アバウトなつぶやき

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浜口陽三・南佳子 展

2010年02月10日 | かんしょう
 パラミタ美術館で開催中の「浜口陽三・南佳子 展」に行ってきました。

 

 このお2人は夫婦であり浜口氏がメゾチント、南氏はエッチングを得意とする銅版画家でした。(下記説明、ウィキペディア「版画」より抜粋)


■メゾチント(直接法) [編集]
エングレービングとドライポイントが線の表現のための技法であるのに対して、メゾチントは面の表現力を深める技法である。 「中間の色合い」を出せるというのが、その名の由来である。 ヨーロッパでまだ写真技術のない頃、肖像版画や細密版画で用いれられ人気があったが、写真の発達とともに省みられなくなり、「忘れられた技法」といわれることもある。 浜口陽三がこの技法を復興したことで知られる。

その製版工程は、これまでの技法と逆である。 エングレービングとドライポイントでは、平面の版に溝を刻むことで図柄を作ってゆくが、メゾチントでは、まず版全体にひじょうに細かな点や線を無数に刻んで、ざらつかせ (これを「目立て」という)、その後にこの「目」を削って平面をつくってゆく。 インクが残るのは当然、削られなかった部分である。

目立てだけを施した段階で印刷にかけると、全面が真っ黒の版画ができる。 ただし、真っ黒とはいえ、それは細かな点や線の集積なので、均一な黒ではなく微妙な陰影が出る。 目立ての粗密を調整すれば面のニュアンスも変わってくるし、また目をならす段階でも、どの程度もとの目を残すかで刷り色の濃淡を調整できる。 エングレービングやドライポイント作品に部分的にこの技法を用いれば、スムーズな階調の影をつけることもできる。

きわめて労力がかかるので (大作だと目立てだけで数ヶ月かかる)、普及に限界のある技法ではあるが、日本には浜口陽三や長谷川潔など、メゾチントを得意とする作家が多い。


■エッチング(間接法) [編集]
エッチングとは銅版を防食剤で一面にコーティングしたのち、ニードルで線描し、酸に浸して腐食させる技法である。ニードルで防食剤を剥がした部分だけが浸食され、それが版の凹部となる。最後に防食剤を洗い流して版が完成する。 レンブラントはエッチングを好んで制作した最初期の作家であり、ほかの銅版画技法と併用するなど、意欲的にその表現可能性を拡大した。 凹版画のなかでは特殊な技能をもっとも必要としない技法なので広く普及している。 有名画家が「手ごろな」価格の作品を提供するためにエッチングを手がけることも多い。 そうした場合に腐食の工程にまで画家が関与するかどうかは画家のこだわり次第で、「職人任せ」の場合もある。ただし、腐食の時間を長くするとより深い溝になってはっきりした線になり、短くすると淡い調子になるなど、工夫次第で複雑な描画ができるので腐食の工程はけっして単純作業ではない。 近年では薬液を用いない乾式エッチングも開発が進んでいる。


 意識してなかったけれど、どうやらワタクシはメゾチントの銅版画が好きな様です。版画ってちょっと職人気質みたいなものを感じるじゃないですか。だから芸術とはいえ、重苦しい感じがしなくて素直に「欲しい!」と思ってしまいます。(長谷川潔を初めて観たときも同じことを思った覚えが^^;)
 ワタクシにはメゾチントの静物の陰影がたまらないのです。
 同じモチーフを油彩や水彩で描いてもあの繊細さは出ないんでしょうね。
 そしてモチーフがまたイイ♪
 丸いものやコロコロしたものが静かにたたずんでいるのってかわいらしいと思っちゃう。
 実はさくらんぼ好きのワタクシ…。食べるのも好きだけど、デザインモチーフとしてもかなり上位で好きなのです。(だから小嶋三郎一の作品も好き)

 また、南桂子の作品も素晴らしかった♪
 今時のファンシー小物にも描かれていそうな細い線のタッチ。メルヘン調なんだけど、版画ならではの線の細やかさと深みがあります。
 面を描くのに、塗りつぶしではなく点と線を彫り込むとこんな味わい深いものになるんだなぁとじみじみ思います。
 版画、イイですね。
 なんか木版画も見たくなってきたなぁ。

 この展覧会はまだ始まったばかり。3/30(火)までやってます。
 浜口氏は東京にミュゼ・浜口陽三という美術館もあるようで(浜口氏はヤマサ醤油の御曹司だったらしい)、関東の方は気軽に立ち寄れそうでイイですね。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
めぞ? (はいぱーるー)
2010-02-11 22:48:25
メゾチント、聞いたことなかったし、版画とも思えん。凄いね、これ。
エッチングとかペン画とか、線を重ねて陰影を表現した作品は、好きだな。

日本橋、行ってみっかな。
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★はいぱ氏 (i-boshi)
2010-02-13 00:48:37
日本橋に行かずとも、今ならコチラで見れまっせ。
今回は友人が市民ギャラリーを見たいというのでそれに合わせて行ったんだけど、そちらはオブジェと銅版画の組合せでこれも面白かったです。まぁ、そちらはもう終わってしまったのですが…。

版画も良いけど、これを見に行ったときにポスターで面白いの見つけました。
今度お教えしますわ♪
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