◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「彼をして73歳まで長命した」って?

2024-05-26 09:59:10 | 言葉についてあれこれ
                                   適度な運動は必須

 「これを受けなかったことが彼をして73歳まで長命した理由かもしれない」(2020/2/6 11:30 AERA dot.)って( ̄" ̄)。1700年代のヨーロッパ、「これ」は当時あった副作用の強い治療法で、「これ」を受けなかったのがかえってよかったのですね、「彼をして73歳と長命ならしめた」もしくは「彼をして73歳まで長らえさせた」です。
 「やむ負えない状態の時には」(2020/2/19 15:00 ウーマンエキサイト)って( ̄д ̄)! 「やむをえない(やむを得ない)状態のときには」でしょ! 「どうしてもやむ終えない理由があったとしても」や「已む終えず」なんていうのも見たことがありますが、違いますよ <( ̄д ̄)>。
 「スッキリ」(2022/8/24)で「~に頼らざる、おえないですね」と言った大竹真リポーター、こういう人は意外に多いですよね、アナウンサーでも「~ざる、おえない」と言う人をたまに見ます。「~ざる終えない」だの「ワクチンを打たざる得ない」だの、違いますよ。「~ざるをえない(~ざるを得ない)」でしょ!
 「彼がしてくれたことには世界中のお金を持っても贈り物を持ってもお礼の言葉にはなりません」(2020/5/9 15:03 Techinsight)って( ̄д ̄)! “彼”は運河に落ちた子どもを助けてくれたわけで、「世界中のお金や贈り物をもってしてもお礼の言葉にはなりません」か、「…をもってしても感謝を伝えるには足りません」か、でしょ。
 「余命宣告はあまりにも衝撃的で、私は悲願に暮れていました」(2021/5/8 22:50 Techinsight)と「『母は刑に服すべき』と語る娘と悲願に暮れる母」(2023/4/4 21:00 Techinsight)は同じライターで、「悲嘆に暮れる」のはずが間違えて覚えてしまっているようです。これに気づいて教えてくれる人は周囲にいないのか?
 「世の中にはむやみに踏み入れてはいけない土地がある」(2023/6/3 liBae)って、何を踏み入れるんだ? 「はいる」ではなく「いれる」ですよね。リスクを承知で入るというニュアンスの「足を踏み入れる」でしょ! そういえば、「むやみに足を踏み入れてはいけない土地」を「禁足地」なんて言いますね ( ̄ー ̄)。
 「最低な面接官に遭遇→暗雲が立ち込めるが社長の登場で形勢逆転」(2023/6/19 CoordiSnap)、「名護市では久々に暗雲が立ち込め、カタブイが発生した」(2023/9/4 11:41 琉球新報)、「絶好調W」(北陸放送 2023/9/6)の「暗雲が立ち込める中」というナレーション、「暗雲が垂れ籠める」でしょ!
 「めざまし8」(2023/8/7)で「低いところまで立ち込めて」と言った天達さん、雲ですよ、雲。ずーっと前から「垂れ籠めて」と言うべき場面で「立ち込めて」と言っています。たまに「垂れ籠めて」と言うこともあるので「垂れ籠めて」を知ってはいるようですが、つい「立ち込めて」と言っちゃうんですね <( ̄д ̄)>。
 「世界!オモシロ学者のスゴ動画祭」(2023/8/22)で聞いた「こともあろうか、くっついて巨大化してしまった」というナレーション( ̄д ̄)! 「こともあろうに」もしくは「あろうことか」でしょ。よく知らないけど聞いたことがある、そんなフレーズを使うときは一度ちゃんと確かめよう( ̄_ ̄)。
 「観るに堪えられない動画付き 40万ドルのフェラーリF8トリブートが炎上…」(2023/9/19 15:50 AutoBild Japan)は「見るに堪えない」か、いや、これは「見るのがつらい」でしょ。「どれも見るにたえられないものばかりです」は「報道ステーション」(2023/10/9)で聞いたナレーション( ̄д ̄)! 「見るに堪えない」でしょ!
 「いろいろ聞いていましたけど、これほどまでとは…」(2023/10/21 10:00 FRIDAY DIGITAL)って( ̄" ̄)。2030年札幌冬季五輪招致から撤退せざるをえないという失態、日本オリンピック委員会はお膳立てをしてもらわないと何もできない組織、という話ですが、「これほどとは…」ですよ。
 「羽鳥慎一モーニングショー」(2023/11/2)で住宅ローンの話をしているときに「耳かっぽじって聞きます」と言った結城東輝 弁護士 ( ̄ー ̄)。「そこまで言って委員会」のナレーションと「緊急取調室」というドラマのセリフにもありました。でも、ほじるのは「耳の穴」ですよ。
 「プロのプロセス」(Eテレ 2023/12/25)で“プロのプレゼン”をした女性が「だから、いいことづくし」と言いました( ̄д ̄)! 「いいことづくし」のスプレッダーは三上真史なので園芸ファンに影響を及ぼしたであろうと思いますが、これで10代の人たちに「いいことずくめ」と言えない人がどっと増えますよ <(`^´)>。
 「きょうの料理」(2024/2/5)で「いいことずくめの豆腐レシピをご紹介します」と言った安藤佳祐アナd(⌒・⌒)good。「漫画家イエナガの複雑社会を超定義」(2024/2/9)で「いいことずくめ!」と言ったイエナガ(町田啓太)d(⌒・⌒)good。もっと言ってぇ!
 映画「イチケイのカラス」(脚本 浜田秀哉)をテレビで見たのですが、月本弁護士(斎藤工)が「表にならない事件のほうが多いんだ」と言ったのですよ。前にもありましたね、似たようなセリフが・・・、「これは表にできない金、盗んでも、正式に被害届が出せない」ですよ。
 「イチケイのカラス」#6(脚本 浜田秀哉)(2021/5/10)で聞いた窃盗犯の岸田(バカリズム)のセリフです。どうやらこの脚本家は「表に出ない」「表ざたにならない」「表に出せない」といった表現を知らないようです。「明るみに出る」なのに「明るみになる」と言うのと似たパターンですね。
 「奇跡体験!アンビリバボー」(2024/1/24)で聞いた「力を振り絞り、道路を渡り抜きました」というナレーション( ̄" ̄)。「~抜く」は、「やり抜く」とか「耐え抜く」とか、ですよ。簡単なことではなかったとしても、道路を横断するくらい「道路を渡り切りました」でしょ。場面に合うか合わないか考えないと( ̄- ̄)。

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