◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「ご~いただく」となぜ言えないのか。

2007-05-15 09:19:32 | めちゃくちゃな敬語
              毎度ごらんいただきまして
 アナウンサーのひどい日本語についてはこれまでも何度か触れていますが、アナウンサーの間違い敬語で最もよく聞くのが「ご案内していただきますのは佐藤さんです」といった言い方です。「お迎えしていただいて」「ご確認していただこうと思います」、どうですか、おかしいと感じますか? 感じなかったら、あなたの敬語もおかしくなっているということですよ。
 謙譲語の基本は「ご(お)~する」ですが、これでいくと、「ご案内していただきますのは佐藤さんです」の「ご案内して」は謙譲語です。ということは、「ご案内して」の主語は佐藤さんであるはずがありません。でも、案内するのは佐藤さんです。そして、案内していただく、つまり、佐藤さんに案内を頼んでいるのはだれですか? このアナウンサーです。「ご案内していただきますのは佐藤さんです」がおかしいということが分かりましたか。正解は「ご案内いただきますのは佐藤さんです」です。「ご~いただく」と正しく言えないアナウンサーが多いことは非常に嘆かわしく、一般の人にも悪影響を与えていますから深刻な事態です。間違いでも、繰り返し聞かされれば慣れてしまいますからね。
 「お迎えしていただいて」→正しくは「お迎えいただいて」、「ご確認していただこうと思います」→「ご確認いただこうと思います」です。こういうレベルの低いアナウンサーたちは、ひょっとして、心のどこかで一般人を見下しているのではないでしょうか。だから、言葉を操るプロなのにこういうありえない言い方をして、本人も、周りの人(放送業界の人)も、いつまでも間違いだと気づかずにいるのではないでしょうか。幾ら丁寧に言いたいからって、主語が途中で替わるような言い方は意味を成しません。日常会話なら、「案内していただくのは」「迎えていただいて」「確認していただこうと思います」と言えば十分ですね。
コメント
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