第37回「栄一、あがく」はこちら。
やっぱり徳川家康(北大路欣也)は出てきましたね。
というか、この回は徳川慶喜(御前様と呼ぶものもあり、けいきと呼ぶ人もあるあたりが周到)の名誉回復を旧幕臣たちがめざすエピソードが中心なので、大権現の登場は必然。あと一年たつとこの人物を松本潤が演じることになるわけだ。背広にリュックを背負って今川に人質になるんだろうか。ああまだ死ねない。
実際には放蕩息子(泉澤祐希)の帰還の回。
遊びがすぎて熊本第五高等学校に追いやられる嫡男……あのー、そこって大河ドラマをはじめ、おなじみの夏目漱石、ラフカディオ・ハーン、嘉納治五郎がいたところ。そして熊本は「八重の桜」で初めて知った熊本バンドがいたのである。
でも追放あつかいなのな篤二。どれだけのことをやったんだ篤二。これからも彼の人生はいろいろあるようだけど、そこまで描く余裕があるものだか。
大森美香さんはもっと経済人となってからの渋沢栄一を描きたかったようだ。でもそれはかなわなかった。コロナのために短縮されたから。残念だろうなあ。
しかしこれでNHKには貸しを作ったわけだし、ディーン・フジオカを主人公にした五代友厚を主人公にしたスペシャルは確実に作られますよ。楽しみにしています。そうなったらきっと出ます吉沢亮も。
まもなくこの大河は終了する。吉沢亮と草彅剛のやりとりはもう見られない。
わたしはつくづく思う。結論めいたことを言ってはいけないけれども、草彅剛の演技の才能をお茶の間(死語)に認識させただけでもこの大河には意義があった。慶喜は妻の死をも静かに受け入れている。前回の栄一と千代の死別との差は激しい。徳川慶喜(誰も彼も彼を英明とだけ評する)という人物の印象をすべてこのドラマは上書きした。
第39回「栄一と戦争」につづく。
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