◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「動かせられる」って?

2010-06-30 20:42:31 | 気になる言葉、具体例
                          クルミ一つで持ち上げられるのだ
 職場で「並び替え」を連発するA君(例の若者)、エクセルの「データ」のプルダウンメニューには「並べ替え」と書いてあり、A君はそれを毎日見ているはずですが、やはり「並び替え」と言っています。・・・と書いている最中に「並び替えたらどうなるか」というナレーションが。( ̄д ̄)ダラケッ!
 最近は「並べ替え」もよく見かけるようになったのに、なぜ「並び替え」のままなのか。たまたま先に「並び替え」が脳にインプットされ、それが正しいかどうかなんて気にしたことはない、だから、その後「並べ替え」を何度目にしようと、「並び替え」が間違いかもしれないとは思わないのでしょう。いや、むしろ「並べ替え」を間違いだと思っているんじゃぁ・・・新人類様だし・・・( ̄~ ̄)?
 A君との会話でやはり「並び替え」と言うBさん(この人も例の若者)は自分のことをKYだと言っていたのですが、たまたま彼女のやった仕事をチェックする機会があり、全く同じパターンの誤りを延々と繰り返しているのを見て妙に納得しました。A君は絶対的自信を持っているから、Bさんは気づくという感覚が鈍いから、結果として「ひょっとして違うんじゃないか」と全く思わないのですね。
 さて、そのA君が「動かせられる」と言うのを聞きました。やはり「並び替え」だけじゃない、これからもいろいろ出てきそうですが、なにしろ本人に直す気がないから・・・。そして、その日のうちに、今度はテレビで「選べられる」とだれかが言ったのを聞きました。もうすでに想像を超える範囲に広がっている?<(`^´)>ウンムゥ
 そういえば、巨大な餅を持ち上げるという行事をテレビで紹介していたとき、「男性でも持ち上がらないくらい」と一般女性が言ったのですが、テロップは「男性でも持ち上げられないくらい」となっていました。う~ん( ̄・ ̄)? これは「男性の力をもってしてもこの餅は持ち上がらない」ということですからそのまま「持ち上がらない」と書けばいいわけで、わざわざ書き変えることはないですよ。ま、気持ちは分かります。
 「動かせる」「選べる」が自然に出てくる人は幸いです。「並び替え」を変だと感じる人は幸いです。先日、Bさんに「並べ替え」が正しいのだと言ったのですが、その数日後にまた「並び替え」と言ったので、再び「並べ替え」だよと言いました。Bさんは、直す気がないわけではありません。「あ、ほんとだ、気をつけます」と言うのですよ、言うのですが、直らないのです。やはり言っても無駄なのでしょうか?
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“何でも名詞化”「非常に大きな影響をするので」って?

2010-06-27 08:27:49 | 気になる言葉、具体例
                                    大統領かっ
 いやぁ、ちょっと飽きてきましたね、でも、“何でも名詞化”シリーズ最終回ですから、まぁ読んでください。(~_~;)「非常に大きな影響をするので」は、アナウンサーか文化人か、はたまた一般の人か、それは覚えていないのですが、“何でも名詞かっ”どころではない、様々な問題を含む言い方です。
 「影響」に続ける言葉としては、「~がある」「~を受ける」「~を及ぼす」「~を与える」などがありますが、世の中で「与える」はちょっと使われすぎていますね。「損害を与える」ぐらいはいいですが、「混乱」「貢献」「暴行」「攻撃」に「与える」と続ける人がいるのは許せません。ちなみに、H・Y氏は「ご迷惑をお与えする」なんて言っていました。
 それに、「与える」なんて言うから、「影響する」という意味のつもりで「影響力を与える」なんて言ってしまうのです。いいですか、「影響力を与える」という意味ではなく、「影響する」という意味で「影響力を与える」と言っているのですよ。明らかな誤りなのですが、言っている本人は全く気づかない、こういう人が何人もいます。小倉智昭もその一人です。
 「非常に大きな影響を」と言ったのなら「及ぼすので」と続ければいいわけで、「影響をする」は誤りですが、「及ぼす」が出てこなかったのでしょう。ある単語に最も合う単語を選択できない、多くの日本人がそうです。私だって、合う言葉が出てこないことはあります。でも、言ってから、違うと思ったら言い直します。
 そもそも「非常に大きく影響するので」と言えば済む話なのですが、「非常に大きな影響」という、まるで何かの見出しのような、あるいは、カンペに書いてあるのを読んだような、最後が名詞の形でそのまま言おうとするから墓穴を掘るのです。とにかく長い、ごてごて、かと思えば、何か言葉が足りない、最初は長かったのをところどころ削除して短くしただけ、それで変になっても気にしない、このどちらかです。簡潔で分かりやすい日本語はどこへ行った?┐( ̄д ̄)г
 ところで、「ジャガイモを長く保存させる方法は?」なんて、CMで繰り返し聞かされていますが、「保存する」が正しいのですよ。これでまた何万人、何十万人、いや、何百万人の若者が誤りを脳にインプットされるのか・・・。「保存する」と考えなくても出てくる私たち(40代以上)ですが、30代以下の人たちのおかしな日本語を修正するのはもう無理なのでしょうか?
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“何でも名詞化”「腐敗につれガスが発生する」って?

2010-06-23 20:35:38 | 気になる言葉、具体例
                                     no more
 はい、まだ続いてるんですね、“何でも名詞化”、いや、今回も“何でも名詞かっ”ですが。「腐敗につれガスが発生する」は、本当は「腐敗するにつれガスが発生する」なのですが、テレビ番組のナレーションは「腐敗」、名詞です。
 「~につれ(て)」は、ある状態が進むと一緒にまた別の状態が生じるということで、「日がたつ」「上昇する」「作業が進む」「完成に近づく」「成長する」など、時間や位置、状態が変化しつつあることを想像できるような言葉に続けます。「腐敗」と言い切ってしまうとその過程が想像しにくく、それならそれで「腐敗してガスが発生する」と言えばいいわけで、わざわざ「~につれ」と言う意味がありません。ここはやはり「腐敗するにつれ」もしくは「腐敗が進むにつれ」と言うのが分かりやすい日本語というものです。
 それから、「停電をいたしております」「タイとカンボジアを旅行をした」「材料に細工を入れる」「感染を受けていないか」「○○さんは8月ごろからつきまといを受けるようになった」「基地との共存をしてきたこの町に」というのを聞いたり見たり、こういう例はけっこうありますね。特に「感染を受けていないか」は変です。「感染」とは、病原体が体内に入ってくること、ほかのものの影響を受けて染まること、ですから、そこへまた「受ける」と続けるのは誤りですね。
 ぱっと出てきた名詞に無理やり言葉を続けていますが、普通の日本語は、「停電いたしております」「タイとカンボジアを旅行した」「材料に細工する」「感染していないか」「○○さんは8月ごろからつきまとわれるようになった」「基地と共存してきたこの町に」です。これが生の話し言葉だけなら、ま、そういうこともあるさ、と思えるのですが、そうではないから気持ち悪いわけですよ。┐(´д`)г

 4月24日に声が出なくなって、5月いっぱいほとんど声が出ず、( ̄_ ̄) 今はどうかというと、どうにか目の前の人と会話できる程度には声を出せるようになりましたが、何とも汚い声です。やだよ~~~。o(`д´)o この半年間、CD1枚聴く暇もなく、聴く気も起きませんでしたが、この前の日曜日、久しぶりにCDをかけてみました。THE VINESですよ。ビートルズとライトニングシーズが好きなのですが、今の気分はこれ。「TAKE ME BACK」、ふふ~ん(~・~;) 歌詞カードを虫眼鏡で見ながら、この声で、歌ってみました。
 Take me back to the weather
 Bend the tracks wish forever
 Take me back for I go down there no more (・o・)出ない・・・no moreの音が。
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“何でも名詞化”「間違いしてたってこと?」って?

2010-06-20 08:54:20 | 気になる言葉、具体例
                                  うちの決めです
 これも“何でも名詞化”なのですが、“何でも名詞かっ”と書いたほうがいいような例です。年配のタレントが「今までずっと間違いしてたってこと?」と言いました。こういうのはときどき聞きますね、「何度も念押しして」だとか、「気負いせずに魚料理に取り組めます」だとか、(ーー;) おかしいでしょ?
 普通は「今までずっと間違っていたってこと?」「何度も念を押して」「気負わずに魚料理に取り組めます」と言うものですが、「間違い」「念押し」「気負い」という名詞をあえて使うわけです。「念押しして」はまだいいですよ、気持ちは分かりますが、「間違いしてた」はおかしいですよね、「気負いせずに」はもっとおかしいですよね。こういう名詞化も増えつつあります。
 あ、そうだ、前回、「途切れること」を「途切れ」とは言えないと書きましたが、「途切れ」を名詞として載せている辞書がありました。ということは、「言えない」ではなく「言わない」、これも“何でも名詞かっ”ですね。「途切れなく」「割れなく」「決めなく」「替えなく」・・・う~ん、「違和感なく使える言葉」ではないような気がします。そのうち「冷めなく」とか「消えなく」とか・・・ないか(~_~)?
 でもね、先日、msnのトピックスに「エコウィークを言い間違えで女子アナ赤面」というのがあったのですよ。「エコウィークを言い間違えて女子アナ赤面」が正しいわけですが、「で」のせいで一瞬「言い間違え」が名詞のように見えて、「言い間違え」なんて名詞はないぞと思ったのですが、う~ん、どうでしょぉ~(~_~;)、これを書いた人は「言い間違え」を名詞だと思っているんじゃぁ・・・?
 ところで、けっこうちゃんとしゃべるなぁと思う落語家(6代目さん)が、先日、「あと30年以内に震度7以上の地震が」とか言うのを聞いてしまい、がっかりしました。5月16日に「あと数時間後に」という例を挙げて書きましたが、今度は「あと~以内に」ですよ。でも、もっとすごいのを聞きました。「それが、あと8か月前にできていれば」って・・・( ̄ ̄)・・・「あと(後)」を何だと思ってるんですかね。
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“何でも名詞化”「途切れなく」って?

2010-06-16 20:19:03 | 気になる言葉、具体例
                                とまれね、はいはい
 “何でも名詞化” 変な「~ずに」から派生したような、「~ていなく」も関係ありそうな、妙~な名詞化。本当に何だかよく分からない、みょ~~~な名詞化としか言いようのない例なのですが、「途切れなく続きます」という言い方について考えてみましょう。
 ~ずに、~ないで、~ず、~なくて、~なく、この区別をちゃんとできますか? 「めざましテレビ」と「とくダネ!」のスーパースプレッダーが毎日のように誤った言い方をしていますから、区別できる人はもうほとんどいないのではないかという気がしているのですが、NHKのナレーションで「歌は次々に途切れなく続きます」なんていうのを聞くと、“気がする”どころじゃないのではないかと思います。(-_-;)
 途切れる、増える、消える、冷める、見える、もめる、割れる、いる、着る、起きる、これ全部「~なく」と言ってみてください。・・・(~_~)・・・何か足りないような気がしませんか? 「やむをえなくやりました」「店が営業していなく」「友達は一人もいなく」「電気もついていなく」「日本ではまだ保険が適用されていなく」というあほな言い方をときどき聞きますが、「~なく」の後に「て」と続けなければいけないのですよ、「途切れなく」なんてありえません。
 また、「東京が選ばれずに本当に残念でした」と言う人は、「~ないで」と「~なくて」も区別できないようで、大抵「東京が選ばれないで本当に残念でした」と言います。正しくは、「東京が選ばれず、本当に残念でした」であり、「東京が選ばれなくて本当に残念でした」です。一つ誤ると関連して広がりますから、その結果が「歌は次々に途切れなく続きます」なのではないでしょうか。
 まず、「次々に」は不要なので省きます。そして、「続きます」と言葉を続けたいなら、「途切れずに」もしくは「途切れないで」、あるいは「途切れることなく」です。「途切れなくて」でも「途切れなく」でもありません。「なく」と言っていいのは「途切れること」と言ったときだけ。「途切れること」が「ない」、だから「なく」と言えるのです。ようやく話が“何でも名詞化”に近づいてきました。(^^;ゞ
 「途切れなく」は、「途切れ」が「なく」と言っているような感じもしますが、「途切れること」を「途切れ」とは言えませんね。なのに、「~なく」をよく耳にして慣れてしまい、「途切れ」を名詞のように扱った「途切れなく」という中途半端な言い方をついしてしまうのでしょう。先日、勤務する会社の社員さんが書いた文章の中に変な「~なく」があるのを見ましたから、すでにだいぶ広がっています。┐( ̄д ̄)г
 ※続き(訂正、再考)がありますので、次回(6月20日)の記事も必ず読んでください。
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“何でも名詞化”「お見せをさせる」って?

2010-06-13 08:58:00 | めちゃくちゃな敬語
                                   頂きたいです
 “何でも名詞化” 「を」さえ入れれば何でも名詞、自由自在。「お答えをさせていただきます」「お会いをさせていただきたい」「ご覧をいただく」「お見せをさせてあげる」、こういう言い方について考えてみましょう。これは、どちらかというと年配の人、特に政治家が好む言い方なのですが、ひどいですね、日本語として成立していません。
 「お答えをさせていただきます」は、「お答えいたします」もしくは「答えさせていただきます」、「お会いをさせていただきたい」は、「お会いしたい」もしくは「会わせていただきたい」、「ご覧をいただく」は「ご覧いただく」です。
 「お見せをさせてあげる」は、要するに「見せる」ということなのですが・・・、「見せる」→「お見せする」、「見せてあげる」→「見せて差し上げる」、「見させる」→他人に何かを「見させる」というのは・・・、「見ていただく」とか、「ご覧いただく」とか、別の形で言うしかないわけで、間違っても「お見せをさせてあげる」とはなりませんね。
 あ、そうだ、「見せる」といえば、街頭インタビューに答えた一般女性が「国民のかたがたに見せてくれた」なんて言いましたよ。どう見てもこの人は日本人、ということは、この人も日本国民の一人ですから、自分を含む「国民のかたがた」はおかしいですね。何でも敬語にすればいいというものではありません。
 ニュースを見ていると、「幹事長ともご相談を申し上げながら」だの「よろしくお願いをいたします」だの「皆様がたのお力でもってお作りをいただきたい」だの、「反省をしてございます」だの、続々と聞こえてきます。こうなると、本当にそう思って言っている自分の言葉というより、他人に聞かせることだけが目的の単なるセリフですね。
 ところで、話は変わりますが、真っ黒ソフト社の更新って勝手なことをあれこれしてくれますよね。日本語変換がいつもと違う動きをして変だなぁと思ったら、ナチュラルインプットになっていました。私はスタンダードに慣れているのですぐに直しましたが、おかしいなと思いながらそのことに気づかずそのまんま、という人もいるのではないでしょうか。青い○がナチュラルインプット、赤い○がスタンダードですよ~。(⌒・⌒)
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“何でも名詞化”「お願いされた」って?

2010-06-02 21:55:10 | めちゃくちゃな敬語
                                  帰れま10かっ!
 “何でも名詞化” とりあえず頭に「ご(お)」を付ける、名詞っぽいから後に続ける言葉は何でもあり、敬語の定型なんて関係なし。「お迎えしていただく」「ご用意していただく」「お話ししていただく」もそうだと言えますが、大体ねぇ、とにかく「ご(お)」を付けりゃぁいいっていう感覚がいけません。最悪の見本はH・Y氏ですね、「安心してお暮らしできるように」だの「ご混乱を招いてしまった」だの「政府からのご提案を」だの、めちゃくちゃです。
 あ(~o~)、はいはい、名詞っぽいから後に続ける言葉は何でもあり、でしたね。「安心してお暮らしできるように」「ご利用できません」「お持ち帰りできます」「どうしてもってお願いされたんで」「お薦めされたのが」「お試ししていただく」「○○カードでお支払いするとポイントがつくので」、こういう言い方があるのですが、これについてちょっと考えてみましょう。
 「安心してお暮らしできるように」と「ご利用できません」については2009年9月2日の記事に書いてありますから、もういいですね。「お持ち帰りできます」はすでに定着してしまっていますね、完全に「お持ち帰り」+「できます」ですが、本来の形はもちろん「お持ち帰りになれます」ですよ。
 「どうしてもってお願いされたんで」は「相棒」の中で水商売の女性が言ったセリフです。見た感じとセリフが合っていたので、ま、これはこれでしょうがないかなぁと思ったのですが、これをサラリーマンが会社で言ったらどうなるか。「取引先からどうしてもってお願いされたんで断りきれなくて」なんて変ですよね。普通は「取引先からどうしてもと頼まれて断りきれなくて」でしょ。大人なら「頼まれた」です。
 「お薦めされたのが」も、4月14日に書きましたからいいですね。「お試ししていただく」は、ピンと来た人がいらっしゃるかもしれませんが、「お試し」という言葉を最近よく聞きますから、これはもう完全に「お試し」+「していただく」という感覚ですね。本来は「お試しいただく」もしくは「試していただく」ですけれど。
 「○○カードでお支払いするとポイントがつくので」の「お支払いする」は謙譲表現ですが、○○カードを他人に薦めていたので「○○カードでお支払いになれば」と言うべきところです。これも「ご(お)」の魔法ですね、「お支払い」+「する」でいいと思っているのですから、ガキです。経済評論家だか何だか知らないけれど、敬語をしゃべれないなら「○○カードで支払えば」と言いなさ~い。o(`д´)o

 ※6月6日(日)、9日(水)、更新を休みます。
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