◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「快進撃は鳴りやむことは」って?

2020-07-26 08:37:17 | 言葉についてあれこれ
                                     果敢に攻めている

 「義経の快進撃は、まだまだ鳴りやむことはありません」「しかし義経は大きな懸念を感じていました」は「先人たちの底力 知恵泉 ここ一番に勝つ!源義経(前編)」で聞いたナレーションですが、「快進撃」は「止まらない」「続く」ですし、「懸念」は「どうなるかと不安に思うこと」で、「感じる」と続けるのはくどいですね、「抱く」が自然です。
 今回は「先人たちの底力 知恵泉」特集ですよ( ̄ー ̄)。テレビ番組表「先人たちの底力 知恵泉 失敗の理由はKY?源義経(後編)」の放送内容が「源平合戦で、源氏を勝利に導いた立役者・源義経。そのわずか4年後、一変して“謀反人”となり、非業の死を遂げた。その原因のひとつが、仲間による兄頼朝の讒言。『一の谷』『屋島』『壇ノ浦』の戦いでの義経の立ち振る舞いが、スタンドプレーに映り、いさかいが起こったという」だったのですが、こういうのは誰が書いているのでしょうか?
 番組を見て、義経がああいうことになったのは、義経が変わったからではなく、ずっと変わらなかったからだと分かりました。頼朝の思惑がどうだろうと、周りから何と言われようと、最初からずっと義経は義経だった、性格なんてそうそう変わらないのです。つまり、「一変して」ではなく「一転して」ですよ、「頼朝への讒言」もあり、一転して謀反人という立場に追いやられてしまったわけです。
 「源平合戦で源氏を勝利に導いた立役者・源義経。そのわずか4年後、一転して“謀反人”となり、非業の死を遂げた。その原因の一つが、仲間による兄頼朝への讒言。『一の谷』『屋島』『壇ノ浦』の戦いでの義経の振る舞いがスタンドプレーに映り、いさかいが起こったという」でしょ( ̄д ̄)!
 別の日、「江戸の危機管理“決め手は日々の蓄積”」の放送内容が「予期せぬ天災が起きたとき、あるいは不祥事が発生したら…その時、トップはどう立ち振る舞うか」だったのですが、「どう振る舞うか」でしょ! ひょっとして、「立ち回る」とごっちゃになってしまったのか? この担当者は思い違いをしているようですが、「立ち振る舞い」は、家の中の用事をするために体を動かすこと、ですからね。
 さらに、この後、「マグニチュード6.9、行政機関である江戸城は大被害、下町を中心に多くの庶民の犠牲に見舞われた中、復興・救済に向け、すばやい行動が次々に行われた」と書いてあったのですが、あきれて開いた口が塞がらない ┐( ̄д ̄)г。「マグニチュード6.9、行政機関である江戸城も被災、下町を中心に多くの庶民が犠牲になった、そんな中、救済・復興に向けて素早く次々に行動を起こしていった」とか、「救済・復興の事業が素早く次々に実行された」とかね。
 「真田信繁」で「目をそむけさせようとした」というナレーションが聞こえたとき、テロップは「目をそらせようと」でした。大坂の陣(冬の陣)で、真田信繁が真田丸を築き、そこに敵を引き付けて大坂城の南の入り口から敵の目をそらす、そういう話でしたから、「そむけさせようと」などと言った新井秀和アナは「そむける」と「そらす」の違いを分かっていないのでしょうか <( ̄д ̄)>。
 「江戸川乱歩(前編)」で聞こえた「元々内弁慶で」というナレーション( ̄д ̄)! 乱歩の少年時代について、外で遊ばないで本ばかり読んでいて、他の少年たちからいじめられていたという話をしていたのですが、「内弁慶」は、外では意気地がないのに家では威張っている人のことですからね、違います。さらに「後編」では「発売を楽しみにした子どもが本屋に並ぶほど大人気に」って、「発売を楽しみにしていた子どもたちが」でしょ! どうした、新井アナ ┐( ̄д ̄)г。
 「家康をつくった三方ヶ原の戦い」で聞いた「戦いの火蓋は切って落とされました」というナレーション。クイズになるほど“あるある”間違いですから、いけませんね。何の話のときだったか、「重宝し」というナレーションが聞こえてそれは「重用し」ではないかと思ったことがあって、何週か後の「伊藤博文の青春」で「重用され」というのを聞きました。「火蓋は~」も、何週か後に「火蓋が切られた」を聞きました。ひょっとして、放送を見た先輩アナから誤りを指摘されたとか?
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「飲酒帯び事故」って?

2020-07-19 09:28:23 | 言葉についてあれこれ
                                     何って、チョコや

 「『飲酒帯び事故』逮捕の高すぎる代償」という「gooいまトピランキング」の見出し(2018/7/22 11:12)( ̄д ̄)! 要約は「酒気帯び事故で逮捕された」なのに。しかも記事の見出しは「飲酒事故」ですしね、記事からコピペしたのだったら「『飲酒事故』逮捕の高すぎる代償」になるでしょうに( ̄- ̄)、なぜだ?
 「強さの秘密には理由があります」「誰かを責めても答えは解決できない」のように、つい余計な言葉を入れてしまうことがありますよね、そういう例がたくさんあります。「強さには秘密があります」か「強さには理由があります」か、でしょ。「誰かを責めても解決できない」か「誰かを責めても答えは出ない」か、でしょ。
 「実例を挙げれば、枚挙にいとまがない」(2018/12/4 6:00 ダイヤモンド・オンライン)は、やや矛盾していますね。「枚挙にいとまがない」は、あまりに多くていちいち数え上げることができないという意味ですから、「挙げれば」というより「挙げようと思ったんだけど、切りがないしぃ・・・」ですから「実例は枚挙にいとまがない」ですね。
 「更年期障害とは閉経の前後5年ずつ、およそ45歳から55歳までの10年間を指すそうです。更年期はすべての女性に訪れますが、この時期に何らかの体調不良を訴えるのは6割程度」は「gooいまトピライフ」の要約(2018/12/11 13:19)ですが、記事は「更年期とは」でしたから、なぜ余計な「障害」を入れた?
 「思わず旦那に余計な一言、お世話だと言ってしまいましたが」は一般の人の文章にあったのですが、「思わず旦那に余計なお世話だと言ってしまいましたが」でしょ、なぜそこに余計な「一言」なんて入れたのか? 「思わず旦那に余計な一言、『余計なお世話だ』と言ってしまいましたが」と書いてからちょっと削ったのか?
 「齢(よわい)21歳」と言った一般の人、21歳にして「齢」だなんて古風な・・・、けれど、惜しいですね。「歳」が余計で、「よわい、にじゅういち」と言えばいいのですが、どうにもおかしな雰囲気です。だって、たかだか21年ちょっと生きてきたぐらいでわざわざ「齢」なんて言わないでほしいわけですよ <( ̄д ̄)>。
 「『30、40代は特に警告』ジロジロ見られると思ったら・・・」は「gooいまトピライフ」の見出し(2019/4/8 9:43)です。記事の見出しは「春の白ボトムに“パンツ透け警報”」で、記事を最後まで読んでも「30、40代は特に警告」といったことは書いてありませんでしたから何だか余計な感じ・・・、それに、「特に警告」なんておかしいですから「30~40代は特に注意」ぐらいでしょうか。
 「○さんは、クラスをまとめて行事を成功させようとするべく、奮闘しました」(2019/5/26 10:07 Suits-woman.jp)って、何だかくどくど( ̄" ̄)。「○さんは、クラスをまとめて行事を成功させようと奮闘しました」でしょ! どうしても「するべく」と書きたいのなら「○さんは、クラスをまとめて行事を成功させるべく、奮闘しました」でしょ!
 「感染すると、ほぼ100%死亡…ひと昔の病気ではない狂犬病 感染・発病を防ぐには」(2019/6/18 13:35 デイリースポーツ)って( ̄д ̄)! 「一昔」は「過ぎ去った十年」という意味で、「一昔前の~」と言うのですが、これは10年どころではない話なので「ひと」は余計でしょう、「“昔の病気”ではない狂犬病」のほうがいいと思います。
 「町中で警察に見つかっている罰金を払わさせられている日本人をよく見かけるので」(2019/9/20 15:46 女子SPA!)って Ψ(`^´)Ψ。このライターは正しい日本語なんて意識したことがないのではないでしょうか。「~ている~ている」なんてくどいですよ、「見つかっている」ではなく「見付かって」でしょ! それにしても、何だかよく分からない書き方ですね。
 「払わさせられている」は誤りで、「払わせる」→「払わせられる」ですから「罰金を払わせられている」ですが、その国では、その場で罰金を払うのか? もしそうなら「町中で警察に見付かって罰金を払っている日本人をよく見掛けるので」と書けばいいのです。後でしかるべき場所に出向いて払うのであれば「町中で警察に見付かって罰金を払わせられる日本人をよく見掛けるので」ですが、どっちかな <( ̄д ̄)>?
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「どちらになさいましょうか」って?

2020-07-12 09:29:01 | めちゃくちゃな敬語
                                     どっちが好き?

 情報番組で、取材を受けていたお店の人がリポーターに「今日はどちらになさいましょうか」なんて言うからむずむず( ̄" ̄)。4種類のアイスバーからどれを選ぶか尋ねているわけですが、「どちらになさいますか」でしょ! 無理しないで、笑顔なら「どれにしますか?」ぐらいでもいいのではないですかね。
 「ふだんからそういうことをやっているかた」と言ったのは一般の人ですが、車をちょっと止めて灰皿にたまった吸い殻を道路上にどさっと捨てて走り去った人について言ったのですよ、それがなぜ「かた」なんだっ o(`д´)o! 本音は「ふだんからそういうことやってるやつ」でしょ、テレビでも、「やつ」なら「人」でいいのですよ。
 「とくダネ!」で一般の人(Aさん)があおり運転被害について話していて、「助手席のかたが~」と言い、「助手席の方が~」というテロップが出ました。加害車両の助手席にいた人、その“助手席のかた”が何をしたかというと、車から降りてきてAさんの車を鉄の棒でたたいて窓ガラスを割ったのです。しかも、運転手も“助手席のかた”も黒ずくめの服装で、フードをかぶり、黒いマスクで顔を隠している、それって“犯罪者”ですよね。なのに「助手席のかた」って ┐( ̄д ̄)г?
 「世界衝撃映像100連発」で「女スリ、めちゃくちゃ怖かったですね、やってる女性のかたがけっこうきれい~」と言った藤田ニコル。前を歩く旅行者のバッグから財布を抜き取った犯人のことを「やってる女性のかた」って? 「かた」は「人」を尊敬して言う言葉です。犯罪者を「かた」って、尊敬する人も犯罪者も同列?
 「木下優樹菜さんが引退を発表されました。(中略)芸能人ではなく一般の方になります」は藤本敏史のコメントです。別れた妻、しかも、恫喝だの不倫だの、所属事務所ですら見放すほどなのに、なぜ敬語? 「一般の方」って? 元妻は“他人”だから? でも、「子供たちを含めて支えてまいります」ということは、ほとんど“身内”ですね。それなら「引退を発表しました」「一般人になります」でしょ!
 「お名前よろしいですか、商品の」というCMのセリフ、狙いなのは分かりますが、気持ち悪い( ̄д ̄)。自分の結婚相手のことを「お相手は~」と言った城島茂、なんか、がっかり( ̄_ ̄)。「チョイス@病気になったとき」で「(舌に)ひびが入られるようなかたもいらっしゃいます」と言った大学病院の先生( ̄" ̄)、「舌にひび」ですからね、「ひびが入るようなかたも」と言ってください。
 「お話してくれたのは、○先生」(2019/9/27 19:35 いぬのきもち WEB MAGAZINE)って( ̄д ̄)! おはなして・・・違うか、「おはなし、してくれたのは」と読めって? 幼稚園かっ o(`д´)o! 「お話しくださったのは(おはなしくださったのは)」か、「話をしてくださったのは」か「話をしてくれたのは」でしょ! 「お話」ではなく「話を」なんですってば!
 「お話できることも次第になくなってきます。(中略)子どもにビビる猫のお話ばかり」(2020/2/21 17:00 sippo)って( ̄д ̄)! すーっと「おはなしできることも」と読みましたが、これは「お話、できることも」ではなく「お話しできることも」ですよね、謙譲語Ⅰ「ご(お)~する」「お話しする(おはなしする)」の「お話しできることも」ですよね! 後半は「猫の話」でいいのではないですか?
 「おもしろ風景バラエティ ゲキレア珍百景」(2020/1/2)で堀内健に「何とお答えしましたか?」と尋ねた森葉子アナ(テレビ朝日)Ψ(`^´)Ψ。番組の進行役としてクイズを出し、堀内健が森アナに向かって答えた、そして、森アナは回答の細かい部分を確認したわけです。「何とお答えになりましたか?」と言うほどではなく、むしろ、森アナが上から言ってもいいような雰囲気でしたからね、「何と答えましたか?」が適当でしょう。
 「この患者さんは、4例目の患者さんの母親となります」と言ったのは、新潟県の会見で新型コロナウイルス陽性と確定した患者について説明した人なのですが、「~になります」でもおかしいのに「~となります」って Ψ( ̄д ̄)Ψ。“敬語もどき”なんてみっともないだけですから、さらっと「この患者さんは4例目の患者さんの母親です」と言えばいいのです( ̄_ ̄)。それでいいですよね!?
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「無視するのもどうか悪いと」って?

2020-07-05 09:27:09 | 言葉についてあれこれ
                                     ハムや~ん

 「明るい感じで『日本人デスカ?』と聞かれたので、無視するのもどうか悪いと思い」(2016/6/26 6:00 東洋経済オンライン)って、むずむずしますね( ̄" ̄)。分かりますよ、「無視したら悪いよなぁ・・・」という気持ちは分かりますが、「無視するのもどうかと思い」が自然な言い方です。
 「とくダネ!」をはじめとして相変わらず「明るみになる」は出てきますが、「池上彰のニュースそうだったのか!!」(2018/6/30放送)で聞いた「40年も不正を続けていたことが明るみに」というナレーションはさらにひどい( ̄д ̄)! 「明るみに出る」と言わないのなら「明らかに」と言いなさいよっo(`д´)o。
 「衣類と一緒に洗濯される羽目にあったフィリックス」(2019/6/24 10:51 CNN.co.jp)って( ̄д ̄)! 洗濯されてしまった“フィリックス”は猫で、「羽目になった」ですよ。「数周走ったのみでタイヤの性能が激しく低下するため」は「YAHOO!」のトップページで見たのですが、「数周走っただけでタイヤの性能が著しく低下するため」でしょ!
 「○○に非難殺到『見るに耐え難い』」という「gooいまトピランキング」の見出し(2019/7/4 15:28)。でも、「週刊実話」の見出しは「○○のブラジャー姿に非難殺到『勘違い』『ズレてる』『誰トク?』『耐え難い…』」(2019/7/3 21:30)で、「見るに」はどこから来たのかな? 「見るに」なら「見るに堪えない」でしょ!
 記事を見ると、匿名掲示板に投稿された文が載っていて、それは原文のままと思われ、まさに「見るに耐え難い」でした。記事の見出しを書いた人は変だと感じて「見るに」を省いて「耐え難い…」にしたのでしょうか。でも、「gooいまトピ」のスタッフは、記事本文からコピペしてそのまんま ┐( ̄д ̄)г?
 「見るに堪えられないとまさかのショー中断」というテロップが出たのは「林先生が驚く 初耳学!」(2019/9/8)です( ̄д ̄)! こういうパターンもあるのですねぇ、「見ようとするのだけど、耐えられない」というつもりで書いた? まさかね。やはり「見るに堪えない」ですよね!?
 「掃除をしてもきりがなく、イライラは積もるばかりです」(2019/7/29 11:00 Jタウンネット)って、「積もり積もって」とかね、気持ちは分かるのですが、ライターなら、やはり「掃除をしても切りがなく、いらいらは募るばかりです」でしょ、「つもる」ではなく「つのる」ですよぉ <( ̄д ̄)>。
 「NHKスペシャル 食の起源 第1集」(2019/11)で「人間と糖の関係って切っても切り離せない」と言ったのは近江友里恵アナ( ̄д ̄)! フジの倉田大誠アナも言いましたし、ナレーションでも何度か聞きました。「社会の状況と切っても切り離せない」(2019/2/14 7:00 withnews)というのもありますが、「切り離せない」どころか「切れない」のですよ、「切っても切れない」でしょ!
 あ、まただ( ̄" ̄)。「切っても切り離せない」は感染力の強いウイルスのように広がっていますから気をつけて。「奇跡の星 地球からの脱出 後編」(2019/12/17 翻訳 古味英子)を見ていたら、ウィル・スミス(山寺宏一)が「地球と人間は切っても切り離せない間柄です」ですって。地上に住むのは諦めても、宇宙はまだ遠いしぃ <( ̄д ̄)>。
 「林先生が驚く 初耳学!」(2020/3/15)で「罰金を与えることも」なんて言った松丸亮吾( ̄д ̄)! これは法律に違反した人に対して「罰金を~ことも」という話で、むしろ「与える」の逆、「徴収する」です。「刑罰を与える」という言い方がありますが、「罰金を」に「与える」は合いません。「罰金を徴収することも」もしくは「罰金刑を科することも」です。
 いろいろな言い表し方を知っていると物事を簡潔に伝えることができますが、テレビ放送で見聞きする言葉やネット上にあふれる文章には誤りが非常に多いので、ぼーっと読んでいるともろに影響を受け、誤りをそのまま脳内に蓄積してしまうのではありませんか? やはり、ちゃんと校閲を経て、ちゃんとした日本語で書かれている、そういう文章を読むことが必要ですね。
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