事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「青春少年マガジン」 小林まこと著 講談社

2009-03-15 | アニメ・コミック・ゲーム

Seishunnshonennmagazine 70年代後半から80年代初めにかけて……つまりわたしがいちばん少年マンガに熱中していたころ、描き手の側ではこんなドラマがあったのか。“ボロボロ泣きながら描いた”という小林のコピーがうなずける悲惨さ。

世間知らずで(なにしろ印税という存在を彼らは知らなかったのだ)、しかし常に人恋しい新人漫画家たちの熱情は、病や自死という形で終息する。小野新二や大和田夏希の死はわたしにとってもショックだった。

小林が「1、2の三四郎」以後、マイケルや柔道部物語で生きのびたことがどれだけの幸運か……。作者急病のため、というフレーズに隠された地獄を、わたしたちは常に知らないふりをして少年マンガを楽しんできたわけだ。

舞台裏をあえてさらす連載を引き受けた少年マガジンの度量は、ジャンプやサンデーよりもずっと“文学的”だったマガジンらしい。必読。三四郎のいつものメンバーがそろった「格闘探偵団」も笑えます。この本を持ってきてくれた書店員が小林フリークだったので紹介してもらいました。商売上手。

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「週刊新潮が報じたスキャンダル戦後史」週刊新潮編集部 新潮文庫

2009-03-15 | 本と雑誌

131004 週刊新潮とほぼ同時に生まれたわたしでありながら、このなかで報じられているスキャンダル、ほぼ完全に把握していたぞ。「噂の真相」を長く購読し、別冊宝島もダークな方面のものを漁っていたわたしにとっては、薄味とすら。心臓移植がらみで渡辺淳一という青年医師がとんでもないコメントをしていたのには笑いましたが。

もっとも、リアルタイムでこれらを報じていたあたりの重みは感じなければならないのだろう。にしても、この30年で週刊誌の文体はほとんど進歩していないんだねえ。

斎藤十一への言及がほとんどないのはなぜ?☆☆☆

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