◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「○○の目は涙であふれていた」って?

2016-09-25 10:00:05 | 言葉についてあれこれ
                                その目には何が映る?

 「○○の目は涙であふれていた」は、フジテレビ・土曜プレミアム「有名人達のとっておきランキング」で聞いたナレーションですが、それを言うなら「○○の目には涙があふれていた」です。箸だけではなく、助詞もうまく使えない、そんな日本人ばかりになっていくようです( ̄_ ̄)。
 「都内を頻繁に出没」は「林修の今でしょ!講座」で見たテロップですが、「都内に」もしくは「都内で」でしょ、「を」はない! 「魔法にかけられてしまったのよ」はテレビで放送された映画「マレフィセント」で聞いたセリフですが、「魔法をかけられてしまったのよ」で、「魔法に」なら「かかってしまったのよ」ですから。
 「この日ソクチョに訪れた人数」は「情報7daysニュースキャスター」で聞いたナレーション。この後、「都知事選の火ぶたが切って落とされた」とも言いましたからね、この有り様で報道って( ̄д ̄)! 「この日ソクチョを訪れた人数」ですよ、そして、「都知事選の火ぶたが切られた」ですよ。
 「営業へ出掛けることにしたようです」は「U-29人生デザイン」で聞いたナレーションですが、「営業へ」なんて大げさですし、「営業」に「へ」は合いませんから、「営業に」です。「藁をもすがる思い」は「みんなの家庭の医学」のナレーションですが、「藁にもすがる思い」でしょ。もう、解説する気にもなれない!
 「子どもたちが生まれた町を知ってもらうことが目的」は「JNN NEWS」のナレーションとテロップ。こういう言い方、私は大嫌いです。本当に気持ち悪くて、こういうパターンで言ったり書いたりする人はどうかしていますよ( ̄д ̄)! 「子どもたちが」だから子どもが“主語”かと思いきや、「知ってもらう」の“主語”は自分ですからね、結局、自分アピール! 自分が主役!
 「子どもたちが」なら「子どもたちが生まれた町を知ることが目的」と続け、自分がその手助けをするのなら、「子どもたちが生まれた町を知ることができるようにするのが目的」です。でも、あくまでも自分が主役、「知ってもらうこと」と言いたいのなら「子どもたちに」で、「子どもたちに生まれた町を知ってもらうことが目的」です。
 「白熱ライブ ビビット」で吉田明世アナウンサー(TBS)が「○○で体を巻き付ける」と言いましたが、「○○を体に巻き付ける」だから! 「演技が終わり、得点が発表」は「白熱ライブ ビビット」のナレーション、ナレーターは大江戸よし々。このごろはこのパターンが当たり前のようになってきていますが、「得点が」の「が」は不要。「演技が終わり、得点発表!」なら違和感なく聞こえるのですよ。
 「3か所で斜面が崩れているのが確認」は「ニュースいしかわ845」(NHK金沢放送局)で見たテロップ。ナレーションは「3か所で斜面が崩れているのが確認され・・・」で、それなら「3か所で斜面が崩れているのが確認された」と書けばいいものを、なぜ「され」だけ削る? 削るならもっと削って「3か所で斜面が崩れている」にすれば?
 え? 「確認」という言葉を入れたい? それなら「3か所で斜面が崩れているのを確認」と書けばいいのです。「(役所の担当者によって)崩れているのが確認された」と「(役所の担当者が)崩れているのを確認した」、視聴者にとってはどちらでもいいわけで、「崩れているのを確認した」なら「崩れているのを確認」まででいいのですよ。
 「販売員に渡されたのはゴーグル型の端末」は「ウェークアップ!ぷらす」で聞いたナレーション。バーチャルリアリティの話をしていて、住宅販売でも活用されているとか何とか・・・、販売員がゴーグル型の端末を装着? と思って画面を見たら、客が装着していましたからね、「販売員から渡されたのはゴーグル型の端末」です。こういうのは「販売員から」でないといけないのですよ( ̄― ̄)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「船長の無責任」って?

2016-09-18 08:53:59 | 言葉についてあれこれ
                                やっぱり浮き輪だね

 テレビ朝日の番組で見た「船内映像が暴く 船長の無責任」というテロップ、これはいけませんね、誰が書いたんだ( ̄д ̄)!? 日本人なら、何も考えなくても自然に「船長の無責任さ」と書けるはずです。それにしても、コスタ・コンコルディア号といい、セウォル号といい、大きな船舶で、救命ボートが装備されていればそれで安心かというとそうでもないような・・・。
 「船長の無責任」だけでも( ̄д ̄)ダラケ! なのに、NHKの番組で聞いたナレーションにも「無力を」「残酷を」などというのがありましたからね、一体どうなっているのでしょうか。詩や難解な言葉遣いの戯曲、そういった特別なものではなく、単なるナレーションですよ。皆さんは分かりますよね、「無力さを」「残酷さを」です。
 「事態は最悪へと向かっていた」は「見逃せない瞬間 ハイパーMAX」(フジテレビ)で聞いたナレーション。もぉ~やだぁ~、さ~いあっくぅ~、なんてね、言いますけれど、「最悪へ」なんて言いません。普通は「最悪の事態へ」ですが、「事態は」で始める言い方について考えてみましょう。
 ただし、「最悪」と言えるのは、最悪の結果になると予測できる場合であり、ゆえに、「事態は最悪の結果へと向かっていた」と言うわけです。もし、そこまで言えるわけではないというのなら、簡単に「最悪」なんて言わないで、「事態は悪化していった」ぐらいにしておいてほしいですね。
 「ニュース7」で「受け止めはさまざまです」と言った武田真一アナ。こういう言い方はたまに聞こえてきますよね、言っている人は、ひょっとして、今様とか、かっこいいとか思っているのではないでしょうか。私は違和感を覚えるだけなので、やはり「受け止め方はさまざまです」と言ってほしい、いや、NHKのアナウンサーなら「受け止め方は」と言うべきだと思います。
 「人前が苦手な」は「よみがえりマイスター」で聞いたナレーション、これもNHKです。さらっと聞き流してしまいそうですが、「人前に出ることが苦手な」と言うべき場面だったので引っ掛かりました。どうしても何か足りないという感じがしますからね、何でも省いていいというわけではないのです。
 「その活躍はとどまらず」は「白熱ライブ ビビット」で聞いたナレーション。活躍し続けるのですよね、次はどのようなことで活躍してくれるのでしょうか。その前に、今はどういう場面で活躍しているのか、そこを言ってくれないといけません。「その活躍は○○にとどまらず」の「○○に」が抜けています。それを省くなら、「その活躍はとどまるところを知らず」という言い方がありますよ。
 「独身の友達が僻みや妬みを言うようになり」は一般の人が書いたものです。「僻み」は「ひがみ」、「妬み」は「ねたみ」ですが、常用漢字表外の音訓は不親切なうえに、そもそも「ひがみやねたみを言う」は日本語として成立していません。実際にそういう言葉を発しているとしても、「独身の友達がひがんだりねたんだりするようになり」と書くのが日本人だと思うのですが、どうですか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヨガ療法の奥にはかくも神妙です」って?

2016-09-11 10:30:55 | 言葉についてあれこれ
                                何のポーズ?

 「昭和平成ヒット商品全部見せます」という番組で見た「ヨガ療法の奥にはかくも神妙です」というテロップ・・・、説明がごっそり抜けている? これだけ見ると訳が分かりませんが、ナレーションは「ヨガ療法の奥義はかくも神妙です」でした。ナレーターは「おくぎ」とはっきり言っているのです。
 では、なぜ「ヨガ療法の奥にはかくも神妙です」になるのかというと、テロップ入力作業者が「奥義」を知らなかったのでしょう。あるいは、「おうぎ」と言っていたら分かったのかもしれませんが、辞書には「おくぎ」で載っています。それにしても、こんなテロップをなぜ画面に出す?
 テロップ入力作業者だって、「ヨガ療法の奥にはかくも神妙です」なんて書いたら、なんか変だなぁ~と思うでしょう? 思わない? 思っても、直す時間がない? それどころか、なんか変だなぁ~と思う時間すらない? そもそも“誤りがあれば修正する”という概念がない? 間違いがあって当たり前?
 「林修の今でしょ!講座」で、「自分たちの使うゴミが」だの「不必要なごみを出さなくなった」だの、おかしなテロップが出て、講師がそのとおりしゃべっていたのであきれました。最近よく見掛ける本郷和人という大学の先生(歴史学者)ですが、「自分の出したゴミが」「むやみにゴミを出さなくなった」と言っているつもりでしょう。ほとんどの作業者は、“ぱっと見て分かるように修正する”などという芸当はできないのですから、話し手がちゃんとしないとね。
 「いろいろな情報 または協定等を」は「報ステ」で見たテロップですが、「いろいろな情報 協定等を」「いろいろな情報や協定等を」「いろいろな情報 また 協定等を」と書かなければいけない場面でした。話し手は「いろいろな情報、また、協定等を」と言ったのです。つまり、「and」なのにテロップは「or」になっていたのですから、いけません。意味を変えてしまうのは、訳が分からないテロップより始末が悪いですよ。
 「映っちゃった映像GP」のテロップとナレーションに「石切り」という言葉が出てきたのですが、川岸に立っている人が、拾った石をサイドスローで、水面を弾むように・・・、それって何でしたっけ? あぁ、「水切り」ですね。石を切っているわけではありません。これくらい、いいかげんです( ̄д ̄)!
 「レイ子が死んだかどうか確認を取っています」は「私という名の変奏曲」(脚本 浜田秀哉)というドラマで大西刑事役の水上剣星が言ったセリフ。レイ子が死んだかどうか、ほかの誰かに確認したのではなく、大西刑事が自分で、直接、死体(レイ子)に触れて確認したので「確認しています」ですけれどね。
 変なセリフも多いですね。どういうドラマだか忘れましたが、レストランで知人(Aさん)を見付けた、Aさんもこちらに気づいた、すると、Aさんのテーブルの横に立っていた人(知らない人、Bさん)が慌ててそこを離れ、自分の席に戻った、そういう状況を後で語るセリフが「(Bさんは)慌てて席を立った」でした。なぜ┐( ̄д ̄)г? 元々立ってたしぃ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「移動開始をしてございます」って?

2016-09-04 09:34:27 | 言葉についてあれこれ
                                移動はしません

 以前、小学生が「結果発表します」と言うのを見て、なぜ「結果を発表します」と言わないのかと書いたことがありますが、後日、一般の人が「移動開始をしてございます」と言うのを聞きましたからね、多分、どちらも、メモに「結果発表」「移動開始」と書いてあったのでしょう、そして、そのメモを読んだだけ、です。
 「ございます」なんて言う大人なら、「移動開始」というメモを見て、ぱっと「移動を開始して・・・」と言うぐらいのこと、できないものでしょうか。それに、「ございます」は「あります」ですから、「移動開始をしてございます」は敬語としても成立しません。「移動を開始しております」と言えば?
 だいぶ前の「報道STATION SUNDAY」で、オリンピックの選手村建設予定地でリポートしていた男性が「選手村が建設予定されています」と言ったのですが、「選手村の建設が予定されています」ぐらい言えない? あるいは、「選手村が建設予定」とメモしたのなら、「選手村が建設される予定です」と言えない?
 「安定した切り心地で丈夫となっている」は「スマステ」のナレーションですが、こういうのを聞くと、私は気持ち悪くてしかたありません。「安定した切り心地で丈夫」と書いてあったら「となっている」と続ける、パターンですか( ̄д ̄)! 「となっている」なんて余計です。
 「バンキシャ!」で「警備が厳重となっています」と言った中継先の人、記者かな? 「警備が厳重」と書いてあったら「となっています」と続ければそれでいい? 違いますよ、「警備が厳重になっています」でしょ! 「大気が不安定」というメモを読むときに気象予報士のほとんどが「大気が不安定となり」と言ってしまうのと同じですね。誰か「大気が不安定になり」と言ってくれないかなぁ。
 DIYショップで棚を買って、帰宅して梱包を解こうと思ったら、大きく「カッターの使用禁止」と書いてありました。客に対して「使用禁止」は随分ストレートだなぁと思いましたが、まぁ、いいですよ。いいですが、せめて「カッターの使用は禁止」とか、「カッター使用禁止」とか、書けませんかね。
 あることを調べているときに「症状が重い場合は松葉杖などの使用をし負担をかけないように」という記述を見たのですが、まず、「松葉杖などの使用」という文があって、そこへ書き足していって「松葉杖などの使用をし」となったのでしょうか。日本人らしく「松葉杖などを使用し」と書けないものでしょうか。「松葉杖などの使用」は「松葉杖などの使用」でがっちがちに固まっている?
 「外国人観光客に人気スポット」は「レオスタ」の小野塚アナが担当するコーナーで見たテロップですが、「外国人観光客に人気のスポット」と書かないといけません。「外国人観光客に人気」で、キーワードは「人気スポット」、それで「外国人観光客に人気スポット」ですか( ̄д ̄)! 小野塚アナの頭の中では、「人気スポット」は大事なキーワードなんだから「人気スポット」でないといけないのかな?
 msnマイニュースフィードにあった「日本から3人『世界のIT長者』が発表」という見出し、IT長者が何を発表した? 違うでしょ? 「日本から3人、『世界のIT長者』が発表された」ですよね。長い? それなら「日本から3人、『世界のIT長者』発表」でもいいですよ。文章でも、助詞を省く、必要な助詞が抜ける、そんな傾向が顕著なのに、逆に、見出しやテロップは余計な助詞が入って意味不明というのが多いですね。ほんっと、不思議┐( ̄д ̄)г。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする