◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「地域の人たちに触れ合っていきたい」って?

2009-07-29 20:53:02 | 気になる言葉、具体例
                       怒りに触れる
 前回、「福井県民の生活にふれあうことに」という例を挙げ、正しくは「福井県民の生活にふれることに」だと書きました。そして、昨日、面白い投稿ビデオを紹介する番組を見ていて、16歳の男の子が「地域の人たちにふれあっていきたい」と言うのを聞きました。その心掛けは素晴らしいのですが、惜しいですねぇ、日本語がいけません。さらに、テロップはというと、「地域の人たちに触れ合っていきたい」ですよ、こちらはプロですよ、これで給料をもらっている人なのに、なんてこったい、こりゃだめだ( ̄д ̄)!
 「生活にふれあうことに」については、「生活に」なら「ふれ合う」ではなく「ふれる」ですが、テロップが「ふれあう」でしたし、役所の文書でも「ふれあう」が多くなっているので、「○と△がふれ合う」というのをイメージできないのだろうか、というふうに考えました。そこへこれですから、やっぱり若い人はみんな「~とふれ合う」「~にふれる」の区別がつかないのかも~~~( ̄ ̄)。テロップの「~に触れ合う」はもはや問題外! そんなあほなこと書いてて給料もらうな!
 それだけではなくて、ちょっと気になるのが、背景に自己中心ということがありはしないかということです。「ふれる」と「ふれあう」を比べると、その意味は別として、「ふれあう」のほうが響きがいいですね、だから、本来「ふれる」と言うべきところで「ふれあう」と言ってしまう、さらに、「ふれあう」と言っているのは口先だけであって、感覚としては、「~と互いに~合う」ではなく、「~に対して一方的に~する」なのではないでしょうか。
 この16歳の男の子の場合、自己中心というより、自分から積極的に地域の人たちに声をかけていく、働きかけていく、という気持ちが強くて「地域の人たちに」になってしまった、そして、「働きかけていきたい」という具体的な表現ではなく、よりソフトで響きのいい「ふれあっていきたい」という言葉が続いた、ということなのだと思いますが・・・、正しくは「地域の人たちとふれ合っていきたい」です。う~む、皆さんはどのようにお考えになりますか?
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「満腹感を満たしていた」って?

2009-07-26 09:15:23 | 気になる言葉、具体例
                      ハム鍋で心を満たす
 「秘密のケンミンSHOW」の司会は、みのさんと、もう一人、スーパースプレッダーの女性芸人ですが、ナレーションもやはりおかしいですね。おやつとしてポリポリ食べるあられにお茶をかけてふやかして食べるという話題で、「白湯をかけ、満腹感を満たしていたのが始まりといわれている」というナレーションですよ。テロップも同じでした。満腹感を満たす・・・どんだけぇ~~~( ̄д ̄)、胃もたれしそう。
 昔の人にしてみれば、少量で満腹感を得るためにふやかして食べたという事情があったのでしょうが、現代人が食べても、これはこれでいける、お雑煮みたいでおいしいらしいですよ。ちなみに、私は、昼前や夕方、空腹感を紛らすためにガムをかみます。お気に入りはリカルデントさわやかミントプラスです(⌒・⌒)。
 ところで、たまたまちょっとだけ見た番組で相撲取りのような体型の女性が出てきてなぜ太ったのかという話をしていたのですが、ストレスというのは恐ろしいですね。おいしいもので腹を満たせば心も満たすことができますが、逆に、心を満たすために腹を満たすようになるととんでもないおでぶになるようです。本当に怖いですねぇ・・・っていうか、そんなに食べるお金があるというのが逆にすごいなぁと思うのですが。
 はい、日本語の話に戻りましょう。転勤族になった東京一郎が福井県に転勤、「福井県民の生活にふれあうことに」ですって。「生活」とどうやって「ふれあう」のでしょうか。そういえば、表記が、触れ合う→ふれ合う→ふれあう、というふうに急速に変わっていったように思います。「ふれ合う」なら「人と人」「心と心」というように「と」をイメージできたのですが、「ふれあう」はもはや「と」ではなく「に」なのでしょうか。
 まさか、若い人はみんなそんなふうに思っている、なんてことはないでしょうね~~~( ̄_ ̄)? あ、いや、ナレーションの原稿を書いているのが若い人だとは限りませんが。それはともかく、正しくは「福井県民の生活にふれることに」です。生活にふれ、ケンミンとふれ合い、なじんだころにまた転勤。石川県にはいつ来るのかなぁ、やっぱり、加能蟹、香箱蟹のおいしい季節かなぁ、まだまだだなぁ。
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たまにあってもいいよね。

2009-07-22 20:45:51 | 言葉についてあれこれ
                    タマに会ってもいいよね
 話し手が「それは全く関係ないで」と言ったとき、テロップは「それは全く関係なく」となっていました。そりゃそうですね、さすがに「それは全く関係ないで」とは書けません。書けませんが、言ってしまうのですね。すっごく変ですよ。でも、「それは全く関係なく」と書いたのは感心ですよ、珍しいですよ、変な日本語そのまんまのテロップのほうが圧倒的に多いですからね。
 そういえば、いつだったか、朝の大塚さんの番組で若い女子アナが「・・・状況下の中、状況下・・・」と言い直しましたよ。お、珍しい、言い直した! こんなこともあるのですね。多分、原稿には「状況下の中」と書いてあったのでしょう。それを読んで「あっ」と思ってすぐに言い直した、ということだと思いますが、本当に珍しいですよ。実際、「状況下の下(もと)」だの「状況下の中」だの、よく聞こえてきますからね。
 ニュース原稿を書く人とアナウンサー、ナレーションの原稿を書く人とナレーター、脚本家と俳優、どちらも日本語がだめだったら救いようがありません。まぁ、本番前に読んで変だなと気づいても力関係で直せなかったらどうしようもないですが、絶対に直せないのだとしたら、アナウンサー、ナレーター、俳優に日本語力がないのが当たり前?
 いよいよ夏ですね、皆さんはお気づきですか、毎年、梅雨が明けると「炎天下の下(もと)」や「炎天下の中」なんていうのがけっこう聞こえてくることに。「氷点下」の「下」とは違うっつぅの。
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「人から人へと感染できる」って?

2009-07-19 09:14:08 | 気になる言葉、具体例
                      区別がつかない~
 先日、小倉さんが教官という設定でいろいろなことを教えてくれる番組を見ました。内容自体は興味深いものが多かったので、ほかのことは我慢して見ましたよ。例によってナレーションやテロップがひどい、ひどすぎます。教官が小倉さんじゃぁ、しょうがない・・・か? それにしても、原稿を書いたのは一体だれなんだ?
 ブランド牛の話題で「偽物が出ないため、DNAを登録」というテロップが出たのですが、どういう意味だと思いますか? 何だか矛盾を感じますよね、偽物が出ないのにDNAの登録なんかする必要があるの? ブランドといえば偽物、これは必ず出ますからね、ちゃんと本物と偽物の区別がつくようにしておかないと大変です。ある有名なブランド牛の産地では、牛を一頭ずつすべてDNA登録して厳重に管理しているということで、それならせめて「偽物が出ないようにするため」とか「偽物と区別するため」とか書いてもらわないと。
 医師がある芸人の首をエコーで検査している、そこに頚動脈があるはずなのだけど、なかなかモニターに映らない。そのときのナレーションが「あるべきはずの頚動脈が見付からない」です。3年間で体重が倍になったというこの芸人、確かに首が太い、脂肪が邪魔して「あるはずの頚動脈が見付からない」わけです。
 わおぅ、出たっ、「日本ではまだ保険が適用されていなく」ですって。2007年11月17日の「切断されていなく」って? という記事をお読みになれば分かりますから、説明は省きます。変な日本語で書いてある原稿をそのまま読んでしまうナレーター、果たして本当に罪はないのか? 自覚も誇りもないのか?
 それから、エコカーの話題だったと思いますが、売上好調のようで、「その人気の一つは、ずばり、お金よ」って、「その人気の一つ」って、何? 「お金よ」というのは、エコカーを買えばいろいろお得なことがあるということですから、「その人気の要因の一つは、ずばり、お金よ」とか、「その人気の秘密は、ずばり、お金よ」というのもありかな。
 あ~もうだめだ( ̄д ̄)! 「ウイルスは少ない数でも感染できるようになる」ですって。「人から人へと感染できるようになった場合」ですって。「感染できる」なんてそんな・・・やだやだ、絶対にお断り! それに、「感染」は「伝染病にかかる」という意味ですから、「人から人へと」なら「伝染」です。そして、「伝染」でも、「伝染できる」とは言いませんねぇ・・・ありえない感覚・・・( ̄ ̄)。
 そして、小倉さん自身も「おしゃれな服装を着る」なんて言うし。大体ねぇ、言わせてもらえば、小倉さんの「~かも分からない」が大嫌いなんですよ。ふだんの会話ならしょうがないですが、テレビで聞く「~かも分からない」ってださい! しゃべりのプロならやめてほしい。「社長をやられた人」なんて言うのもやめて!
 あ、そうそう、余談ですが、四十肩の話題もありましたね、正式名称は五十肩なんだそうです。以前、五十肩でつらいが何とか自分で治すぞ、ということを書きましたが、おかげさまですっかりよくなりまして、痛みがないのはもちろん、真上にまっすぐ腕を上げることができるようになりました(⌒・⌒)v。
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海岸なのに「侵食」って?

2009-07-15 20:47:36 | 言葉についてあれこれ
                     散歩エリアは共有だよ
 日曜日午後6時から放送の報道番組で、海岸の砂浜が波に浸食されてだんだん狭くなり、海水浴場として使えなくなったり海岸沿いの建物が波をもろに受けたりしている、そういう現象が日本全国至るところで見られるという話をしていました。石川県羽咋市の千里浜なぎさドライブウエーも紹介されましたが、実際、私の記憶からいっても随分狭くなりました。
 主な原因は、川の上流のダムが山から流れ込む砂をそこに留めてしまい、海まで運ばれる砂が減り、波が浸食する分を補えなくなっていること、なんだそうです。全く自然の状態なら、波が削れば、その分を、ちゃんと川が砂を運んできて補う、そのバランスが取れて砂浜が維持されるというわけで、一方(川の上流)を人が変えたらバランスが崩れるのは当然ですね。
 それで、話を聞きながらずっと気になっていたのが「侵食」という文字です。テロップやフリップがすべて「侵食」となっていたので、砂浜を削っているのは波なのだから「浸食」だろうと思っていたら、わざわざ福澤さんが言いました。「国土を侵しているからにんべんの侵食です」と。
 え? そうかな? まぁ、福澤さんらしい発想ですが、皆さんはどう思いますか? 原因としてダムのことを話したんですよね、そのダムを造ったのはだれ? 日本を侵略しようとしている何者かが造ったの? 違いますよね、日本人が、日本人の生活を支える水力発電や日本人の安全を守る治水等のために造ったんですよね。
 「国土を侵す」は「不法に攻め入る」というイメージですが、波は別に「国土を侵す」つもりで打ち寄せているわけではありません。大昔からずっと、ずーっと、ただただ寄せたり引いたりしているだけですから、やはりここは「浸食」でしょうね。「侵食」というくらい危機感を持っているんだという気持ちは分からなくもないですが、自国の領土を「侵す」というのはやはり変です。
 それとも、国土を削っているのは水(さんずいへん)ではなく人(にんべん)だと言いたいのかな? だからって全部「侵食」にするのはやりすぎじゃないですか? それに、「国土を侵しているからにんべんの侵食です」ではなく、「人が招いた結果だからにんべんの侵食です」とでも言えばいいんじゃないかなぁ?
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全角と半角、どっちでもいい。

2009-07-12 10:13:22 | ディクテーションについて
                      ぐわぁーっ、てか
 前回に続き、文書における数字の表記について書きます。1けたの数字は全角、というのは原則であり、特に指定がなければそうしているということで、全角でなければならないということはありません。ただ、書体にもよりますが、1けたの数字は全角にしたほうが見やすくなります。特にゴシックなら全角にしたいですね。
 最悪なのは、全角と半角が無意味に混在する文書です。1けたの数字でそういうゆれがあるのはよく見掛けますが、ひどいときは2けた以上の数字でもゆれがあって、これほどみっともない文書はありません。「8月27日、9時30分から11時40分まで」なんて、一目でおかしいと感じるでしょう?
 ただし、2けた以上は半角というのも原則で、文書内に出てくる数字は何けたであろうとすべて全角、というようにきっちり統一されている場合はそれでもいいのです。また、どちらで入力しても見た目が同じになる書体なら何けただろうと同じなのですから、気にする必要もありません。
 また、報告書の見出しなどで、大項目の数字は全角、中項目以下の数字は半角というように、けたではなく、項目のレベルで全角か半角かを決めるというのもありますし、小さな文字が並ぶ図や表の中の数字はすべて半角ということはよくあります。そもそもエクセルの表など、文字列ではなくデータとして見る数字は半角ですよね。要は、一定のルールに従っているか、文書内で統一されているか、見た目がおかしくないか、読みにくくないか、ということが問題なのであって、何も気にしないでちゃらんぽらんに書いてある「ゆれ」がいけないのです。
 それは、数字に限らず、漢字で書くか平仮名で書くかということもそうですね。だれにも見せない日記ならともかく、他人に見せるのなら少しは気にしましょう。私が書く文書内で、例えば「下さい」と「ください」が出てきたら、それは、「~を下さい」と「~してください」の使い分けであり、ゆれではありません。また、別の文書で「ゆれ」を「揺れ」と表記していたとしても、その文書では「揺れ」と書くことにしたというだけで、同一の文書内で「ゆれ」と「揺れ」とを混在させることはないようにしています。
 それから、作業の能率という点で言えば、何時間も続けるなら、やはり使い慣れた道具を選び、数字の全角/半角など、いろいろ確認して少しでも手間を省こうとするのは当然でしょう? キーの設定、入力言語、指を痛めている私にとってはキータッチの軽さも重要です。どうでもいいことなんて一つもありません。
 というわけで、全角と半角、どっちでもいい、ただし、その文書に一定のルールさえあれば、です。ちゃんとした根拠と背景があって言っていることとただのこだわりとを一緒くたにしないでほしいと思うのですが、そういったことを想像できない、想像できるほどの知識がない、そして、知識がないことを自覚していない、それで話が通じない、そういうことって多いのではないでしょうか。でも、そこからまたじっくり説明する時間もないし・・・何かとやりにくい世の中ですね。
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全角と半角、どうでもいい?

2009-07-08 20:26:53 | ディクテーションについて
                     デスクトップ欲しいよ~
 数字の表記は、特に指定がなければ、0、1、2・・・10、11、12・・・100、101、102・・・というふうに、1けたなら全角、2けた以上なら半角にします。でも、発注者の好みとか、書体によるとか、別のルールがあるとか、いろいろ事情がありますから、サンプルを見てこの文書はこうだと分かればそれに合わせます。
 文書入力をしたら表記ゆれチェックをしなければいけないのですが、Word 2000以降、数字の全角/半角のゆれが表記ゆれ一覧表示に出なくなりました。97まではちゃんと表示されたので、全角でないといけないものが半角になっているのを見落としても最後に一発でチェックして直すことができましたが、今はそれができないのです。自宅のパソコンを97から2003に替えたとき、これにはとても困りました。
 でもね、あるとき、Aさんから文書をチェックしてくれと頼まれ、日本語の稚拙さもさることながら、まずパッと見て息苦しくなるような印象で、「こことここの数字が半角になっているから直して」と言ったらびっくりされてこっちがびっくりしました。Aさん、「これ見て全角か半角か分かるんですか?」と不思議そうに言うじゃありませんか。
 全角/半角はふだんから意識していないと分からないのだろうか・・・こんなに見た目が変なのに・・・( ̄ ̄)? おまけに、このAさん、20代半ばの女性ですが、なかなかしっかりした人で、ある企業のホームページ担当だったこともあるそうです。当然、表記については普通の人より気をつけなければいけない立場だったわけですが、それでこれですか?
 紙1~2枚程度の短い文書なら後で直すことになってもかまいませんが、長~い文書の場合、数字というのはけっこう登場するわけで、それをまた後からチェックしていちいち直すのは面倒ですから、最初からきちんと区別して入力したい、というより、私にとって全角と半角を区別するのが当たり前、自然に指がそのように動くのです。
 テンキー付きのパソコンなら、1けたはキーボードの上のほうに横1列に並んでいる数字のキーを、2けた以上ならテンキーを、というふうに、頭で考えなくても自然にそういうふうに入力するのです。自然に、ということは、1けたの数字も半角にしなければいけないという場合、1けたなのにテンキーへ手を持っていかないといけませんから、これが非常に面倒でイライラが募ります。
 先日、Bさんからディクテーションを頼まれました。Bさんは1けたもすべて半角なのですが(といっても、意識してそうしているわけではないような)、以前Bさんが仕上げた文書を見たら全角と半角の見た目が同じになる書体が使われていました。それなら1けたの数字を全角で入力してもいいわけですが、もしも違う書体なら後で半角に直さないといけない、だけど、長~い文書なのでそれは考えただけでも面倒なこと、まして、直すのはBさんですから、前もって確認しました。
 まず、標準的な表記について説明し、前に見たのと同じ書体で仕上げるのか、それなら見た目が同じだから1けたの数字は全角で入力してもいいと思うがどうか、と尋ねました。返ってきた答えは・・・大きな声で笑いながら「そんなのどうでもいいよ」でした。いちばん聞きたくない言葉・・・どうでもいい・・・(;_;)・・・減らせる手間は減らそうと心を砕いているのが分からないの? どうでもいいことなら自分で判断するよ、わざわざ聞いたりはしないさ。
 全角、半角、書体、入力言語(IME Standard、Natural Input、ATOKなど)、変換辞書、単語登録、各種設定・・・、ディクテーションで何時間も文書入力を続けるときは大問題! ちょっとした違いが作業効率を大きく左右し、違うと気づかないほどの違いが文書の見た目と読みやすさを左右していることは事実なのですよ。多くの人がそこに気づいていないだけです。何も知らないで「どうでもいい」ってか( ̄д ̄)?
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伝えるセンスがない。

2009-07-05 09:27:36 | 言葉についてあれこれ
                     被害は拡大している
 ある地域で広範囲にゆっくりした地滑りが起こっているという話をしていました。画面では、大村アナが、以前は幅1メートルほどだった溝(地面の大きな亀裂)が2メートルに広がったという比較をしていました。ピョンと跳んで向こう側に行けたときの映像もちゃんと流しましたから、明らかに拡大していますよ、なるほど、なるほど。で、ここで流れたナレーションが「明らかに被害は拡大している」なのですが、ちょっと、ちょっと、目の前にあるのはただの溝ですよ。
 確かに、家が傾いて引き戸が開かなくなるなど、いろいろな場所に「被害」が出始めているのですが、そういうことをあれこれ見せているときに言うならともかく、溝のことを詳細にリポートしている場面には合いません。もしかして言うタイミングを間違ったのではないか、随分先走ったナレーションだなと感じました。
 それから、政治の話題のとき、VTRに「総裁分離」というテロップが出て、何だろ、意味が分からないけど変な言葉だなぁ、○○分離というときは「政教分離」とか、単語が二つのはずなのに「総裁」だったら一つだよ、と思いました。そして、VTRが終わった後、小倉さん、「そうそう分離ですね」とつぶやきました。
 自民党政権における「総理=総裁」ということを意味する「総理総裁」という言葉は聞いたことがあると思いますが、総理と総裁は別々の人にということを「総総分離」と言うようです。この「総総分離」が「総裁分離」になっていたというわけですが、メインキャスターならちゃんと間違いを訂正してくださいよ、そういうことに明るい人ばかりが見ているわけではないのですから。
 これが古舘さんなら、頭を下げて「申し訳ありません、テロップが間違っていました、総理の総と総裁の総で総総分離です」ぐらいのことは言いますよ、きっと。だって、古舘さんは、自身がキャスターを務める番組のテロップに誤りが多いことをはっきり認識していますからね。
 それにしても情けない、こうなるともう‘伝えるセンス’がないということだと思います。これはだれの責任なのでしょうか? ここでこういう映像を流して、こういうナレーションで、こういうテロップが入って、というのはだれが考えて決めているのでしょうか。とにかく、番組を制作しているスタッフ全員が日本語をいいかげんに書いたり話したりしているということです。こんなことでいいのか? いや、いいわけがない( ̄ ̄)ホントニモォ。
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名指し、しかたないでしょ?

2009-07-01 20:29:34 | 電子書籍(でじたる書房)
                      あくまでも遊び友達
 小倉さんが「白髪が染める・・・・・染まる」と言い直すまでにかかった時間、約3秒・・・長い! 言い直さない人も多いので言い直しただけましですけど、あ~だめだめ、だめなほうを基準にしたら何でも「まし」になってしまいますぅ~。キャスターがスーパースプレッダーだと、ほかのアナウンサーやリポーター、ナレーター、テロップ入力作業者、ディレクター、みんなだめになりますからね。そうだ、思い出しましたよ、2007年12月8日の記事でこんなことを書いていました。
 朝の情報番組で、メインキャスターが「どの程度の関係にあったかどうか」「どれだけ分かっているのかどうか」と立て続けに言い、その後、別の人が「どこまで車を乗り入れたのかどうか」と言いました。今うつったのか、すでにうつってしまっていたのか、う~~~ん( ̄н ̄)。続けて言うということは、そのときたまたまミスったのではなく、そのような言い方をふだんからしているということですね。そして、それを変だと指摘する人は周りにだれもいないということで、すでに感染が広がっているのでしょう。9月20日に「どこまで許されるかどうか」について書きましたが、こんなスーパースプレッダーがいたのですね、いやはや、困ったことです。
 もうお分かりですね、このときは名前を出していませんが、このメインキャスターとは小倉さんのことです。つい先日もこんなことがありました。ある放火事件について若いアナウンサーが報告、「民家が全焼、住人の男性は軽傷、娘は重傷、奥さんは行方不明、放火した犯人は、自身も火傷を負って警察に出頭、犯人は行方不明になっている奥さんの同僚である」ということで、小倉さんが「同僚以外の関係しか分かってないんですか」と質問し、「同僚以外の関係しか分かってないんですね」と答えました。
 放火犯と奥さんは職場の同僚だが、それ以上の深い関係があったのかどうか、そこまではまだ分かっていないということなのですが、それを正しい日本語で表現すると、「同僚であるということしか分かってないんですか」「はい、それ以外の関係があったかどうかは分かってないんです」となります。だいぶ違うでしょう?
 まぁ、そういうこともあるさ、なんて気軽に受け止めないでくださいね、しゃべりのプロのくせにこういうあほなやり取りをちょいちょいやっているのですから、その影響はとても大きいのです。天気予報担当の人は「雲がかかり続けています」なんて言うし、ナレーターは、どう見ても拡大しているのは溝なのに「被害は拡大している」なんて言うし、あ、「きら、ぼし」もそうだ。「押しも押されぬ」もまた言ったし、言い間違いでないことは確実です( ̄д ̄)ダラケ!
 変な日本語があふれていることに気づいていますか? お手本のはずが誤りだらけということに気づいていますか? 皆さんも気をつけないと知らぬ間に感染してしまいますよ。『ちゃんとしゃべれ!』-スーパースプレッダーに気をつけて-は、専用端末で読むのではなく、でじたる書房の‘パソコンで読む電子書籍’です。
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