第47回「ある朝敵、ある演説」はこちら。
昨日から今日にかけて、わたしが何をしていたかと言えば、続篇を見るつもりなので「アバター」の1作目をDVDで見返し、6時と8時の2回この大河を見て2回とも涙を流し、あろうことか0時からのW杯決勝戦までフルに観てしまったのである。ど、怒涛の娯楽三昧。当然のごとく、職場でも眠かった。社会人失格。
にしてもすべて一級品でしたね。一日で消化するのはもったいなかった。
さて大河。冒頭に徳川家康登場。といっても北大路欣也ではなくて、松本潤。次の大河へのブリッジ。脚本協力として古沢良太さんの名がクレジットされている。これは三谷幸喜らしいサービスで、そういえば「真田丸」のときも、大坂城から赤備えの彦根藩兵士を見ながら、「あの藩もいろいろあったんだろう」と信繁に語らせ「おんな城主直虎」につなげて見せていた。
そのサービス精神はこの最終回でも炸裂。義時(小栗旬)がどのように死ぬのかを散々推理させながら、
・のえ(菊地凛子)の毒 → ある程度当たり。義時はしかし彼女を罰しない
・三浦義村(山本耕史)の裏切り → ある程度当たり。動機がすごい。
・泰時(坂口健太郎)の反抗 → 義時は泰時のために悪名をかぶろうとする。
・政子の決断 → ある意味、実行犯は政子。しかし殺すというより、楽にさせたかったのが本音か。
……すべてが当たりであり、どれも的中というわけでもない。みごとだ。そしてこの脚本に小栗旬と小池栄子のふたりが応えた。すばらしい最終回。そしてすばらしい大河だった。
タイトルの13人の意味をひっくり返したり、誰よりも幸福なエンディングを迎えるのが暗殺者トウ(山本千尋)であるなど、最後まで楽しませてくれた。日曜夜のお楽しみがこれで……ん?とりあえず「どうする家康」の1回目は見ようかな。古沢良太さん(「ALWAYS」「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマン」)が脚本だもんな。
まるでフランスやアルゼンチンの完璧ボール回し同様の、いろんな人物の思惑と義時のこれまでの言動がつながり合っての死因。 一人の登場人物に全ての責任を負わさない、三谷さんの優しさなのかな。
クリスティ作品予想は当然外れましたが、モデルは
私も大好きなある作品Aと、問題作にして名作のBの、合わせ技のようです。
前々回の政子が三寅を抱く姿が聖母マリアの様で、その時何となしに作品Aを連想していたのですが、まさかそれが重大ヒントになっていようとは。 だってまさかここにきて頼家の件が蒸し返されるなんて予想だにせず、、、
政子も義時も、それぞれが作品Aと作品Bの中の二役を合わせた設定で脚色されていた様に見えました。こんなやり方で二人の心情描写を膨らますとは。
そちらの作品内容も相まって、なんとも複雑で切なくて救いもかすかにあるラストでした。心がぐちゃぐちゃになりました。
ホントのラスト、義時の目から光が消え意識下では政子が啜り泣く声だけが聞こえ、やがてこと切れた瞬間に「完」。
自分が他界する瞬間を味わった様な気持ちになりました。
しばらく放心してしまいました。
けど)だった。
政子という姉が泣いてくれているという意味で、
義時の人生は最低のものではなかったですよね、
これでどっかのじいさんが
「祝着、祝着」とか言ってたらやだなー。