hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

口の紙

2006-10-14 07:40:04 | sax関係
サックス吹きのほとんどの人が、下の歯に紙をかぶせていると思う。
最近はクラリネットの人もかぶせている人が多いそうだ。

とはいえ初級の段階では、アンブシュアの感覚を覚えるために、やっちゃダメと教わった。
私もそれを知った当時は酒やタバコと同様、これも大人のたしなみなのかと思ってしまった。
他の楽器でも、例えばヴァイオリンの顎当て、肩当てにハンカチのような布を敷くなどしている。
やはり初級の段階では感覚を覚えるためにあまりやらないのだそうだ。
ヴァイオリンの場合は楽器が滑り落ちてしまう危険性もあるため、正しい姿勢や力加減は重要なようだ。

話しを戻し、サックスの口の紙は下唇の負担を軽くするためなのだが、本来ならばあぶら取り紙に頼るほど噛んではいけないのだ。
しかしながら、大音量が求められる状況や、とても高い音や長時間練習を強いられる難曲など、きれいごとばかり言っていられないのが現実だ。

私ももちろんあぶら取り紙に世話になっているが、私は中学生の頃、後輩から教えてもらったのがきっかけで、当初猛烈な違和感と吐き気が襲ったのを覚えている。
当時、厚めのマウスピースパッチを貼っていたこともあり、上の歯も下の歯もえも言われぬグニャグニャな感覚があった。
ただ下唇の負担が軽くなったのも事実で、高校卒業するくらいまで、つけたり外したりしていた。

そのとき感じたのが、紙をかぶせたときと、かぶせていないときでは吹き心地や音色も変わるのだ。
紙をかぶせることにより、下唇が少し肉厚になるので当然だが、今ではその紙の厚さにも変化をつけている。
求められる音色により、あぶら取り紙を4回折るときもあれば5回のときもあり、また付けないこともある。

それだけでも大分変わる。

また現代曲で、フラジオや難しいムルティフォニックを長時間練習しなければならないときなどは、紙を2~3枚重ねることもある。

今では、楽器店で特殊素材の物も売られているようで、機会があれば試してみたい。

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