自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

我が国にもラウンドアバウト交差点が

2013-02-25 | 随想

ラウンドアバウト式の交差点は信号機のない円形交差点です。欧米にはふつうにある交差点で(フランスでは地方都市にあるすべての交差点がこの方式!),その光景を撮った写真を2年近く前の本ブログでもご紹介しました。なにしろ,この交通文化との出合いは衝撃的でしたから。

「これなら交通事故が減るだろうし,なんと言っても交通が円滑にいく筈」と思ったことがよみがえります。ただ,日本のように狭い国土に信号機が連続して設置されていているところでは,現交差点の改良でこの方式につくり替えるのはたいへん難しいのではないか,とも思いました。

ところが,この程,交差点をラウンドアバウト式につくり替える試みがほぼ完成したところがあるといいます。読売新聞のネット配信(2月23日)で知ったことです。写真も掲載されていました。そこは長野県飯田市の市街地。珍しい試みで,これを入れて全国では10例ほどしかないそうです。

この方式の特徴は,信号機なし,環状道路内の自動車に優先権がある,環状道路内では左側回りをして分岐道に出て行く,分岐道から環状道路に入るときは一旦停止をする,などが挙げられます。わたしの見たヨーロッパの例では,環状道路に入るときは一旦停止はなく,自動車が流れるように走っていました。

こうした交差点を導入することは,発想の転換,実用性の追求,交差点の事故防止,二酸化炭素の削減という観点からとても価値があります。たとえば,自動車がまったく走って来ないときに,長々と赤信号で停止状態でいるというのはいかにも無駄です。信号機がなければ,電気代も必要ではなくなります。赤信号待ちのアイドリングによる二酸化炭素放出が抑えられます。

専門家の話では,欧米諸国の現状からみて,我が国の交差点事情は20年は遅れているのだそうです。そりゃそうでしょう。読売新聞配信記事の見出しはこうでした。『信号いらず丸い交差点,日本に定着するか?』。さて,どうでしょう。わたしの居住区で,是非ラウンドアバウト方式を採用してほしいという地点があるのですが……。