自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

根を出すクヌギの種

2013-02-26 | 生物

職場の裏手にあるクヌギについては,これまでに何度か触れました。この木のしたの一部は,ふつう人が入れないようにフェンスが張られています。人が入れず,日陰になっているので,コケが生えいつも地面が湿っています。そのために,落ちた種子がどんどん芽生えます。

今行くと,いくらでも種があって,よく見ていくと発芽しているものが見つかります(下写真)。  

ところで,この芽を見て「茎か,根か,どちらかな?」と思えてきます。「発芽」「芽」を国語辞典(新明解国語辞典)で調べると,それぞれ「(種などから)芽が出ること。めばえ」「・根・枝の先や一部分が少しふくらんで,やがて葉・茎や花などに生長する部分」とあります(太字及び下線はわたし)。

辞典の説明はこの写真の種子について十分に解説してはいません。実は,この芽は根になっていく部分だからです。葉が付く茎(幹)は,このあと出てきて上に伸び始めます。これまでに何度か植木鉢に置いて観察したことがあるので,これははっきりしています。

ずいぶん前にそのことがわかって,いろんな植物の種子について調べたことがあります。結果わかったのは,発芽時にまず根が出る例がほとんどなのだそうです。ということは,先の国語辞典の解説でいえば,これでは不十分なのであって,「根に生長する部分」という表現が欠かせないことになります。

話は変わりますが,児童朝会で子どもたちにドングリの発芽にちなんだクイズを出したことがあります。内容は,あらかじめ描いておいたいくつかの発芽風景から,正しいと予想するものを選ばせるものでした。いちばん多かったのは,葉が出てくるという予想でした。実物を見せたとき,とても驚いていました。