかげで、コレクション展も楽しむことが出来たように思います。
この流れのおかげか、今まで何度も見た作品(フランク・ステラ『リヴァー・オブ・ボンズⅣ』)の躍動感を今までに無く感じるという体験も出来て、同じ作品でもそのときの気分で新鮮な気持ちで観る事ができるんだと実感できたのは良かったです。

展覧会の後、タカシマヤのバレンタイン・フェアに行ってしまって安藤七宝店に行くの忘れてた。
まぁ、チョコレートに対する出費でピーピー言ってる人間には無縁っちゃー無縁の場所なんですけどね。次は寄ってこよう。

BANKO archive design museum

2016年02月04日 | かんしょう
四日市の伝統工芸と言えば萬古焼。
その萬古焼を紹介する「BANKO archive design museum」が萬古工業会館の1階にオープンしました。

HPはコチラ

私は先月号の芸術新潮で取り上げられているのを読んで知ったのですが、地元のケーブルテレビCTYを見てると紹介されたりしているようですね。
なかなかおしゃれな空間で、ちょっと人に話したくなる雰囲気です。
カフェが併設されているので、空間を楽しみに遊びに来るのも楽しそう。





さて、ミュージアムの方はと言うと、見せ方(観せ方、魅せ方)がとても上手です。
昭和に見慣れたようなひとつ間違えば野暮ったくなる萬古焼が、組み合わせがとてもスタイリッシュなためにやさしい雰囲気の器になっています。
実際、輸出していたころのものは北欧でありアメリカンであり、とってもイイ感じ。
使う側の生活スタイルが反映されるんだなぁと感心させられます。
古萬古は取り上げず博物館等に任せて、現代に持ち込んでも違和感のないものにだけスポットを当てています。とても方向性がハッキリしてる。

このミュージアムを手がけた陶芸家・内田鋼一氏は今日本で一番忙しい陶芸家、と呼ばれているとか。
ご本人のサイトを拝見したら、「あ!これ見たことある!!」という器が出てきました。そしてやはりスタイリッシュ。
彼の個展は作品が飛ぶように売れていくらしいです。なんかわかる。私も欲しいのありますもん。
愛知県のご出身なのに四日市に制作拠点を置き、萬古焼に愛情もって取り組んで下さってるのかと思うと四日市市民としては大変ありがたい。(商売上手という側面を差し引いても余る)
どんどん減っている四日市の萬古焼の窯元…。大変もったいないことですので、これを機会に盛り上げて頂きたい♪


新見美術館コレクション 珠玉の日本画

2016年02月03日 | かんしょう
ただいま桑名市博物館で開催中の「新見美術館コレクション 珠玉の日本画」展、行きやすい場所なので週末を利用して行ってきました。



新見美術館がどこにあるのか分からず、ポスターに大きく伊藤小玻が取りあげられていたので三重県内の美術館かと思ったら、なんと岡山県新見市との事でした。また遠いところから…ありがたや。

決して大きい会場ではないので軽い気持ちで行ったのですが、予想以上に名作揃いで見応えがありました。
竹内栖鳳の「海幸」は鯛の透き通るように光る赤みが美しかったし、橋本関雪の「朝」で描かれた猿のやわらかな毛並みは目を見張るものがありました。
女流画家として伊藤小玻とよく対比される上村松園もあって定番を外していないし、小川千甕に影響を与えた富岡鉄斎も一度に何点も観ることが出来ました。
また、2点とは言え刀剣もありました。
刀剣は鑑賞点が分からずにあまり興味を持てなかったのですが、じっくり見ているうちにその鋼の美しさの良し悪しはともかく鎌倉時代に打たれた鋼が全く濁ることなく光っている様子は素直に美しいと思いました。もう少し数を観たら楽しくなるかも。

少しずつですが日本画と工芸が紹介されている良い展覧会でした。
桑名市博物館は地域の伝統に根ざした展示を色んな角度から絶えず発信し続けている上、こうやって時折余所からの風を入れる企画展を催していて、大変好感が持てます。この姿勢を崩さずがんばって欲しいと思います。


星と星座の伝説・冬(読み聞かせ17)

2016年02月03日 | よみもの
すっかり更新し損ねていましたが、冬の初めに6年生のところに行きました。
選んだのはコチラ↓
星と星座の伝説(冬)新装版 [ 瀬川昌男 ]

星と星座の伝説(冬)新装版 [ 瀬川昌男 ]価格:1,620円(税込、送料込)



高学年で15分読み切りというのは、大した読書量じゃない私にとって結構選ぶのが難しいのです。
で、困った時の短編集。
夜空がキレイに見える季節になったので選んだのですが、聞いたことがある気がするけどよく知らない、という星座にまつわる伝説はなかなか好評でした。
私が読んだのは、この中のオリオン座の話です。
オリオン座の話はさそり座と一緒に出ないというオチがあるので聞いたことがありそうなものですが、案外聞いたことがないらしく、先生も一緒に感心してくれました。
一編のみだと10分程度で読めてしまうのですが、一緒に星座早見板を持って行って「今日の午後8時だとこの方角に~」とか、「理科で習う冬の大三角は~」などという話を前後に織り交ぜながら話すと15分超えました。

このシリーズは四季を通してあるので、困った時に使いやすそうです。