事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

市町村合併の行方 第1回

2007-11-25 | 社会・経済

Apes 久しぶりクミアイ裏情宣特集。今回は市町村合併を。
まだこの当時は酒田市を中心とした合併の形態は不確定だった。
遊佐町が離脱するなど考えもしていなかったころ……
2002年6月4日発行分です。

「え?ウチの学校が酒田市立だか庄内市立○○小学校になったら?」
ある町立小学校に勤務する事務職員にきいてみる。
「大変じゃない!?」
「だろ?なにしろ設置者が変わるんだから。」
公印あたらしくしなくちゃねー。」
「……。」

 2005年3月31日までに合併すれば、という期限付で合併特例債の発行が認められるという“アメ”政策と、規模が小さい町ほど財政のなかに占める割合の大きい地方交付税の段階補正を見直していく(つまり、減らしていく)“ムチ”政策によって、全国各地で市町村合併の動きが同時多発的におこっています。

 この飽海地区も例外ではありません。そのワク組みすらいまだに明らかになっていませんが、まもなく町長選をひかえた余目町は、その件について現町長が今月中に何らかの意思表示をする(であろう)と言われており、立川町はそれに追随する(のではないか)と噂されるなど、風雲急を告げています。

 山形県教職員組合はその賛成派、反対派のいずれにも加担する立場にはないし、ただ同じ公務員としてこの問題を自治労関係者とともに学習する必要はあるだろう、ぐらいの気持ちで平和センターが共催する「地方自治を考える集会~市町村合併について」という学習会に参加してきました。

 いきなり結論。市町村合併は学校にも激しく影響する。このことを突きつけられた集会でした。そこでこの問題について、何回かシリーズで、裏版で特集します。

Ape2  この学習会は、山形県地方自治研究センターの情勢報告と、山形大学人文学部の木村武司教授の「市町村合併とはなにか」という講演がメイン。

 まずは歴史を。
市町村の「大合併」は今までに二度ありました。最初は……

1.明治の大合併
1890(明治23)年前後に行われたこの「大合併」では、それまでの自然村を合併することで、自治体数はおよそ七分の一になっています。それではどうしてこの合併が行われたのでしょう。総務省の小冊子によれば、明治期に小学校が義務教育化されたことがその背景にある、となっています。これは、明治12年の教育令によって公立の小学校を全国に整備し、義務教育として実施されることになったものの、その設置・運営の責任をもたされた町村にとって、教育費の負担はかなりきつかったのです。教育費とは、そのほとんどが教員の人件費。教育の機会均等をめざした義務教育費国庫負担制度などなかったわけなので、小さい自然村単独では学校経営ができなかったというわけです。つまり、市町村合併はそのスタートから「学校」のために行われたということは認識しておく必要があります。

2.昭和の大合併
1955(昭和30)年前後に行われたこの大合併には様々な背景があります。
GHQの指示によって、軍国主義遂行の末端組織だった町内会・隣組制度が解体され、地域共同体機能が低下したため、それまで農村集落が担ってきた機能が役場事務に移行したこと。

②戦後の引き揚げ者が農村に還流し、その受け入れや配給事務などが激増したこと。

③農地改革により、それまで地主が処理していた事務が役場の事務となり、職員の増員が急務となった。加えて、地主が名誉職的に町村長をつとめる時代ではなくなったこと。

 そして市町村の行財政に大きな影響をもたらしたのがまたしても学校。1947年3月、教育基本法と学校教育法が公布され、六・三制が実施されて小学校に続いて中学校の設置が市町村の事務となり、多様化した行政指導や国庫補助金に対応するために……

Heston ……久しぶりに大学教授の講演などを聴いたので頭が痛くなる。自分が授業中ほとんど別のことを考えていた劣等生だったことまで思い出してしまった。今回はほんのサワリの部分。次回からは本格的に“平成の大合併”にふれますが、賛成派、反対派のいずれもが掲げる【市町村合併は住民自らが決めるもの】であることを頭に入れて、情報に耳をそばだててみて下さい。学校がその動きに無縁ではありえないことを、常に意識しながら。

→結果的に酒田市+平田町+松山町+八幡町が合併。余目町と立川町が合併して庄内町となった。鶴岡市では三川町がそりゃもう色々とあって離脱。その“色々”関係は後日。

画像は「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(‘01 米)
 今回はネタバレなしでいきましょう……つってもあのラストはなあ。旧作よりも猿のメイクアップ、さして進歩してるとも思えないし。映画自体はそりゃあティム・バートンだから面白いけれど。カットされたというマーク・ウォルバーグ(人間)とヘレナ・ボナム=カーター(猿)のセックスシーンは観てみたかったな。
 で、カンフー映画以上にワイヤーアクション使いまくり。悪~い将軍(猿)セード役ティム・ロスが跳ぶ跳ぶ!
 そのティム・ロスのインタビューが笑えた。「要するに(ピエール・ブールの)原作は人種差別や文明の奢りを糾弾する左翼小説で、そいつを旧作では右翼(チャールトン・ヘストン)が主演してたわけだ(笑)」
 ここまで言われたゴリゴリの反動ヘストンは新作にもカメオ出演していて(長老猿)、それは気づいたのだが、旧作のあのラストと同じセリフを言ったとは気づかなかったなあ。

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