事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「コンタクト」Contact(’97)

2008-07-04 | 洋画

Jodiefostercontact12  DVDの機能でうれしいのは字幕の言語が選択できること。英語のお勉強のつもりで英字幕を選択するのは多くの人がやっているだろうが、日本映画を英字幕で見るのもオツなものです。あー、こう訳すのか、と。でもなかには日本語が聞き取れないので日本語の字幕を選択したりすることも。滑舌の悪い役者を使っていたり、あまりにも激しいセリフの応酬のためにやったりします。年取ったのかなやっぱり。

で、「コンタクト」。さすがにこれだけ科学用語が多いと英字幕はつらい。でも再見だから、と我慢我慢。地球外知的生命体とのファーストコンタクトを大マジで描いた意欲作。二度見てもぜんぜん飽きない。宇宙人の発信した設計図によって宇宙間移動装置が造られるが、宗教テロにより爆破されるあたりは9.11とシンクロしている。冒頭の“お父さんの薬がない”シーンにはうなった。

 それにしても、装置の代替がひそかに北海道に用意されているって展開には笑った。怒れよ北海道民(^_^;)。陳腐なホラ話にならなかったのはロバート・ゼメキスの演出以上に、ジョディ・フォスターの必死さのおかげか。

                                                ジョディの恋人役は今をときめくマシュー・マコノヒー☆☆☆★★★

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My Tool 第6品 リソグラフその2

2008-07-04 | 日記・エッセイ・コラム

Lb0708000019 「学校の印刷~リソグラフ」はこちら

 謄写版の技術自体はエジソンの発明らしい。その技術を、明治期にヨーロッパではゲシュテトナー、日本では滋賀県の堀井新治郎がそれぞれ改良、普及させたといわれている。特に日本や中国で普及したのは、使用する漢字が圧倒的に多いため、活版印刷するには活字のストックが膨大になりすぎる、という事情も影響したとか。

 ガリ版の最大の特徴は、原理が単純なのでとにかくコストがひたすら安いということ。おかげで学校や役場、企業の小規模印刷で使用されたのはもちろん、アンダーグラウンドでも活躍することになった。セクトのアジビラなど反政府系印刷物の多くがガリ版刷りだったのはこのため。独特の文体と字体でおなじみですわな。現在も発展途上国では(なにしろ電力がいらないので)広く行われている印刷方法。

 ひたすらローテクだった謄写版印刷に転機が訪れたのは80年代はじめ。原紙の製版方法がガリ切りから放電針式に変わったのだ。ベテランの方々(気を使った言い回し)ならおぼえがあるはず。原稿用紙を丸いドラムにセットし、スイッチを押すとくるくる回転を始めて読み取っていくやつ。これは当時としては画期的。なにしろガリ切りから解放され、紙に書いた字やイラストがそのまま印刷できるようになったのだから。この機械は「謄写原紙自動製版機」が正式名称なのだけれど、略称がファックス。いまでも方眼罫などの専用の用紙が(ファクシミリとは関係ないのに)ファックス原稿用紙と呼ばれるのはそのためなのだ。

 さて、ここで登場したのが理想科学工業という会社。謄写版印刷の変形であるプリントゴッコで大もうけをしたこの会社は、同じ原理を使って全自動式印刷機を発売した。これが、リソグラフ。海外の(ゲシュテトナーなど)企業も日本に参入しようとしたけれど、更紙など薄くてしわになりやすい紙を使うことの多い日本に対応できず、だから現在の国内市場は理想科学、リコー、デュプロなど国産メーカーの独壇場ということになっている……

 思いきり駆け足で紹介したけど、インクジェットやレーザープリンタ、あるいはコピー機がこれだけ進化したにもかかわらず、学校で謄写版印刷が生き残っているのは、要するに「コピーするには金がかかり過ぎ、印刷屋にまわすには数が少ない」学校という場の印刷部数が影響しているんだろう(もうひとつは印刷スピード)。あと何年かしたら、ガリ版のように郷愁の対象になるかもしれないけれど、画質の向上はしゃれにならない域に達しているのも事実。団塊の世代がガリ版世代なら、わたしたちは文句なくリソグラフ世代と規定できるかも。

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