◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「きっかけになってくださったら」って?

2012-09-30 09:44:06 | 気になる言葉、具体例
                               なってるよ、きっと

 芸能人が言う「出させて(ださせて)いただいて」は、本来は「出して(だして)いただいて」で、「して」を「させて」と言ってしまう「~させて」ウイルスが広がっています。ところで、先日、珍しく高中正義が若いころの話をしているのをテレビで見たのですが、「学園祭にも出していただいて」と言いましたよ(⌒・⌒)good!
 何かの賞の候補になったアイドルが「ノミネートさせていただけるというのは」と言いましたが、これも「ノミネートしていただけるというのは」で、さらに言えば「ノミネートされるというのは」です。もっとひどい例は「一くくりにさせられてしまうんですけど」で、言ったのは、一くくりにされている中の一人、しかも、言葉に気をつけているはずの代議士。あのね、「一くくりにされてしまうんですけど」ですよ。
 「味噌が、生姜ですごいさっぱりさせられててぇ~」と言った若い女性タレントがいますが、「味噌が、生姜が入っているからすごくさっぱりしていて」とか「味噌が、生姜によってすごくさっぱりした感じになっていて」とか言ってくれませんかね、一応、テレビなんですから(ーー゛。
 ニュースで「~が原因とする死亡」というのを聞いたことがありますが、「~が原因となった死亡」もしくは「~を原因とする死亡」ですよ。「一人にさせて」と言った人は何人もいますが、本来は「一人にして」ですよね。「一人にする」「一人になる」、一人になりたいのなら「一人にしてほしい」と言ってください。
 以上、過去の記事で挙げた例ですが、これらを踏まえて次の例について考えてみてください。「(この映画が)夫婦で語り合うきっかけになってくださったらうれしいなと思います」と言ったのは女優です。「きっかけになって」か「きっかけにして」か? 普通は「夫婦で語り合うきっかけになったらうれしいなと思います」と言いますよね。
 私は以前から「~ていただく」より「~てくださる」のほうがふさわしい場面がたくさんあるということを書いていますから、この女優が「~ってくださったら」と言っている点はいいと思うのです。でも、それだから余計に残念で、本当に「~てくださる」を分かっているわけではないのかな~(ーー ?
 映画がきっかけになる、映画をきっかけにする、映画がきっかけになってくれたら、映画をきっかけにしてくれたら・・・。「~てくださる」と言えるのは、映画ではなく人(この映画を見た夫婦)を主体にして表現する場合で、「(この映画を)夫婦で語り合うきっかけにしてくださったら」です。きっかけに「なる」のは「映画」ですから「なってくださったら」とは言いません。
 「楽しい思い出になってもらえたら」というのも聞いたことがありますが、「思い出になる」を「なってもらう」と言うことなどできないのです。なぜ無理やり「~てもらう」なのか。「~ていただく」でないだけ幾らかましですけれど、「楽しい思い出になれば」と言えばそれでいいのです。
 思い出になる、きっかけになる・・・、「きっかけにする」というほど積極的なことでもないから「なってくれたら」と言うのは分かりますよ。「きっかけにしてくださったら」と言わなければいけないということはないのです。映画を見た、何となく語り合うきっかけになった、そうなったらいいなぁ、それは「きっかけになってくれたら」と言えばいいのですよ、いつもいつも「~ていただく」「~てくださる」でないといけないなんてことはありません(⌒・⌒)。
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「精神的に楽にさせてあげたい」って?

2012-09-26 19:08:10 | 気になる言葉、具体例
                              って、思ってるかなぁ

 変な日本語メモを見ていたら、「~してもらう」「~してくれる」「~してあげる」が単純に「~させてもらう」「~させてくれる」「~させてあげる」になってしまっている表現、それも、ちょっと考えさせられる例を見付けました。本当はこれとは違う例を探していたんですけれどね、この際だ、前回の続きを書きます。
 「お父さんは息子をボクサーにさせたいんだね」、これは、どういう人が言ったのか覚えていませんが、このお父さん以外のだれかです。芸能人の「~せていただいて」が脳に染み付いて何となく「させて」と言わなければいけないような気がする、つい「させて」と言ってしまう、そんなところでしょうけれど、「息子を音楽家にしたい」「息子をオリンピック選手にしたい」と言うのが普通ですよね。
 親は子どもに期待しています。世界的な音楽家になってほしいとか、オリンピックでメダルを取ってほしいとか、あれこれ望むことがあって、その実現のために必要な環境を整えて応援しているのなら、お父さんは息子を○○にしたいと思っているわけで、「お父さんは息子をボクサーにしたいんだね」と言えばいいのです。
 そもそも芸能人が「~せていただいて」と言うのは謙虚さをアピールしたいからで、そうでないとすれば、何も考えないで周りに合わせているだけ。「謙虚な人の言葉」と「度の過ぎたアピール」の違いは明らかです。後者の影響を受けているというのは残念なことですが、それ以上に、素直に、的確に表現できない、素直に言えるほどの自信もない、信念もない、そんな気がしてなりません。
 「精神的に楽にさせてあげたい」と言ったのは一般の人だと思うのですが、これ、どう思いますか? 楽をする、楽をさせる、楽になる、どうぞお楽に、楽にする、楽な姿勢、楽に歩ける。先日、久しぶりに健診を受けたのですが、看護師さんから何度か「はい、楽にして~」と言われました。
 「楽にする」は、余計な力を抜く、くつろぐ、といった意味ですね。例えば「その辺に座って楽にしてて」とか「上着を脱いで楽にするといいよ」とか、相手にそうするように勧めることはできますが、自分が相手を直接「楽にする」とは言いにくいような気がします。「楽にしてやる」なんて言われたら怖いし(゜゜)。
 とはいえ、ひどい肩凝りをマッサージや鍼灸といった治療で「楽にしてあげる」と施術者が言う、ストレスで精神的に荒れているのを「楽にしてあげる」とカウンセラーが言う、○は△疾患の患者の◇を楽にする、そういった言い方はあるかもしれませんね。三つ目のは医療関係のディクテーションをやっていたときに何度か聞いた記憶があります。だとすると、「精神的に楽にさせてあげたい」ではなく「精神的に楽にしてあげたい」と言えばいいということになりますが、どうですか。
 では、今度は「精神的に楽にさせてあげたい」の意味を考えてみましょう。「~させてあげる」は「~することを許してあげる」という意味で、息子「僕の好きにさせてくれよ」、母「好きにさせてあげましょうよ」、父「好きにすればいい」、こういう場面を思い浮かべましたが、これは息子の気まま・勝手を許すということですね。でも、「精神的に楽にすることを許してあげたい」は変です。
 というわけで、「楽にさせてあげたい」は誤りということになりますが、「楽にしてあげたい」はなかなか言えないセリフですよ。「楽にさせて」でも「楽にして」でもなく、精神的に楽になるように配慮する、手助けするということで、「精神的に楽になるようにしてあげたい」が最も自然なのではないでしょうか(⌒・⌒)。
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「笑顔にさせてくれる」って?

2012-09-23 09:20:23 | 気になる言葉、具体例
                                 笑顔ですってば

 8月19日の記事で、「一人にさせてもらいたい」は誤りで「一人にしてもらいたい」が正しいのだと書きましたが、その少し後、ローカル番組で「笑顔にさせてくれる」というのを聞いて、それが一般の人の書いた文章を読み上げているのだと分かったとき、もうすでに一般の人にも広まって定着しつつあるのだなぁと改めて感じました。
 そして、毎週土曜日のお楽しみ、「相棒」の再放送(北陸朝日放送)、9月15日に放送された「顔のない女神」を見ていたら、「おとなしくしてればローラ以上のスターにさせてあげたのに」というセリフが( ̄д ̄)! 調べてみたら、2008年11月に放送されたものでした。ま、まさか、言いだしっぺ?
 い~や、実は、もっと前からこういう言い方はありました。過去に書いた記事を調べたら、おかまタレントが言った「番組のレギュラーにさせていただいて」というのを2007年5月に、また、8月には「(我が子に)十分な教育をさせてあげられるのかなっていう(不安があります)」という一般の人の言葉を取り上げていました。
 これらは、文法がどうだとか言うまでもない、簡単なことです。「笑顔にさせてくれる」は誤りで、「笑顔にしてくれる」ですね。かわいいハムやんを見て笑顔になる、それは「ハムやんが私を笑顔にしてくれる」で、おいしい料理を食べて笑顔になる、それは「おいしい料理が私を笑顔にしてくれる」です。
 「~してもらう」「~してくれる」「~してあげる」が単純に「~させてもらう」「~させてくれる」「~させてあげる」になってしまうのですから、芸能人が「~せていただいて」をやたら連発するせいで一般人の脳にもすっかり染み付いてしまったようです。これは「~ていただく」症候群の症状が進んだ形と言えるでしょうか。
 「おとなしくしてればローラ以上のスターにさせてあげたのに」はラジオのプロデューサーのセリフです。プロデューサーだからこんなふうに言えるわけですが、自分が、若いDJを起用し、スターに育てるつもりだったのですから、「おとなしくしてればローラ以上のスターにしてあげたのに」です。
 「番組のレギュラーにさせていただいて」については、当時の記事には「番組のレギュラーにならせていただいて」だと書きましたが、それはあくまでも言った本人が主体になる言い方であり、起用してくれたプロデューサーを念頭に置いて言うなら「(プロデューサーにお願いして)番組のレギュラーにしていただいて」となります。もっと言えば「(プロデューサーが)番組のレギュラーにしてくださって」ですけどね。
 「十分な教育をさせてあげられるのかな」も、「十分な教育を受ける」ということで言えば「受けさせてあげられるのかな」ですが、親なのですから、単純に「十分な教育をしてあげられるのかな」と言ってもいいわけで、「十分な教育をさせてあげられるのかな」は、そのどちらでもない、明らかな誤りです。ちなみに、「教育する」は「教育にかかる費用を捻出する」という意味ですが。
 ところで、CMで「免許をとろう」と言っているのを聞いたのですが、あの事故隠蔽・免停タレント(ふだんから運転が荒く、免停になったのは予想どおりという話、しかも、「~ていただく」症候群のスーパースプレッダー)を相変わらず自社のCMに出している企業が「免許をとろう」って( ̄д ̄)?
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「入荷されない場合もあります」って?

2012-09-19 18:54:05 | 気になる言葉、具体例
                                 ホタテ食べたい

 「入荷されない場合もあります」という「スッキリ!!」のテロップ、どうですか、何だか変ですね。「○○を入荷した△△さん」は「和風総本家」のナレーションですが、変ですよね。「入荷」は、商店などに商品が入ること、反対語の「出荷」は、荷物を送り出すこと、商品を市場へ出すこと、ですよ。
 2010年に「ホタテが入荷できず」について書いたことがあります。日テレの報道番組でディレクターやナレーターが「ホタテが入荷できず」と言ったのです。今年も暑いですが、2010年は猛暑で海水温が上がり、陸奥湾の養殖ホタテが8割方死んで出荷したくてもできない、肝心のホタテそのものがないという事態になったわけです。
 でもね、「ホタテが入荷できず」なんて変でしょ? 「○○が入荷」「○○が入荷する」は「○○が入る」ということで、○○を受け取る立場の言葉ですから、受け取ることができないという場合、「入らない」と言うしかありません。それは「入荷しない」であり、「入荷できない」ではありません。報道っぽく「~ず!」と言いたければ「入荷せず」であり、「入荷できず」ではありません。
 一方、出荷する側の人は「出荷できない」と言うことができます。「出荷しない」ではなく、出したくても出せないのなら「出荷できない」です。生産者が出荷できなかったら、販売者の手元には入荷しません。生産者が「○○を出荷しなかった」、受け取る側から言うと「○○が出荷されなかった」ですが、その結果「入荷しない」のであり、「入荷されない」ではありません。それを報道する人も、もちろん「入荷しない」です。
 もう一つの「○○を入荷した△△さん」はやや複雑ですね。△△さんが生産者なら「○○を出荷した△△さん」ですし、販売者なら「○○が入荷した△△さん(の店)」となります。「○○を入荷した△△さん」は日本語として成立していないので、聞いただけではどういうことなのか分かりません。実際、私も、画面を見ていなかったのでどちらが正しいのかは分かりません( ̄ ̄)。
 ところで、うちの窓には網戸がなく、カマキリやらガガンボやら入ってくることがあるのですが、捕虫網を室内に置いてあり、先日もバタバタと入ってきたコウモリをササッと捕まえ、外に逃がす前に顔をよく見ました。やっぱりブス! 「恩返しをしてくれぃ」と言って逃がしましたが、コガネムシじゃないとだめかな(~_~;)?
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「○についてお話していきます」って?

2012-09-16 09:06:01 | 気になる言葉、具体例
                          ハムやんと お話 したいでちゅ

 前回、「○についてお話していきます」という例を挙げました。全体的にちゃんと書けている文章でしたし、多分、ちゃんと「おはなししていきます」と話せる人でしょう、だから、余計に残念(ーー゛。「お話いただけないですか」は「とくダネ!」で見たテロップですが、これも「お話しいただけないですか」と書かなければいけません。「お話を頂戴する」という表現なら「お話、頂けないですか」と言うことはありそうですし、「お話を頂けないですか」と書くことはあるでしょうけれどね。
 それから、「動物とお話する」というテロップをフジの「カスペ!」で見ましたが、お茶目、ファンタジー(?)ということで、わざとこう書いたのでしょう。動物が相手ですから「お話しする」ではありませんが、視聴者は大人ですから「動物と話をする」でしょ、「お話する」は幼稚だから・・・(ーー゛。
 「○について話をしていきます」は簡単ですね、「話をする」です。例えば、「仕事をする」が「お仕事する」になったら・・・「△ちゃん、ママこれからお仕事するからおとなしく遊んでてね」という具合で、話す相手は子どもです。「○についてお話するからちゃんと聞いててね」と言うのは子どもが相手のときです。
 「おはなししていきます」は「お話ししていきます」であって、「お話 していきます」ではありません。「お話ししていきます」と書いて初めて「お話しする」という謙譲語Ⅰの形になります。自分から相手(聞き手)または第三者に向かう行為や物事などについて、その向かう先(対象)の人物を立てて自分がへりくだる、「話す」という行為をへりくだって表現するのです。
 「話」も「話し」も読みは「はなし」なので混乱するようですが、「聞く」で考えてみてください。「○さんの話を聞きます」→「○さんのお話をお聞きします」、「○さんの話を聞いていきます」→「○さんのお話をお聞きしていきます」、聞かない、聞き、聞く、「ご(お)~する」の「~」に「聞き」が入って「お聞きする」です。
 「○について話します」→「○についてお話しします」、「○について話していきます」→「○についてお話ししていきます」、話さない、話し、話す、「ご(お)~する」の「~」に「話し」が入って「お話しする」です。あなたの周りにいる、これを知らない人に教えてあげてください(⌒・⌒)。
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「箸を乗せておく」って?

2012-09-12 19:39:54 | 言葉についてあれこれ
                                     乗せる

 「行くのを辞める」など、「やめる(止める)」なのに「辞める」と書く人は多いのですが、「とくダネ!」のテロップも「水泳辞めちゃったら意味がない」で、やる気なし、漢字の知識もなし。なお、「止める」を「やめる」と読むのは常用漢字の音訓外なので、表記は「やめる」です。「辞める」と書くのは、「会社を辞める(辞職)」「委員を辞める(辞任)」、つまり、「~を辞する」というときですから、「水泳」は「やめる」ですね。
 「お皿の上に箸を乗せておく」「盆に食器を乗せる」という表記をあるコラムで見ましたが、「車に人を乗せる」「車に荷物を載せる」で、何でも「乗せる」でいいというわけではありません。「お皿の上に箸を載せておく」「盆に食器を載せる」です。「きじをのせる」も「記事を載せる」ですね。
 「○症候群についてお話していきます」は同じサイトの別のコラムで見たのですが、この人はしっかりした文章を書いていて、久しぶりに見た「ちゃんと書けている文章」なのですよ。なのに「お話して」だなんて実に惜しい(ーー゛。大人なら、いいかげんに「お話しする」という基本を分かってくださいよ。「おはなししていきます」は「お話ししていきます」であって、「お話、していきます」ではありません。
 「上手く行って無い」は、漢字を使いたいという気持ちは分かるのですが、読みにくい~(~_~;)。「じょうず」は「上手」、「へた」は「下手」ですが、「うまい」を「上手い」と書くのは当て字です。どうしても「上手い」と書きたい人は書けばいいですけれど、そうでなければ「うまい」です。
 「うまくいって」は「うまく行って」と書いても誤りだとは言えませんが、表記辞典では「~へ行く」「~が行く」と区別して「いく」です。都会へ行く、代表者が行く、やっていく、話していく、書いていく、暮らしていく、うまくいく、そうはいかない、ということで「うまくいって」です。
 「ない」も、「何も無い」「無い袖は振れぬ」「無くて七癖」などとは違い、やらない、書かない、高くない、寒くない、おいしくない、うまくいかない、やってない、書いてない、うまくいってない、これらは「無い」ではなく「ない」です。よって「うまくいってない」と書くことになります。
 「~して見たら」「思っても見ませんでした」という表記もよく見掛けますが、「~を見る」とは区別して「~してみたら」「思ってもみませんでした」です。「~を見る」の意味だから「見る」と書けばいいのに「みる」と書く人が増えている中、逆に「みる」でなければいけないところで「見る」と書く人もいるのですからねぇ、「~という見たいですね」なんてのも見ちゃったし~(ーー゛。
 「~と言うことは」は非常によく見ますし、いわゆる記者でも「~と言ったことで」「こう言った~」と書く人がいますが、「○さんが~と言った」とは区別して「~ということは」「~といったことで」「こういった~」と書きます。「遺留捜査」が終わってしまい、「~とだれかが言った」というセリフはもう聞けないのですね、残念。
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「永遠と側転できる」って?

2012-09-09 08:51:45 | 言葉についてあれこれ
                                定員ぎりぎり?!

 テレビ番組のテロップやネット上で見るさまざまな書き手による文章、皆さんも毎日あれこれ読むでしょうけれど、どう読んだらいいのか困ることはありませんか。文脈と関係のない言葉が突然出てくる、つまりそれは書き間違いなのですが、それも変換ミスと入力ミスとがありますよね、より問題なのは入力ミスのほうです。打ち間違えたのか、そういう読みだと思っているのか、分からない( ̄ ̄)。
 「定員」と書いてあるけれど、どう考えても意味は「店員」、「ていいん」と「てんいん」を区別できないのでしょうか。「一様」と書いてあっても意味は「一応」、何度も「一様」が出てきたので、これを書いた人は「一様」と「一応」の区別ができていないようです。頭の中では「一応」と書いているつもりなのかもしれませんが、現実に「いちよう」と入力しているから「一様」になるわけです。
 「遊行費」と書いてあるけれど意味は「遊興費」、ということは、この人は「遊興(ゆうきょう)」の読み方は「ゆうこう」だと思っているのでしょう。通常、「遊行」なんて言葉は使いませんが、変換候補にはありますからね、書いた人は「遊行」を選んでいます。つまり、「遊行費」でいいと思っているのです。
 「永遠と側転できる」は、見た瞬間、「永遠」なら「永遠に」だと思いますが、「永遠に側転できる」なんておかしい、じゃぁ何だろ、「延々と」かな、というわけですが、本人はそういうつもりだったのか、それとも「延々と」を知らないのか、「えんえんと」ではなく「えいえんと」だと思っているのか。
 同じ間違いを別の人の書いた文章でも見たことがあります。「嫁姑の問題はこれから永遠と続く」と書いてあったのですが、びみょぉ~。下手したら、あの世に行っても続きますからね(~_~;)。それでも、「永遠と」ではなく「永遠に」ですけど。まぁ、その問題は各自乗り越えていただくとして、「永遠と」ではなく「延々と」ですね、「嫁姑の問題はこれから延々と続く」です。
 前回、田中大貴アナが「押し入った」を「おしはいった」と読んだと書きましたが、ほかにも「交配」を「こうばい」と読んだり、別に難しい漢字でもないのに。石川テレビの森アナは「費用対効果」が読めなくてグダグダになり、時間内に原稿を読めなくて切れちゃったし。そういうの、アナウンサーとしてどうなのかなぁ。
 ところで、「アンビリバボー」のディレクターって( ̄д ̄)! ナレーションもテロップも繰り返し「明らかとなる」ですからね。皮肉にも、スポンサーのCMで「~が明らかになる」というセリフが流れ、「明らかとなる」と「明らかになる」を続けて聞かされたわけですが、果たしてこれを疑問に思った人はいるでしょうか。正しいのは「明らかになる」のほうなんですけど。
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「とくダネ!」を見てみたけれど。

2012-09-05 18:36:33 | 言葉についてあれこれ
                               押し入ってるところ

 トピックス欄に「『とくダネ!』の視聴率が低迷」という見出しがあるのを見付けたとき、正直言って「ま、しょうがないよね」と思いました。記事を読んでみたのですが、その原因として、「菊川怜の発言が視聴者にうけない、重すぎる」「小倉智昭が、ネタを取り上げておいて自分だけは距離を置いて上から目線の感想を言うのが鼻につく」といったことを書いてありました。
 前任の中野アナについては、「『アナウンス能力は決してほめられるものではなかったが、愛嬌のある憎めないキャラクターだった、それが出勤前の朝の時間帯にはちょうどよかったんだろう』と関係者が話している」ということですが、私はその中野アナを見るのが嫌で「とくダネ!」を見なくなったわけで、菊川怜、ちょっとお気の毒。でも、確かに菊川怜は一言余計な感じがします。
 小倉智昭については、「スタッフが労力をかけて取材しているのに『こんなの取り上げるのがおかしい』と突き放す。気に入らない台本だと大勢の人の前で怒る。自分が読み間違えたものまでディレクターのせいにする。二言目には『だったら辞めてやるよ』と、自分が辞めたら困るだろと言わんばかりの態度」ということで、スタッフの間でも評判はよくないようですが、それより何よりあの変な日本語を何とかして( ̄д ̄)!
 私は笠井アナのキャラクターが好きで「とくダネ!」を見ていたのですが、日本語の力がいまいちなのが残念(~_~;)。小倉智昭がオリンピックリポートのためロンドンにいたとき、笠井アナは出場選手のお母さんに向かって「小倉さんがお母さんとご一緒に観戦してました」なんて言ったのですよ(ーー;。
 小倉智昭は、その選手が戦っているとき、試合会場で応援していました。もちろん、「観戦してました」と言っていることから分かるように、このお母さんとは別の場所で。しかも「ご一緒に」って、小倉智昭を持ち上げてどうする?! 「一緒に」と言いたい気持ちは分かりますから「小倉さんも一緒に観戦してました」ぐらいならいいけれど・・・、普通は「小倉さんも会場で観戦してました」でしょ。
 今週は笠井アナがメインなので見たのですが、田中大貴アナは「警察がおしはいったところ」なんて言うし、ナレーターは「女性の間で脚光を集めている男子」なんて言うし、やはりみんな変です。「おしはいった」ではなく「おしいった(押し入った)」ですが、犯人ではなく警察ですからね、「警察が踏み込んだところ」です。「脚光」は集めるものではなく浴びるもの、集まるのは「人気」や「注目」ですからね、「女性の間で注目を集めている男子」ですよ。
 テロップも実にいいかげんで、「祈るような気持ちで勝利を待っていたのが」と言っているのに「祈るような気持ちで勝負を待っていたのが」だし、ナレーションが「日本新記録」なのに「世界新記録」だし、見ている人のリアクションという意味で「この作品に対しての笑い声」と言っているのに「この作品の笑い声」だし( ̄д ̄)!
 「認知症300万人突破、65歳以上人口の10人に1人」という新聞の記事が画面に映し出されているのに、テロップは「3人に1人」だし。O157の話題のときに出たテロップは会社の名前が間違っていたようだし。名前を間違えるなんて初歩的なミスですよ。スタッフのやる気のなさがもろに出ていますね( ̄ ̄)。
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「お誘い」と「お買い物」は違う。

2012-09-02 09:03:33 | めちゃくちゃな敬語
                                 うれしいお誘い

 8月8日に取り上げた「急なお誘いだったのに、ありがとうございます」というセリフ、正しい表現は「急にお誘いしてすみません、ありがとうございます」なのですが、「お誘い」は「お買い物」とは違うということを分かってほしいと思います。
 「お買い物」は、「お買い物ですか?」のように、他人の行為について言うのが自然ですが、「ええ、ちょっとそこまでお買い物」と言うのを誤りだとは言えません。でも、「お誘い」は違います。これは他人の行為に限ります。他人の「お誘い」を受けるのです。「お誘いする」は、「お誘い」を「する」ではなく、謙譲語の基本の形である「ご(お)~する」にのっとった「お誘いする」なのです。
 というわけで、ざっと3グループに分けてそれぞれのイメージを書いてみました。

 【めかすこと、さらうこと、絵を描くこと、出掛けること】
  おめかし、おさらい、お絵描き、お出掛け ←「お」が付いて名詞に
  めかす、さらう、描く、出掛ける     ←1人でできる行為
 【買い物、勉強、仕事、休み】
  お買い物、お勉強、お仕事、お休み    ←本来は他人の行為
  買い物する、勉強する、仕事する、休む  ←1人でできる行為
 【誘い、話、教え、説明】
  お誘い、お話、お教え、ご説明      ←他人の行為
  誘う、話す、教える、説明する      ←相手がいて成立する行為

 このごろはアナウンサーでも「お出掛けしてみてはいかがでしょうか」なんて平気で言いますから、「お出掛け」を「おめかし」グループに加えましたが、本来は「お出掛けになってみてはいかがでしょうか」ですからね、同じではないのです <(`^´)>。
 芸能人はみんな「一緒にお仕事ができてうれしい」というふうに言いますが、自分の行為について「お勉強、お仕事、お休み」なんて言うと、上品とかお茶目とかいうのを通り越して幼稚な印象になります。そして、幼稚を通り越してばかとしか言いようがないのが「お話(おはなし)」です。
 羽鳥慎一は、「お話ししている」という謙譲の形を認識しておらず、ガキンチョみたいに「お話、している」という感覚で「お父さんがどんなことをおはなししているかというと」と言っています。「お話しする」と「お話、する」は違うのですが、違うということを元アナウンサーなのに分かっていません。
 目上の人に向かって「お話というのは何でしょうか」とは言いますが、自分が目上の人に何か話したいときに「実は、お話があるのですが」なんて言ってはいけません。あくまでも目上の人の「お話」であって、自分の話は「話」です。表記は、「話し」ではありませんよ、「話」ですよ、「実は、話があるのですが」です。もっときちんと言うなら、「実は、お話ししたいことがあるのですが」です。「お話、したいこと」ではなく、「お話ししたいこと」ですよ。
 「お父さんがどんなことをお話しになっているかというと」「お父さんがどんなことをお話しなさっているかというと」「お父さんがどんなお話をなさっているかというと」など、いろいろ言い方がありますが、放送業界の人たちは、「お」さえ付ければいい、敬語の基本なんてどうでもいいと思っていますね、困ったものです(ーー゛。
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