◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

敬意の度合いは立場によって違う。

2007-05-09 11:20:21 | めちゃくちゃな敬語
 専務には「社長は、海外からの大切なお客様をもてなしていらっしゃいます」、新入社員には「社長は、海外からの大切なお客様をおもてなしになっていらっしゃいます」、この違いは何かというと、社長と専務の関係、社長と新入社員の関係、そして、専務と秘書の関係、新入社員と秘書の関係、この違いです。社長と専務は2~3期しか離れていないかもしれませんし、下手したら同期だったりして、今日まで一緒に頑張ってきた間柄かもしれません。でも、新入社員にとって社長はずーっと上の人ですから、最上級の敬語を使います。
 また、専務は、社長に何か報告するとか、重役会議とか、あるいは、社長のスケジュールについて打ち合わせをするとか、秘書としょっちゅう顔を合わせているでしょうから、「社長は?」と気軽に言うでしょう。新入社員は、直接社長に用事があるなどということはそんなにないはずで、この秘書とも恐らく初対面でしょう。当然、新入社員のほうも最上級の敬語を使うわけで、「人事部の田中と申します。このたびの件につきましてご報告申し上げたいのですが、社長のご予定はいかがでしょうか、10分ほどお時間を頂けませんでしょうか」と言ってきたら、「ただいま、社長は、海外からの大切なお客様をおもてなしになっていらっしゃいます。3時以降でしたら・・・」というようなことになるでしょう。
 そして、もう一つ、全体のコーディネートということがあります。「昼飯を食う、うめぇ」→「昼ご飯を食べる、おいしい」→「昼食を頂く、おいしゅうございます」ですから、「昼ご飯をお召し上がりになる」よりも「昼食をお召し上がりになる」、最上級の敬語なら、「明日」は「あす」ではなく「みょうにち」、「明後日」は「あさって」ではなく「みょうごにち」、「昨日」は「きのう」ではなく「さくじつ」です。「さっき来ました」→「先ほどいらっしゃいました」、「女の人だった」→「女性でした、ご婦人でした」、「課長、お帰りなさい、お疲れさまです」→「社長、お帰りなさいませ、お疲れになりましたでしょう」、それぞれふさわしい組み合わせがありますから、これを忘れないようにしましょう。これでバッチリ d(^-^)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする