虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

施政方針演説に沈黙するメディア

2013-03-02 | 新聞・テレビから

昨日の新聞だけど、書く。
昨日の社説、施政方針演説。

安部氏の姿勢方針演説は全文、紙面に載っていたが、なんだか怪しげな健康食品の効能書きみたいで、内容のない空疎なものだった。

その社説もまたご同様、空疎な内容。例年、施政方針演説にはなんらかの批判をしたり、少なくとも、その言葉使いを揶揄してみせたりするのだが、批判はなし。「いずれも異論はない」と来る。
ただ、どれも難題である。だが、野党も答えを持ち合わせていない。国会論戦を通じて、より良い解決を見いだすしかない。「与党も野党もしっかり仕事をしよう」と結ぶ。見出しは「さ、仕事をしよう」だ。ふざけてると思わないか?

この国の大メデイアはかなり危ない。
安倍政権が誕生してから、メデイアは、しきりに「順調なすべりだし」「安全運転」「絶好調」などとおだて、できるだけ安倍政権の批判記事を書かなくなった。

おそらく、参議院選挙で、安倍政権が安定するまで協力するつもりなのかもしれない。選挙が終わったら、メデイアは批判を開始するのか?もちろん、ノーだろう。今から、参議院選挙後の政権(世の中)を見すえて、安倍政権側のメデイアとして生き残りをはかるつもりだろう。

安倍政権というよりも、大企業・富裕層・強い者中心の政権だ。ジャーナリスト精神などは利益にはならないが、強権の側についた方がメデイア企業としては、きっとさまざまな利点があるにちがいない。

安倍首相は施政方針演説で、福沢諭吉を引用した。「一身独立して一国独立す」だったか?諭吉は、地下で嘆いているにちがいない。強い者に弱く、弱い者に強く出る、江戸期の日本人の独立性のなさを最も痛烈に批判したのが諭吉だ。

しかし、今ほど、子供から大人まで、社会のあらゆる場面で、強い者に弱い日本人はかつてなかったのではないのだろうか。これから、強い者にこびへつらう者たちが(その代表のひとつがメディア)ますますいばりちらす時代になる予感がする。いじめは、子供の世界だけではない。日本全体に広がる。