らんかみち

童話から老話まで

童話公募を目指す者たちは敵なのか、それとも戦友なのか

2010年03月01日 | 童話
 腰をいわして半死半生の御身でありながら、お師匠さまはこの四月から大阪で童話講座を新たに開講なさる由。なんというタフネス! 死に急ぐかのような……もとい、生き急ぐかのような八面六臂のご活躍ぶりには舌を巻くばかりです。
 
 ああしかし、ほどほどになさった方がよろしいんじゃございませんか、と心配したくもなるのは、ぼくも腰椎の椎間板ヘルニア(髄核の飛び出しで神経が圧迫される)を患っているからです。
 ぼくの場合は軽症とはいえ、各方面から「絶対に治らん」と釘を刺されています。悪化することはあっても好転することはないし、麻痺が起きたら6時間以内の手術が必須とも聞かされております。

 そんなおり「天啓のリーディング」とやらで、上の姉から「マッケンジー体操をやったら吉」との御託宣をいただきました。
 マッケンジー? 古くは歌手の新沼謙治さんや、バイクレーサーのニール・マッケンジーさん。新しくは阪神タイガースの城島健司選手ですが、こちらはニュージーランドの理学療法士、ロビン・マッケンジーさんのことらしいです。
 氏の創案された腰部を伸展させるエクササイズとは、俯せになった状態から手をつき、上半身を逆エビ反りにして1~2秒静止するという単純なもの。
 この体操が効くかどうかは別として、姉の御託宣には必ず「神秘体験、超常現象」といったキーワードが付属しているので、眉に唾をつけながら本屋に走り健康関連の月刊誌を買いました。
 
 その本によると「マッケンジー体操でその日に腰痛が治った。ニンニクオイルで体調が回復した」等々、どこからどこまでが記事でどこからどこまでがPRなのか判読に苦しむ構成じゃないですか。もしかしたら全てがPRだったりして、などと疑いつつも付録の腰枕に空気を入れながら体操をしました。
 その結果、電気パルスのようにピシピシと、ふくらはぎを伝う刺激が軽減した気がします。痺れは改善してませんが、悪化もしないから少しばかり続けてみようと思ってます。
 
 童話作家を目指すあさぎさんもギックリ腰に苦しんでおられるとか。マッケンジー法はギックリ腰にも効くらしいのでお勧めしたい。ただこういったものは自己責任で実施していただき、腰痛が悪化しても当方は一切関知しないことを誓うとともに、ライバルが減ってくれたらうれしいので、塩を贈るふりして毒を贈れたなら、してやったり。
 
 お師匠さまにおかれましても、これ以上のライバル養成に待ったをかけていただくとともに、ご自愛なさっていただきたくマッケンジー法を推させていただこうかな。いや違うがな、お師匠さまの弟子はすなわち兄弟弟子。兄弟子のぼくが弟や妹を呪ってどないすんねん! 
 
 例の健康雑誌ですが、「20年も苦しんできた持病がたちどころに改善した。立てなかったのに走れるほどに回復した」と、バラ色の体験談で埋め尽くされているばかりか、「仏さまの絵を見ることによって安らぎを感じ、それが治癒につながる」と、美しい観音様の絵が付録に付いているじゃないですか。
 読んでいると姉の話を聞いているみたいなカオス感を覚え、腰枕だけいただいて、すぐさま料芸クラブのママさんにあげました。今はあの本を読むであろうママさんの健康を祈っております。