絶賛の嵐。とにかく面白いと評判。これはぜひとも見なくっちゃ。ということで先週の「ベイビー・ドライバー」につづいて妻と見てきました。ハラハラドキドキの映画が苦手な妻が「見たいわこれ」と言い出したのは意外。
一匹の鹿が、クルマにひかれたのによみがえるオープニング。そう、これは韓国初のゾンビ映画なの。釜山行き(原題)の新幹線に乗りこむ父娘。父親は仕事中毒で娘のことをあまりかまってやれない。しかもファンドマネージャーとしてけっこう後ろ暗いこともやっていることが部下との会話でうかがえる。
発車直前に血だらけの女性が乗りこんできて、ここからゾンビウィルスに感染した人間VSまだ感染していない人間のバトルが開始される。
韓国映画なので、ハリウッドコードに慣れた日本人観客にはなじめない部分もけっこうある。でも、そこがまた面白いのだ。
基本的にこの映画は
・罰せられるべき人間はすべて感染し、駆逐される
という因果応報なお話だけれども
・罰せられるべきではない人間も感染する
という冷徹なお話でもある。だから最後の「歌」(わたしは違う場面で使われるものと思っていました)に泣かされるのだ。
興味深かったのはゆで卵を食べる高齢の姉妹。他人のためにすべてを犠牲にしてきた姉と、若いものたちへの不満をぶちまける妹。このふたりがストーリーの上で重い意味をもってくるあたり、考えてあるなあ。“北”への言及も慎重に排除してあるし。
とにかくゾンビたちの動きが速いので息もつけない。日本には「新幹線大爆破」(東映)という新幹線を扱った傑作があるぜと思いつつも、韓国の才能おそるべしと感嘆。
「あのね、ゾンビは××××(ネタバレなので秘します)なんだから、××××すればよかったんじゃない?」
妻は堪能しながらも文句をつけている。
「新幹線も止まっちゃうじゃないか!」
なぜわたしがフォローしなくちゃいけないんだ。