◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「雨が降り続けた」って?

2010-09-29 21:03:33 | 気になる言葉、具体例
                                   今ごろかいっ
 先日、異常気象がテーマの番組をやっていたのですが、変な日本語がちょいちょい耳に入ってきました。だいぶ前に局アナからフリーになった女性が張り切ってリポートしているのですが、アナウンサーだった割に日本語が変です。もう一人の男性も、ナレーションも、全体的に変です。
 「雨が降り続けた」「生き残ったのは村の中心から離れたごくわずかだった」「ゲリラ豪雨がこんなに頻繁に増えてきたのはなぜなんですか」「よく雷雨が起きやすいんですよね」「ゲリラ豪雨が人工的な理由でできているということですか」「情報が本部に入り続ける」「写真付きで情報を送られてくるんですね」などなど、何がどうおかしいか全部分かりますか?
 「雨が降り続けた」→「雨が降り続いた」。「続けた」は他動詞ですから、「雨が降る」に「続けた」はおかしいですね。実際、「降り続けた」はよく聞くのですが、画面を見ると大抵若い人です。40代以上の人はまだ「雨が降り続き」「雨が降り続く見通し」といった言い方が耳に残っていると思うのですが、どうですか。
 「生き残ったのは村の中心から離れたごくわずかだった」→「残ったのは村の中心から離れた地区の家だけで、ごくわずかだった」もしくは「生き残ったのは村の中心から離れた地区にいたごくわずかな人たちだった」。後ろの山が深層崩壊を起こして村が丸ごと土砂に埋まってしまい、ぎりぎりで土砂の流れから外れた地区にいた人たちだけが生き残りました。まぁ随分言葉を端折りましたね。画面を見て脳は何とか状況を理解していますが、放送って、こんなことでいいの?
 「ゲリラ豪雨がこんなに頻繁に増えてきたのはなぜなんですか」→「ゲリラ豪雨がこんなに増えてきたのはなぜなんですか」もしくは「ゲリラ豪雨がこんなに頻繁に起きるようになってきたのはなぜなんですか」。「頻繁に」が死んでいますね。
 「よく雷雨が起きやすいんですよね」→「雷雨が起きやすいんですよね」もしくは「よく雷雨が起きるんですよね」。これも「よく」が死んでいます。このごろ、こういう死んだ修飾語が多いのですが、言った直後に忘れてしまうのでしょうか。┐( ̄д ̄)г
 「ゲリラ豪雨が人工的な理由でできているということですか」→「ゲリラ豪雨が人工的な理由で起きているということですか」もしくは「ゲリラ豪雨を降らせる雲が人工的な理由でできているということですか」。このとき、ヒートアイランド現象と雲との関係を説明していました。昔は、夏の空に積乱雲というのは好ましいものだったのですが・・・、「あ~暑い、ざーっと一雨こんかねぇ」ってね。
 「情報が本部に入り続ける」→「情報が本部に続々と入る」。「入れる(いれる)」という行為を「続ける」のはいいのですが、よそから「入る(はいる)」という事象に「続ける」はなじみません。
 「写真付きで情報を送られてくるんですね」→「写真付きで情報が送られてくるんですね」。情報が本部に送られてくるという受身表現ですから、「を」ではなく「が」です。無理やり尊敬表現だと解釈することもできますが、その場合は「写真付きで情報を送ってこられるんですね」となります。「くる」は、可能は「これる」、尊敬は「こられる」で分かりやすいですね。
 ちなみに、今年、ゲリラ豪雨が幾らか少なかったのは、雲粒が雨粒にならずに消えてしまうほど暑かったからなのだそうで。確かに暑かった、ハムやんのための保冷剤でいっぱいの冷凍室を何とかやり繰りして箱アイスを買っていっぱい食べたもんね。(~_~;)
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「儲からなさそうな業界」って?

2010-09-26 08:58:50 | 気になる言葉、具体例
                                    どや顔だよ
 経済がテーマの番組で、画面にでかでかと「儲からなさそうな業界」と出て、さ入れが定着してきたなぁと思っていたら、司会者も「儲からなさそうな業界」、テロップも「儲からなさそうな業界」、しかも、番組内でこれが何度も何度も繰り返されました。さ入れに気づいていないというより、これが正しいと思っていて、わざわざこれで統一しているようなのです。あのね、「儲からなそうな業界」が正しいのですよ。
 そういうふうに見えるということを表す様態の助動詞「そうだ」は、活用語の連用形と、形容詞・形容動詞・助動詞「たい」「ない」の語幹(変化しない部分)に付きます。例えば、「食べる」の連用形「食べ」+「そうだ」で「食べ・そうだ」。「食べない」は、「食べる」の未然形「食べ」+打消の助動詞「ない」で「食べ・ない」、「ない」の変化しない部分の「な」に「そうだ」が付いて「食べ・な・そうだ」。「さ」は入りません。
 「おいしくない」の「ない」は形容詞で、助動詞である「食べない」の「ない」とは違います。「おいしくはない」と言いますが、「食べはない」とは言いませんね。「おいしくない」の「ない」は「ない」なのですよ。「ない」の語幹+「そうだ」で「な・そうだ」ですが、語幹が1文字と短いので「さ」が入って「なさそうだ」となり、それがそのまま「おいしく」の後に続いて「おいしくなさそうだ」となります。
 いってみれば例外的に「さ」が入るのであって、普通は「さ」は入らないというわけです。食べなそうだ、知らなそうだ、行かなそうだ、飛ばなそうだ、言わなそうだ、聞かなそうだ、儲からなそうだ、です。
 ところで、「これる」と「こられる」はどうですか? 会社のコンピューターで「歩いてこれる」と入力すると、誤りだと警告する波線が下に付くのですが、「これる」は「くる」の可能の形として辞書に載っており、ら抜きではありません。でも、ほかの人がこの波線を見れば・・・ら抜きだと思うでしょうね。┐(´д`)г
 今日の気になるワードは「自宅を放火」です。少し前にも紹介したのですが、この記事を書いている最中に「報ステ」の市川さんが「自宅を放火し」と言ったので。「放火」は「火を放つ」ですから「自宅を放火し」だと「自宅を火を放ち」となり、誤りであることがはっきりしますね。正しくは「自宅に放火し」です。市川さん、頑張ってよぉ。
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「国民全員が保険に入っていない」って?

2010-09-22 20:43:56 | 言葉についてあれこれ
                                  実費なんだよね
 どういう番組だったのか忘れましたが、画面いっぱいの説明図に「先進国で唯一、国民全員が保険に入っていない」と書かれているのが目に入りました。えぇ~っ、国民皆保険ならぬ国民全て無保険の先進国って、どこ? 日本は、原則、みんな健康保険に入っていますよね。でも、アメリカでは、保険料が払えない、持病のせいで加入できないなどの理由で6人に1人が未加入なのだそうです。
 2009年春までNHKで放送していた「ER」というアメリカの医療ドラマを見たことはありますか? 私はときどき見ていたのですが、ストーリーがどうとかいうより、この異常な忙しさは一体何なんだと思っていたら、保険に入っていない人の多いことが原因の一つなのだそうで。
 それで、「先進国で唯一、国民全員が保険に入っていない」国はどこかというと、アメリカです。へ? 全くぅ・・・┐( ̄д ̄)г・・へ? ですよね。放送業界で働く人たちの日本語レベルの低さときたら・・・最低です。国民全員が保険に入っているわけではない、入っていない人の割合が6分の1、未加入者がこんなに多いのは、先進国ではアメリカだけだと言いたかったのです。
 それから、こういう例もあります。ある事件が起きて、取材を受けていた一般の人が「全部が見付かってないからね」と言ったのですが、そのとき、テロップは「全部見付かってないからね」でした。どういう状況かというと、女性が殺され、遺体はバラバラに切断され遺棄された、その一部が海岸に漂着し、警察が捜索したけれども新たな発見はなく、全部が発見されたわけではない、ということです。
 どうですか? 「保険に国民全員は入っていない」なら、ほとんど入っているけれど一部入っていない、全員が保険に加入しているわけではないと理解できますよね。「全部は見付かってないからね」なら、一部見付かったけれども、まだ見付かっていない部分がある、全部が見付かったわけではないと分かりますね。
 もう一つ、「ほかの人の回答方法は全部一度試したことがありました」です。ある問題が生じ、解決法を尋ねたところ、Aさん、Bさん、Cさんがそれぞれ提案してくれました。でも、BさんとCさんが提案した方法はすでに知っていて、実際に試してみたけれどだめだったのです。Aさんが提案した方法については知らなかったので、これを試してみることにしました。
 「回答方法」だと、「回答する方法」という意味になり、ある問題の解決法ということにはなりません。正しくは「ほかの人の回答にあった方法は全部一度試したことがあります」です。何も難しいことはないわけで、日本人ならこれぐらいちゃんと表現できないといけないのですが・・・、どうですか?
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「秋を感じられそうです」って?

2010-09-19 08:56:13 | 気になる言葉、具体例
                                松茸はありませんが
 天気予報のお姉さん、アナウンサーですよね・・・? 新米だからなのか、どこの局でも、天気予報担当の人の日本語はいまいちです。天気予報ですからね、単に涼しくなるということで「秋」なら「秋が感じられそうです」、つまり、自然にそうなるという意味である自発の「られる」、ということは「秋が」です。
 これが旅番組なら、いかにも秋らしい風景を見て、栗や松茸を食べて秋を感じる、秋を楽しむ、まだまだ暑くて夏を引きずっていても、秋を感じるために旅に出る、そうすれば秋を感じることができるという可能の意味で「秋を感じられそうです」ですね。アナウンサーならこれぐらいの区別はしてほしいものです。┐( ̄д ̄)г
 いやぁ、それにしても、急に秋になりましたね。「秋が感じられそうです」どころか、わざわざどこかへ行かなくても、もうすっかり秋です。朝晩は寒さすら感じるほどで、ハムやんのハウスの綿チップを増やしました。
 ところで、「この事件がもたらせたものは」とか「嵐をもたらせた低気圧」とか、たまたま別々の番組で連続して「もたらせた」を聞き、やっぱり変だなぁと思っていたら、最後に「もたらした」を1回だけ聞きました。うん、うん、これだよね、「もたらした」だよねと改めて思ったのですが、どうですか? 「つなぐ」「つなげる」のように「もたらす」「もたらせる」も辞書に載っているのですが、私はどうも「つなげる」「もたらせる」に抵抗があって、いちいち引っ掛かります。
 そういえば、「明らかとなる」はすっかり定着してしまいましたが、「と」と言うのは大げさに言いたいという気持ちが明らかに分かるような番組のナレーターだけで、通常のニュース番組ではほとんど「明らかになる」ですね。アナウンサーが「明らかとなる」と言うケースはひところより減ったように思いますが・・・(~_~;)どうかなぁ。
 「報道ステーション」では、古舘さんは「明らかとなる」で、市川さんは「明らかになる」なのですよ。そもそも「明らかとなる」が定着する原因を作ったのは福澤さんと古舘さんですから、ね、何となく分かるでしょ?! その古舘さんの番組で市川さんが「明らかになる」と言うのを聞いたときは笑ってしまいました。古舘さん、何か感じたでしょうか?
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「祟りに合う」って?

2010-09-15 21:24:50 | 気になる言葉、具体例
                                    見合いかっ
 先日、「めぐり合えません」について書いたのですが、たまたま何かで「○○というサイトに出合った」という記述を見て、また「合」だよ~と思って調べてみました。人と人なら「出会う」、人以外なら「出合う」、これははっきりしているのですが、片方が人でない場合、例えば、本、絵、映画など、う~ん、これは「出会う」でしょうね。
 そうそう、「合う」といえば、こんな恐ろしい霊が・・・ちゃうちゃう、恐ろしい例がありますよぉ~~~(°°) 「ある役を演じると祟りに合ううわさが」というテロップを見たことがあるのです。祟りに合ううわさってぇ~~~?
 これは誤変換になるべくしてなった例です。なぜだか分かりますか? 「という」が抜けていることが問題ですね。「たたりにあうといううわさが」なのに「たたりにあううわさが」と入力した、「○○に合う△△」ですから「ある役を演じると祟りに合ううわさが」となる・・・、ま、これは当然ですね。このごろ、必要な「という」まで省く傾向がありますが、誤変換を誘う誤った日本語です。
 「遭う」は、事故、災難、にわか雨、反対など、思いがけない事柄や好ましくないことに出くわす、経験するということですから、「祟り」なんていう恐ろしいことはやはり「遭う」ですね。そして、「という」を補って、「ある役を演じると祟りに遭うといううわさが」です。ある役って何だろ、おいわさん?
 それから、ちょっと面白いところでは、「味合う」なんていうのもあります。同じ文書の中に「味わう」もありましたから、「あじわう」と入力したり「あじあう」と入力したり、単純な入力ミスでしょうか? 「参拝者でにぎあう」なんていうのを見なかったら入力ミスで片付けられたのですが、「にぎあう」と書いた人は本当に「にぎあう」だと思っているのでは(~_~;)?
 そうそう、この記事を書いていて気づいたことが一つあるのですよ。「であいがしらに衝突した」ですが、双方が「であう」から衝突する、これはどっちでしょうね。これまですべて「出会い頭」だと思っていましたが、辞書に「出合い頭」とあるのを見て、そのほうが適切な場合もあると思い直しました。車と車、もしくは人と車なら「出合い頭に衝突した」ですかね、「双方が同時に出た」ということですから。
 およよ、気になるワードが聞こえてきました。「プロポーズされてお引き受けしました」ですか・・・、映画のセリフのようですが、プロポーズって「引き受ける」もの? なぁ~んか違う。「責任」ではなく「相手の気持ち」でしょ、それは「受ける」、「プロポーズされてお受けしました」ですよね?
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ずに、ないで、なくて、区別してる?

2010-09-12 08:56:42 | 言葉についてあれこれ
                              だからスマートなんやね
 今日の記事は日本語を勉強している人からの質問に答えるということで書きました。質問は、1.「重要な問題であるといえるでしょう」「重要な問題だといえるでしょう」「重要な問題といえるでしょう」の区別、2.「挙げられる」の「られる」の意味、3.「ずに」「ないで」「なくて」の区別、この三つです。
 1について、感覚的な区別ですが、「~であると」は、強い、硬い、確信、文書、演説、プレゼンテーションといったイメージで、日常の会話ではほとんど使いませんね。「~と」はそんなに硬くないので日常会話でも使いますし、問題の重要度もあまり高い感じがしません。そして、「~だと」はその中間でしょうか、でも、「重要な問題だ」という意識は「~と」よりはるかに高く、「~であると」と同じぐらいでしょう。
 2については、前後の言葉、話の内容によっていろいろな意味が考えられますから、それぞれの例を挙げます。「先生が実例を挙げられる」は尊敬表現、「○○は実例としてよく挙げられる」は受身表現、「分かりやすい例としては、○○を挙げられる」は可能表現になります。「られる」って便利・・・ですが、便利であるがゆえに混乱も生じています。それに、尊敬表現としてはあまり上等ではないので、「られる」ばっかりにならないように、使いすぎに注意しましょう。
 3の「~ずに」「~ないで」「~なくて」についてはこれまで何度か書いてきましたが、「めざましテレビ」と「とくダネ!」のスタッフは全く区別していませんから、区別できない日本人が今も増え続けているでしょう。例えば、「車輪が下りずに胴体着陸」は誤用で、「車輪が下りなくて胴体着陸」が正しいわけですが、分かりますか? もしこれが操縦士のミスなら「車輪を下ろさないで胴体着陸」で、これの硬い表現は「車輪を下ろさずに胴体着陸」ですが、本来あってはならないことであり、普通はありえません。
 打消の助動詞「ぬ」の連用形「ず」に助詞「に」が付いて「~ずに」、意味は「~ないで」です。例えば、「手紙を読まずに捨てた」は、読まなければならないのに手紙を「読まないで捨てた」、「種類を区別せずに使う」は、種類を区別することが望ましいのに「区別しないで使う」、「泣かずに頑張った」は、泣いてしまうのが普通なのに「泣かないで頑張った」、ということになります。
 「車輪が下りずに胴体着陸」の「ずに」を「ないで」と言い換えると「車輪が下りないで胴体着陸」となり、誤りであることがはっきりします。本当は「何らかのトラブルで車輪が下りなくて、やむをえず胴体着陸した」と言いたいわけで、「下りなくて」の「て」は接続助詞、打消の助動詞「ない」の連用形「なく」に接続し、「~ので」という意味になります。つまり、「何らかのトラブルで車輪が下りないので、やむをえず胴体着陸した」です。そして、これを、いかにも報道らしい硬めの言い方にすると「車輪が下りず、胴体着陸」となるわけです。
 説明は以上ですが、時間のあるかたは2008年8月10日の「今度のは『車輪を下ろさずに』だったよ」をお読みください。(⌒・⌒)ププゥ
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「めぐり合えません」って?

2010-09-08 20:34:54 | 気になる言葉、具体例
                                    道具は道具
 「○○先生にめぐり合うことがなかったら」というテロップを見たことがあります。こんなのはすぐに変だと分かりますよね、正しくは「巡り会う」です。そして、先日たまたま見た文章の中に「なかなかめぐり合えません」という記述があるのを見付けました。えーっ、そんなぁ~~~( ̄д ̄)?
 巡り会う、巡り巡って出会うこと、なのに・・・どうして・・・一体どこから「合う」なんて出てきたのでしょうか。試しにIMEで「めぐりあう」と入力して変換すると、「めぐり」+「あう」で、「巡り」と「会う」を自分で選んで組み合わせるようになっていました。つまり、「めぐり」と「合う」を選べば「めぐり合う」になるのです。ということは、自分で選んだのか? あるいは、何も考えずにたまたま出てきた最初の候補をEnterしてしまったのか?
 今度は、IMEよりはるかに賢いATOKでやってみました。すると、やっぱりね、一発で「巡り会う」になりました。「めぐりあう」→「巡り会う」、「めぐりあえません」→「巡り会えません」です。で、またIMEに戻り、「めぐりあえません」と入力して変換してみました。むむぅ~( ̄ ̄)、「めぐり合えません」になりました。予想どおりですが、なんともはや・・・、こんなことでは、なかなかどころか永遠に巡り会えませんよ。
 そもそも、「合う」の否定は「合わない」でしょ、「合います」の否定は「合いません」ですよね。同様に、「会う」「会わない」、「会います」「会いません」で、「会うことができない」は「会えない」と言いますが、「合う」はそういった言い方はしませんね。「合わせることができない」とは言いますが、「合うことができない」とは言いませんし、「合えない」「合えません」なんて言いません。「合わない」「合いません」です。
 ワープロなんて賢いようで賢くないのですから自分で変換結果をチェックしないといけませんね。とはいえ、急いでぱぱっと書いてうっかり見逃すことはだれしもあります。私だって、気軽に書いたコメントで誤字に後で気づくことがありますからね、「めぐり合う」はまだ分かる、単純なミスだと思えるのですが、幾ら何でも「めぐり合えません」はちょっと~(^^;)、おかしいということに気づかなければいけませんよ。
 それに、こういうのを見付けてしまうものですから、もしかしてこれを書いた人はテロップの「めぐり合う」を見て脳にばっちり焼き付いたのではないか、なんて思っちゃうわけですよ。今や、メディアそのものが、及ぼす影響の大きさを考えないで変な日本語を流し続けるスーパースプレッダーですからね。
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「自殺の相談所」って?

2010-09-05 08:57:24 | 気になる言葉、具体例
                               ふさふさなだけやわね
 「自殺の相談所」というのはただならぬ言葉ですが、社会問題というより日本語の問題として書きますから、そう思って読んでください。そもそも自殺なんて、死んでも決して楽にはならないのに、何か勘違いしてませんかね。
 報道番組の特集だったでしょうか・・・、失業のストレスから鬱病になったという男性が「自殺の相談所に何回も電話した」と言いました。そんなものがあるのかぁ、そういえば、いろいろな自殺の方法を紹介する本が売れたことがあるし、一緒に自殺する仲間をネットで募集することもできるし、自殺を手助けしてくれる人もいるようだし、すごい時代だなぁ、自殺について電話で相談できるのか、そこまでやっている人がいるのか~と思いました。
 決して冗談で言っているのではありませんよ、本当にそう思ったのです。もちろん、続きを聞いて「自殺の相談所」ではなく「自殺防止のための悩み相談所」であることがはっきりしましたが、こんな世の中だから何があっても不思議ではないわけで、おまけに言葉の省略も多いですから、単に下手な省略をしているだけなのか、そういうものが実在するから出現した新語なのか、迷うこともあるのです。
 2009年2月25日に「エコノミー症候群」について書きましたが、「バンキシャ!」のナレーションにも「エコノミー症候群」が出てきました。ま、「バンキシャ!」だから┐( ̄д ̄)гと言うこともできますが、すっかり定着してしまっていますね。不況で収入ダウン、節約、節約、ついには過激な節約で病んでしまう、これを「エコノミー症候群」と称する、なんちゃって。<(~_~;)>ヘヘッ
 ネットニュースの見出しに「ファストリ」と書いてあるのを見たこともあります。「ファーストフード」ではなく「ファストフード」と言おうという流れがありますから、「ファスト」は「ファスト」で認識されていますよね。ですから、「ファスト何々」の「何々」が「リ」から始まるのかなぁと思いました。そして、記事を読んで「ファーストリテーリング」のことだと分かりました。見出しに「ファストリ」って、無理でしょ!
 「ロングチワワ」はもうあきれますね、┐( ̄д ̄)г あきれるというか、腹が立ちます。o(`д´)o 本当は「ロングコートチワワ」で、毛が長い種類のチワワということです。決してダックスフントみたいな胴の長~いチワワではありませんよ。ちなみに、毛が短いのはスムースコートです。
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「○教授のもと、△を観察した」って?

2010-09-01 21:06:06 | 気になる言葉、具体例
                                  下にもハムやん
 △の内部がどうなっているか、特別な機材を用いて観察するのですが、その機材をふだんの研究で用いている○教授がいて、その○教授の研究室で、○教授に立ち会ってもらって、あるいは○教授に指導もしてもらったでしょうか、そうして△を観察した、これをナレーターが「○教授のもと、△を観察した」と言ったわけです。
 それから、別の番組で「専門家指導の元」というテロップを見たことがあるのですが、正しくは「専門家指導の下(もと)」ですね。「元」は、「親元」「親の元」、「下(もと)」は、「管理下」「管理の下」という具合です。ちなみに、「炎天下」は「炎天の下(もと)」で、頭の上にあるのが炎天です。毎日暑くてよく眠れず、どよ~んと疲れがたまってきましたよ、やれやれ。( ̄д ̄)
 では、「○教授のもと、△を観察した」の「もと」を漢字で書くとしたら、「元」でしょうか、「下」でしょうか。あ、そうそう、「許」は、もはや「もと」と読める人も少ないでしょうから除外します。「○教授のもと」まで聞いた段階では「元」ですが、「△を観察した」からいくと「下」と書きたい。でも、「○教授のもと」では「下」と書けない。ということは、何か言葉を補わないといけませんね。「○教授の立ち会いの下、△を観察した」あるいは「○教授の指導の下、△を観察した」と、具体的に言わないといけません。
 「○教授のもと、△を観察した」と言った人(原稿を書いた人)の頭には「もと」という音しか浮かんでいないようです。「元」か「下」が浮かんでいれば、どちらが合っているのか考える、そして、それにふさわしい言い方をしないといけないことに気づく・・・はずですが、どちらを使うべきかということも含めて分かっていないのでしょうね。
 ところで、タレントが「お暑い中」と言うのを聞いたのですが、「お」は要らないでしょ、「お」は。例えば、「お熱い仲」とか、「お寒いギャグ」とか、「おバカ」とか、何らかの意味を含んでいるのならいいですけれどね。
コメント (2)
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