アバウトなつぶやき

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石垣定哉展

2016年11月13日 | かんしょう
先日、シロウタを誘って三重県立美術館で開催中の石垣定哉 展に行ってきました。

石垣定哉(さだや)氏は三重県員弁郡東員町出身の画家です。私は馴染みがなかったのですが、身近な方の作品を知らないのはもったいないので足を運ぶことにしました。

県内の庁舎や公共の施設では結構作品を見ることができるらしく、シロウタは知ってましたが…私、気にしたことなかったわ。
なんか見たことあるような作品、って印象だけでした。正直。

リーフレットの作品にしてもそうなんだけど、ぱっと見た感じでは色の配色を楽しむ抽象画なんだと思ってました。
が、展覧会で解説を読み、作品の画題を見ながら鑑賞したら全く違うものに見えてきてオドロキです。シロウタも同じような印象だったらしく、二人で盛り上がりました。

展覧会の導入が、洋画界で注目を集めるようになったマンハッタンをテーマにした作品だったのですが、まずはエンパイア・ステートビルの具象画から始まります。それに続きマンハッタンの街並みを抽象化した絵が紹介されているのですが、初めにニューヨークを描いているとわかってその絵を見ると、ただの配色に見えていた絵が街並みをデフォルメしたものだっていうのがよくわかって、もう街並みにしか見えなくなってしまう。解説って大事だわ~、って感心します。
そういう手法で描かれているってわかると、他の作品も謎解きのように見れてとても楽しい。
我々が行ったタイミングは他に来場者がほとんどいなかったこともあり、自由に感じたことを話しながら見ることができて気楽でした。
ゆっくり楽しめる展覧会なので、地元の方にもっと知ってもらいたいですね。

あ、そうだ。
前回の記事を読んだのか、シロウタさんてば私の足を気遣って車いす用意しておいてくれました。ありがとう。
そして分かったこと、、、車いすってありがたいけど、自分で操縦できないタイプは介助の方が必要になるので気を使います。三重美さん、自走できるタイプの車いすもご用意されたほうがよろしいかと存じます。
私は来週にはギプス外れる予定なので次に使うのがいつになるかわかりませんが、他に「足に支障があっても上半身は元気」な人のためにぜひご一考を。

大観・玉堂・龍子展 -循作「雪月花」「松竹梅」によせて

2016年11月02日 | かんしょう
ただいまパラミタミュージアムでは大観・玉堂・龍子展 -循作「雪月花」「松竹梅」によせてが開催中。

観に行ったところ、人気どころの展覧会なので平日でもそれなりに入場者があります。休日だともっと多いかも。
大観は人気あり過ぎの整った絵、玉堂は田舎の描写が絶妙で純朴な感じが落ち着く画家、というそれぞれのイメージがあったのですが龍子については特に気にしてなかったので先入観無しで見る事が出来ました。


私が川端龍子を観て思ったのは「人物の目に力があり、情景には透明感がある」ということ。
特に水と魚の表現は美しい。
大観と玉堂は同世代で、龍子がそれより10数歳若いという関係です。この3人は「三つの画題を同じ3人の作家に割り振り毎年順番に画題をずらして3年で全体が完成する」という趣向の循作展を開催していました。
その際に3人が合作した「松竹梅」「雪月花」の書が展示されていて、3人共がこの展覧会を楽しみにしていたのが伝わってきます。
共通のテーマでありながら、それぞれが与えられたお題を描き、それを並べて展示することで個性の違いはハッキリと分かるのに調和するという楽しい表現が成り立っていました。

今回、川端龍子の作品の中で2番目に気に入った『梅「水温む」』というお軸がパラミタミュージアムの所蔵という事なので、この先も度々見る事が出来そうで嬉しい。
ちなみに一番気に入ったのは人物の目力がすごい『真如親王』って作品。こちらは大田区立龍子記念館蔵なので次に見れるのはいつの事やら。

おまけですが、私、先週の月曜日に階段を踏み外して右足首の靭帯断裂でギプス生活中です。
足を着いても良いと言うし松葉杖をつくのは腕が疲れるので右足引きずって歩いてるんですが、やっぱり長く歩くと疲れます。
午前中に中学校の文化祭を見学に行ってちょっとお疲れだった事もあり、美術館では車椅子をお借りしました。
それでわかった事ですが、大抵の鑑賞には支障ないのですが、工芸のような作品になると上から見ることが出来ないんですね。
些細な事で、健常の状態でないという事は多数派より不便を余儀なくされる事に気付きました。
美術鑑賞程度ならちょっとの事ですが、生活の中で多くの方が不便を感じている場面は多いのでしょうね。そういう事に配慮しながら生活できるようになりたいと思いました。