◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「頂かれましたでしょうか」って?

2008-02-16 20:22:15 | めちゃくちゃな敬語
                     受け取ってください
 総理大臣を若い記者たちが囲んでしばし歓談するという場面をニュースでちょくちょく見ますが、記者の敬語があまりにもひどい。敬語のつもり・・・ですよね? 「チョコレートは頂かれましたでしょうか」だなんて。「頂く」は「もらう」の謙譲語ですから、尊敬の助動詞「れる」を付けたからって尊敬語とは認められません。
 尊敬語の基本の形「ご(お)~になる」にすると、「チョコレートをおもらいになりましたか」となります。でも、こういう言い方は最近あまり聞かなくなりましたね、昔はよく聞こえてきたんですけど、「お嫁さんをおもらいになったんですって?」とかね。さて、若い人が言いやすい表現というと、「チョコレートはお受け取りになりましたか」とか、「チョコのプレゼントはございましたか」とか、まぁ、こんなところでしょうか。
 それにしても、お世話チョコって何ですか? 日ごろ世話になっているかたに贈るチョコ? だったらなぜ「お世話チョコ」なのかなぁ~。 感謝チョコとか、お礼チョコとか、サンキューチョコとか、意味はそういうことでしょう? 「義理」という言葉に嫌気が差したから新しくひねり出したにしても、ちょっと違うのでは?

 2週間ほど更新を休みます m(_ _)m スミマセン。
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省略しても成立する話し言葉。

2008-02-15 19:30:31 | 言葉についてあれこれ
                    お、ひま種もらったのかぁ
 ふだんの話し言葉は、多くの言葉が省略されています。でも、肝心なことがちゃんと伝わるように省略しないといけませんね。
 「新居探しにびっくり」と聞いてどのような状況を想像しますか? 私は、まず、「おばけ」にびっくり! じゃないんだから、「新居探し」にびっくり! なんてありえないと思いました。これは、「外国で初めて新居探しをして、家賃の水準がとても高く、制度も違うことにびっくりしました」ということなのですが、この内容を大幅に省略して言うと、「新居探しでびっくり」となります。
 言葉を省略するとき、それにふさわしい助詞というものがあるのです。「新居探し」にびっくりしたわけではありませんね。「新居探しでびっくり」と言った後、「一体何にびっくりしたの?」と聞かれたら、「家賃の水準がとても高くて、制度も違うのね、びっくりしたわ」と答える、これが自然な会話です。
 「息子に『チョコもらった?』と問いただしたけど、答えなかった」はどうですか? 「息子に『チョコもらった?』と聞いて、息子を問いただしたけど、答えなかった」というふうに間を埋めてみると、「息子」が重複しますし、「問いただす」は、分からない点を聞いて明らかにするという意味ですから、「聞く」という意味も重複になります。
 では、「息子に『チョコもらった?』と聞いて、答えなかったから、余計に気になってしつこく問いただしたけど、息子は結局答えなかった」はどうですか? これだったら、まぁ、いいかも。これを省略すると、「『チョコもらった?』と問いただしたけど、息子は答えなかった」となります。
 でも、「問いただす」は、「うそつくな、正直に本当のこと言えよ」と迫る、あるいは、「怒らないから、本当のことを言いなさい」とすっごく怖い顔で迫る、というくらいのイメージなので、息子が女子にもてるのかもてないのか気になるお母さんがチョコをもらえたかどうか聞いているというほのぼのシーンには、「問いただす」はちょっと合いませんね(^^;)ニャハ。
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「爆弾を爆破させる」って?

2008-02-14 19:46:33 | 気になる言葉、具体例
                   スイカ爆弾かぁ、懐かしいな
 「爆破する」と「爆発する」、この二つの違いをはっきり認識していますか? 「爆破する」は、他動詞、爆薬で破壊すること。「爆発する」は、自動詞、急に体積が増し、熱・光・音を伴って飛び散ること。例えば、「ビルを爆破して解体する」「仕掛けられた爆弾が爆発した」などですね、簡単です。
 では、ある刑事ドラマで出てきたセリフ、「(爆弾を仕掛けた犯人が)この位置から遠隔操作で爆弾を爆破させるのは無理だと思いませんか」と聞こえたのですが、どう思いますか? 変だと思いませんか? 「爆弾を爆破させる」は誤りですね、この場合、爆弾を用いて何かを爆破するというわけではないので、「爆弾を爆発させる」です。「爆発する」は自動詞ですから、「爆弾を」なら「爆発させる」となります。あ、そうだ、爆弾処理班なら爆弾を爆破するかも( ̄_ ̄)。
 別のドラマでも、「まさか、○○が航空機を爆破させた?」というセリフがありましたが、「爆破する」は他動詞なので、「○○が航空機を爆破した」です。「爆破させた」だと、○○は命令しただけで、実行犯は別の人になってしまいますよ。黒幕がいるのか?
 「爆破」と「爆発」の区別ができていない人というのは意外に多くて、「コリン星を爆発し、新たなキャラを」なんていうのも聞きました。コリン星は千葉県にあるらしいですが、「コリン星を爆破し」ですね(^ー^)。
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「医院に訪れる」って?

2008-02-13 18:55:42 | 言葉についてあれこれ
                    ハムやん、何があったの?
 日本人が食事に箸を使うごとく自然に言っていた助詞、これが今や完全におかしくなっています。これまでも、「ランチを誘うメール」とか「野菜が売っている」とかいろいろ挙げてきましたが、これはどうですか。例えば、「漢方の医院に訪れる」「日本にもすでに○○が生産されていました」「あいつに問いただしました」などなど、挙げれば切りがないのでこのくらいにしますが、リポートも、ニュースも、ドラマも、変な助詞だらけです。
 まず、「漢方の医院に訪れる」は、「漢方の医院を訪れる」です。「訪れる」は、用があってそこへ行く、来る、という意味ですから、「医院に行く」のように「に」と言ってしまうのは分からないでもないのですが、「訪れる」には「行く」以上の意味があって、「医院を訪れる」なのです。「訪問する」も「~を」です。それから、「日本にもすでに○○が生産されていました」は「日本でもすでに○○が生産されていました」ですね。「存在した」なら「日本にもすでに○○が存在していました」と言えますが、「生産される」→「どこで」→「日本で」ですから「日本でも」ですね。こんなの、小学生レベルですよ( ̄・・ ̄)フンッ。
 では、「あいつに問いただしました」はどうですか? 「聞いた」なら「あいつに」ですが、「問いただす」は単に聞くだけではありません。分からない点を聞いて明らかにする、相手が素直に答えなければ胸ぐらをつかんで強く迫ってでも聞き出すわけです。だから「あいつを問いただしました」なのです。それでも言わなかったら? う~ん、「あいつを拷問する」しかないですかね( ̄~ ̄;)石モッテキテ。
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「○○さんにお会いしたそうですね」って?

2008-02-12 20:20:00 | めちゃくちゃな敬語
                       毎日デート
 この例文について昨日ちょっと触れましたが、今日は「ご(お)~する」「ご(お)~になる」について改めてご説明します。「ご(お)~する」は謙譲、「ご(お)~になる」は尊敬の基本形です。「○○さんにお会いしたそうですね」は、「~そうですね」で分かるように、相手にものを尋ねているわけですから、相手の「○○さんに会った」という行為は尊敬語で言うべきなのです。「お会いした」は謙譲語ですから誤りで、正しくは「○○さんにお会いになったそうですね」です。
 よくある「ご紹介してください」というのも、言っている本人は「紹介してください」に「ご」を付けただけだと思っているのでしょうけれども、「ご紹介して」は「ご(お)~する」という謙譲の形になりますから、相手に頼むなら「ご紹介ください」、自分が紹介するなら「ご紹介します」となります。
 今はやたらとくどい敬語が大はやりで、「○○さんにお会いになったそうですね」を「○○さんにお会いになられたそうですね」と言う人が少なくない・・・というか、ほとんどの人がこうですね。でも、「ご(お)~になる」ですでに尊敬の形が整っているのですから、そこへさらに尊敬の助動詞「れる・られる」を重ねれば二重敬語になります。会ったかどうか聞きたいなら「お会いになりましたか」で、「お会いになられましたか」は二重敬語です。実際、「お会いになりましたか」のほうが言いやすいですよね。敬語は、形はシンプルに、きちんと敬意を込めて言いましょう(^^)。
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「ようこそお集まりいただきました」って?

2008-02-11 19:35:16 | めちゃくちゃな敬語
                      いい相棒だねぇ
 例文は、あるドラマの中で出てきたセリフです。私はこれが好きで毎週見ているのですが、主役のキャラクター設定が、頭脳明晰、博識、スマートで上品、当然、話し言葉も丁寧できちんとした敬語なのです。ですから、私にとっては、数少ない、安心して楽しめる番組なのです。なのに、「本日はようこそお集まりいただきました」だなんてぇ~(TдT)。レギュラーメンバーではなく、その回だけの登場人物、ある事件に関連して開かれたオークションの司会進行役を務めた女性が言ったのですが、書いているのは1人の脚本家じゃないんですかぁ? こんな変なセリフをそのまま言っちゃう役者も役者ですよぉ! 「ようこそ」に続けるのは、「お集まりいただきました」ではなく「お集まりくださいました」ですよぉ( ̄□ ̄)!
 もう一つ、「○○さんにお会いしたそうですね」、これは、先日テレビで放送されたある映画の中で出てきたセリフです。映画というのは、2時間前後というわずかな時間の中に濃厚な時が流れ、演技者の周りの様子、大道具、小道具、衣装、すべて計算され、考えに考えたセリフにもいろいろ込められているはずで、それは、私たちがふだん気楽にぱぱっとしゃべっているのとは全く違いますよね。なのに、「○○さんにお会いしたそうですね」などという変なセリフを役者に言わせるなんて、また、役者も、こんなセリフをそのまま言っちゃうなんて。こんなのは敬語の初歩ですよ、正しくは「○○さんにお会いになったそうですね」です。ものすごく頭がよくてかっこいい人(そういう役なんですよ)が誤った敬語でしゃべるなんてかっこ悪い! がっかり~( ̄д ̄)アーア。
 こういうのは、ふだんいいかげんにしゃべっているから気がつかないのではないでしょうか。こうしてまた変な日本語が人々の脳に刷り込まれていきます。
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雲泥の差、なんでぇ~?

2008-02-10 19:36:12 | いろいろあれこれ
                     うまいんだ、これが
 醸造酒、蒸留酒、混成酒、さまざまなアルコール飲料がありますが、私は飲みません。飲まなくなって5年半たちました。今でも懐かしく思い出すのは、酒の味というより、香りです。コアントローの香りは、南の島で心地よい風を受けながら海に沈む夕日をながめているような気分にしてくれます。タンカレーの香りは、森の奥にある美しい滝のそばへさっと連れていってくれますよ。飲まないといっても、ちゃーんと料理酒とラム酒は常備しています。ラム酒は、アイスクリームにかけたり、パンプキンココナツミルクプディングを作るときに入れたり、香り付けに欠かせません。Suntory Rum Gold(製造者、サントリー株式会社)、うっとりするようないい香りがします。
 先日、残りわずかになり、同じものを買い求めようと探したのですがどうしても見付からず、RICO BAY GOLD RUM(原産国、アメリカ領バージン諸島)というのを買ってみました。値段は Suntory Rum Gold の8割ほどです。それを、昨日、開けたのですが、がっかり、途方に暮れてしまいました。香り、なんてものじゃない、注射の前の消毒に使うアルコール綿の匂いです。パンプキンココナツミルクプディングを作るのにラム酒は40cc入れるのですが、Suntory Rum Gold の残っていたのが20cc、しかたなく、あと20ccは RICO BAY GOLD RUM、それで、出来上がったプディングはどうだったかというと、いつもより香りが弱い!
 あ~~~、どうしよぉぉぉ・・・、ラム酒の香りのしないアルコール飲料、アルコール分40%、こんなもの、どう処分すればいいのでしょうか? 捨てるのはもったいないし、飲んでもおいしくないだろうし、かといって一体何にどうやって使えばいいのやら・・・?
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「腐」の意味。

2008-02-09 19:34:35 | 言葉についてあれこれ
                       かいーの?
 メタミドホスは、日本のものか、中国のものか、薬物指紋を調べれば分かるけれど、わざわざ SPring-8 を使うまでもない、日本には試薬としての純薬しかないから、不純物が入っているというだけで中国のものだと言える、ということなのだそうです( ̄・ ̄)フーン。
 この世の中、危険がいっぱい、何が起きるか分からない、影響がどう広がっていくか予測できないから怖い、だから芽のうちに摘むということが大切なのではないかと思いますが、現実には、何か起きてから考える、何か起きて爆発的に広がって大問題になってから対処するということになっていますね。みんなもう参天製薬のことは忘れてる? 対応が非常によかったので危機管理の見習うべき事例になっていますが、「好事門を出でず」ですから、出ただけましかな( ̄エ ̄)フム。
 さて、「豆腐」の「腐」は、中国語では「塊(かたまり)」の意味だと聞いて納得! 日本語の「腐る」とは全く違うようです。漢字を使う国、中国、韓国、日本、でも、その漢字の意味が国によって微妙に違うというのが何とも不便ですね。日本語の「腐」は、腐る(腐敗)、古くて役に立たない(陳腐)、心を苦しめる(腐心)、ですからね、マイナスイメージのみです。
 ところで、「羊水が腐る」なんて言った人がいるようですね。ゲイバーのママが言った言葉をそのまま自分も口にした、ということのようですが、変な日本語同様、悪い言葉もうつりやすいんだなぁと思うわけです。マネジャーが結婚したとか、子どもを早く産んでほしいという気持ちとか、そういうことを言った話の流れなんて関係ないですよ。女性なのに、そんな言葉を聞いて嫌悪感を抱かなかったということ自体が理解できないというか、今どきの若い人の感覚にがっかりというか、こういう人が多くないことを願うばかりです。
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「制止」と「静止」。

2008-02-08 19:25:19 | 気になる言葉、具体例
                        お手!
 散歩で、犬が飼い主をぐいぐい引っ張って勝手に行きたい所へ行くというのはいけないんだそうですね。犬のしつけについて教える番組で、専門家が犬のリードを持って一緒に歩いたり、ぱっと向きを変えたり、止まったり、座ったり、いろいろな動作をして、「りーどでせいしさせ、からだでおぼえさせる」と言いました。これを文字にするとしたら、どのように書きますか、考えてみてください。
 私は、「せいし」は「制止」だと直感したので、「制止させ」は変だ、「制止し」だろ! と思ったのですが、待てよ、「静止させ」かな? と迷いました。「制止」は、他動詞、そうしてはいけないと押しとどめること。「静止」は、自動詞、動きを止めてじっとしていること。したがって、「静止」なら「静止させ」でいいのですが、「制止」だと、「制止する」という行為の主体は飼い主ですから、「制止し」となります。まあ、言ったとおり「静止させ」と書くのもいいのですが、日本人が自動詞と他動詞をきちんと区別しなくなっている現状からいくと、本当は「制止し」なんだよなぁ~と思うわけです。
 では、よく出てくる例を二つご紹介します。「教員の資質を向上するために」、どうですか? 「~を向上する」は実によく出てきますが、これは明らかな誤りで、正しくは、「教員の資質を向上させるために」もしくは「教員の資質が向上するように」です。次はこれ、「目標を達成させるためにはプランが必要で」なんて言うから社長かと思ったらそうじゃない、まさに目標を達成するために頑張る社員じゃないですか! ややこしいっつーの!(`ε´)プンプン。
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「野菜を長期保存させるために」って?

2008-02-07 19:43:33 | 気になる言葉、具体例
                   保存しないでとっとと食べてね
 4時から、再放送の「DASH村 酒かす料理」というのを見ていたら、「昔から酒かすは野菜をおいしく長期保存させるために使われてきた」というナレーションが聞こえてきて、あ~~~、混入、流通、と来て、保存かぁ~、自他サ、自サについて書いたのならやはり他サで締めないといけないのかぁと思って、これ、本当に偶然なんですよ、というわけで、今日はこれを書くことにしました。他動詞です。
 「~する」というサ変動詞は、混入する(自他サ)、流通する(自サ)、保存する(他サ)、3種類あります。自動詞・他動詞の区別が怪しくなってきているこのごろ、「~する」でなければならないのに「~させる」、逆に「~させる」でなければならないのに「~する」という誤った言い方をちょいちょい耳にしますが、自他サはともかくとして、自サと他サは明確にどちらか決まっています。「野菜を長期保存させるために」も、「保存する」は他動詞なので、「野菜を」には「保存する」とそのまま続ければいいのです。「長期保存」は「長もちする」という意味ではなく、「長く保つ」という意味ですから。
 一昨日、「故意に混入させる」のほうが「入れる」の意味だとはっきり分かっていいと書きましたが、それは、毎日報道を聞いていて、「混入する」を他動詞であると思う人より自動詞であると思う人のほうが優勢だと感じたからです。では、これはどうでしょうか。「アップする」と聞いて、自動詞だと思いますか、他動詞だと思いますか? では、「国語力をアップしようと」と聞いて、違和感はありますか? 最近は「ブログに写真をアップする」という言い方をするので、この場合は他動詞として使っていますが、「成績がアップする」は自動詞ですね。ですから、「国語力をアップしようと」に私は違和感があって、自動詞なら「国語力がアップする」、他動詞なら「国語力をアップさせる」だと思っています。
 では、「レベルアップする」はどうですか? 「レベルがアップする」ですか、「レベルをアップさせる」ですか?( ̄~ ̄;)ウーン。話を最初からちゃんと聞いていないと分かりませんね。このように、自他サについては私も悩みますが、例えば、「品揃えを充実していきたい」「○○を発酵しただけの酒」は、「充実する」も「発酵する」も自動詞なので、「品揃えを」「○○を」なら、明らかに「充実して」「発酵した」は誤りであり、「品揃えを充実させていきたい」「○○を発酵させただけの酒」でなければいけません。「ビニール袋に入れて密封させておけば」は、「密封する」が他動詞なので、「密封しておけば」でなければいけませんよ(^^)vイエーイ。
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「製品が流通されたということが」って?

2008-02-06 19:28:38 | 気になる言葉、具体例
                      地黒のボスか!
 今日は昨日の続きです。ジクロルボスという別の農薬が検出され、ますます訳の分からないことになってきていますが、残留農薬という線は消え、製造過程で混入したという可能性も薄れ、製品に農薬を混入させたのはどのタイミングかということに話が移ってきたようです。包装の段階か、流通の段階か、中国国内でか、日本国内でか。「薬物指紋」という聞き慣れない言葉まで飛び出して、それを調べればどこで製造された農薬か判明するのだそうで、だったらさっさと調べてよぉと思いますが、それには SPring-8(すぷりんぐえいと)を使わないといけないようですから、そんなにちゃっちゃと進むものでもなさそうです。
 ちなみに、SPring-8 というのは兵庫県南西部(西播磨)にある大型放射光施設で、日本原子力研究所(現 独立行政法人日本原子力研究開発機構)と理化学研究所が共同で建設し、供用開始後は財団法人高輝度光科学研究センターが管理・運営しており、兵庫県警も科学捜査に使ったりしているようですよ。「サイエンスゼロ」にもたまに出てきますね。
 え~っと、もうちょっとで本題を忘れるところでしたが、今日の例文、「製品が流通されたということが」のどこがおかしいと思いますか? 「流通する」は自動詞ですね。「混入」も、「混入させる」と言わないと「入れた」という意味がいま一つはっきりしないわけで、ましてや「流通する」は自動詞ですから、「製品を」なら「流通させる」としなければいけません。「流通された」は受身表現ですが、ということは、もとは他動詞、でも、「流通させた」を受身にすると「流通させられた」となり、「流通された」とはなりません。「流通した」は自動詞ですから、これも「流通された」とはなりません。「混入する」は自動詞・他動詞、両方で、だからこそ「メタミドホスは中国国内で出荷前に混入された疑いが」が成立するのです。
 それから、「雨が降る」の「降る」は自動詞ですから、「降られる」とはならないのですが、それによって不利益を受けるということを表す受身、「急に雨に降られて困ったよ」というのはあります。では、「製品が流通されたということが」は、それによって不利益を受けるということを表す受身なのでしょうか。いやいや、それは深読みというもの、それに、流通して迷惑ということを言いたいなら「製品に流通された」であって、やはり「製品が流通された」ではありません。よって、「製品が流通したということが」というのが正しいわけです。あ~しんどかった( ̄・ ̄;)フエ~。
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「故意に混入した」って?

2008-02-05 19:59:01 | 気になる言葉、具体例
                       入れてみた
 連日報道されている農薬餃子事件で必ず聞こえてくる言葉、「混入した」と「混入させた」、この使い分けがきちんとできている人とそうでない人がいますね。「混入(名・自他サ)、種類の違うものを混ぜて入れること、混じって入ること」と辞書にありますが、自動詞と他動詞、きちんと区別していますか? 定義はこうです。動作・作用がほかに及ばず、主語自身の動きを表すものを自動詞といい、動作・作用が主語以外の対象に及ぶものを他動詞という。「混入+する」というサ変動詞、その未然形「混入さ」に使役の助動詞「せる」が付いて「混入させる」。「メタミドホスが混入した」は自動詞の意味になり、「メタミドホスを混入させた」は、だれかがメタミドホスを、ですから、他動詞の意味ということになります。
 例えば、「メタミドホスは中国国内で混入した可能性が高いことが」だと、故意か過失かは不明で、単純に「混じって入った」という意味になります。「メタミドホスは中国国内で出荷前に混入された疑いが」だと、過失というより、何者かがわざと入れた、ということを想像しますが、故意に混入させるという他動詞の意味でありながら、「混入された」という受身表現によってちょっと和らげた感じになっています。
 今日の例文、「故意に混入した」というのは、入れたのか、入ったのか? 「入れる」と「入る」は違うということはほとんどの人が分かっていると思うのですが、これが「混入」になると分からなくなるのですね。「メタミドホスは、何者かが故意に混入したのか、誤って混入したのか」と言う人はやはりいて、それも1人や2人ではないのですが、「故意」なら「混入させた」ですから。「メタミドホスは、何者かが故意に混入させたのか、誤って混入したのか」というふうに区別したほうがずーっと分かりやすくなりますね。以上、自動詞と他動詞の勉強でした(^^)。
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「ごようたし」か「ごようたつ」か。

2008-02-04 19:47:30 | 気になる言葉、具体例
                 御厠人(みかわやうど)みたいだなぁ
 宮内庁御用達、これをどう読みますか? ごようたし、ごようたつ、結論から言えば、どちらでもいいようです。手元の辞書を見ると、「御用+達し→御用達し(ごようたし)。宮中(官庁)の用品を納める商人、正しくは『ごようたつ』。今、制度としてはない」と記載されています。「用足し」を見ると、「用事を済ませること。大便・小便をすること。用達(ようたつ)」と、「用足し」と「用達」は一部重なっています。「用達」を見ると、「(「ご-」の形で)役所などにいつも出入りして商品を納めること(商人)」と書いてあります。
 ちなみに、歴史の本を見ると、三井高利(あの三井一族ですよ)が新しい商法で成功してばく大な富を蓄え、三井両替店を開き、江戸幕府に対し、商取引上の大きな問題点であった代金の支払いに、お金そのものを運ぶのではなく、為替手形を用いるということを提案し、幕府はすぐにこれを実行、三井両替店を含む、信用ある両替商が幕府の銀為替御用達になった、ということです。
 御用を達する、御用達し、ごようたし、だけど、「正しくは『ごようたつ』」と書いてあるのだから、もともとは「ごようたつ」だったのかな? まあ、これ以上のことは私には分かりませんが、「ごようたつ」を誤りであると言い切ることもできません。「ごようたし」が優勢なら「ごようたし」で、「ごようたつ」だと主張する人がいれば、それも間違いではないらしいね、といったところでしょうか。この場合、読み方で意味が違ってきちゃって困るということはなく、どちらにしろ同じ意味ですからね(^‐^)。
 平安時代、身分の高い人が用足しをするときは、御厠人(みかわやうど)という女官が持ってきた箱(ポータブルトイレ)を用いて物陰で済ませ、終われば御厠人が箱を外へ持ち出すというふうになっていたそうです( ̄o ̄)ホォ~。
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悪いイメージは広がりやすい。

2008-02-03 20:45:24 | いろいろあれこれ
                 カビてたから捨てましたよ
 以前、A工場跡地の土壌汚染 → B町の土壌汚染 → C市の土壌汚染 → D県の土壌汚染、というふうに、狭い範囲のことだったものがわーっと広がり、県そのもののイメージダウンになったことがあります。どこの県の話だったかは忘れましたが( ← 忘れるのも早い)、いいイメージより悪いイメージのほうがずーっと広がるスピードが速く、悪いうわさは圧倒的なパワーで広められますよね。この点は、恐らく、どなたも異論はないと思いますし、慣用句にも、長い間蓄積してきたものが一瞬で吹き飛ぶというような意味のものがたくさんありますが、考えてみれば、これはとても不公平なことですよ。
 例えば、「悪事千里を走る」などはストレートですね、悪事はすぐに広く知れ渡るけれども、「好事門を出でず悪事千里を走る」で、よいことは門を出ることすらないのです。「百日の説法屁一つ」、一生懸命説法しても、最後におならをブッとやれば吹き飛んでしまうのです。農薬餃子事件が起きて、学校給食から餃子が取り除かれる、事件とは全く関係ない国内産の餃子が、です。餃子というだけで不安に思う子どもがいるからだそうですが、そういうときはきちんと説明して納得させて食べさせればいいのではないでしょうか。そういう区別をしないというのが、事件とは直接関係ないところへも問題が広がる一因でしょう。牛、鶏、牡蠣、餃子、あ~、貝割菜もそうでしたねぇ。
 悪いことは避けたいという人間の本能がそうさせるのかもしれませんが、こういうパワーの違いを踏まえて発言なり対応なりしないと必ずとばっちり組が出ますよね。今回、混入の原因として考えられるのはこういうことで、これに該当しないものは心配ない、とは言えないのかなぁ、言ったら、後で万が一何か起きたら「心配ないって言ったじゃないか、責任とれよぉ」とか言われるのかなぁ( ̄~ ̄)ウーム。日本国内の個々の業者が「うちは大丈夫」と、しっかりした根拠を示して自信を持って言うのなら、それを信じてもいいのでは? ミートホープのことを思い出せば、私もあまり大きな声では主張できませんけれどね( ̄_ ̄)ゞポリポリ。こういう世の中だから、せいぜい自己免疫力を上げておかねば。
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「手作り餃子」って?

2008-02-02 19:27:48 | 気になる言葉、具体例
                      ハム雛・・・?
 今、話題の「手作り餃子」、パッケージをテレビで何度も見て、ふと疑問がわいてきました。「手作り」って、どういう意味だったっけ? 辞書によると、手で作ること、手で作ったもの、手製・・・( ̄・ ̄)フム、まあ、そうですね。でも、問題は、だれが作ったかでしょう? 主婦が自分の手で作り、家族に食べさせる、それが「手作り」の本来の意味だったように思うのですが。外国の工場で外国の人が素手で作った、それを焼いて食卓に出すだけ、そういうのって「手作り」と言えるのかなぁ、ちょっと違うんじゃぁ・・・?
 さて、年が明けてもう1か月が過ぎ、そろそろ雛飾りのCMが流れるようになりましたね。それで、「伝統的なゆうしょくびな」と聞こえてきて、ゆうしょくびなって何だ? ゆうそくだろ! と、例によってテレビに向かって突っ込みました。有職故実(ゆうそくこじつ)という言葉がありますね。Wikipediaによると、有職故実とは、古来の先例に基づき、官職・儀式・装束などを研究すること。手元の辞書を見ると、有職(ゆうそく)とは、公家が心得ていなければならない儀式の規定や慣例、生活習慣など、もう一つの意味は、宮中で使われた高級な織物。なるほど、ということは、やはり「ゆうしょく」は誤り、「ゆうそく」ですね。「ゆうしょく」は「無職」の反対語です。
 でも、原稿に「有職雛」と書いてあって振り仮名がなかったら、「有職故実」を知らない人は「ゆうしょく」と読みますね。これは、原稿を書いた人が振り仮名をしっかり書いておかなければいけなかったわけです。テレビでお仕事なさっている人なら大丈夫、なんてことはないのですから( ̄ ̄)。
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