公園でトンボの写真を撮っていると,足元にショウリョウバッタがいました。偶然とはいえ,ふしぎなものです。ショウリョウバッタは褐色型です。緑色型ほどにはお目にかかれません。
それでしっかり記録しようと思い,公園らしさを取り入れて撮ることに。
わたしの,こういうときの撮影流儀は原則,昆虫の動くままにして後を追いながら撮るというものです。撮っていると,たとえば小さな子どもがやって来て昆虫を触ろうとします。そういうときは,「虫さんの思うままにさせて。そっとしておいてね」と伝えます。
このとき,すぐ近くから「〇〇先生でしょう?」とわたしに話しかける女性の声が聞こえて来ました。地面にしゃがんでいたわたしは顔を上げてその人を見ました。女性は「わたしを覚えていらっしゃいますか」と聞かれました。よくよくお顔を見ていると,記憶に刻まれた一人の女の子が浮かんできました。それは小学生のときの顔です。自信なく「Iさん?」と返すと,「そうです! うれしい! 名前を憶えてくださっていて!」と返って来ました。合っていてホッ。
わたしは女性を担任したわけではありません。理科授業で関わりを持ったぐらいです。それでも,印象に残るタイプの陽気な子でした。お父さんとお母さんと割合親しく話していたこともその背景になっているのかもしれません。
りっぱな母親となって,二人の子どもさんとパートナーと一緒に来園しているということで,ご家族を紹介してもらいました。こういう出会いは感激ですね。小学校卒業以来,25年は経っているでしょう。こんなわけでふしぎな出会いになりました。
バッタはいるがままの姿勢と向き。そのバッタの向こうで子どもさんにしゃがんでもらい,撮ったのが下写真です。
この日は空気もこころもさわやかな一日でした。