らんかみち

童話から老話まで

阿久悠の世界、良かったなぁ

2008年08月17日 | エンタメ
 NHKの「作詞家 阿久悠の世界」を観て、桜田淳子、山口百恵、森昌子さんたちと同い年のぼくとしては、もう胸キュンのひとときでした。
 子供心をときめかせたあの曲も、青春時代の切ない気持ちをを慰めてくれたそれぞれの歌は、みんな阿久悠さんの作詞だったんですね。5000曲の詩を書いたなんてほんとにすごい人だったんだなと思います。
 
 紅白歌合戦を中心に構成された懐かしい曲々を聴いているうちに、今の歌手がどれほど歌唱力があるのかを思い知らされます。でも仕方ないですよね、終戦が1952年で、阿久悠さんが活躍し始めたのはそれから20年しか経ってない時代なんです。あのころの歌唱力が今より劣っていたからといって、世界に通用する歌手が輩出される今は、あの時代を経ずしてあり得ないと思うんです。
 
 ずっと番組を楽しんでいるうちに、良くぞ5000曲も作詞したもんだなと感心する反面、阿久悠さんの詩ってぼくらの世代以降にも残るんだろうか、という疑問が沸いてきました。
 確かに阿久悠さんの詩は世相を映し出してぼくらの心を捉えて熱狂させてくれた名曲ばかりですが、詩として自立した普遍性を持っているのだろうかと考えたとき、急に不安になってきました。
 
 同じ時代か少し後の井上陽水さんの詩は、もしかしたら詩集として100年後まで出版され、読まれ続けるかも知れません。その理由は、彼の詩が時代を映し出してなおかつ、時代を超えた普遍性とオリジナリティーを持ち合わせているからだといわれています。
 
 阿久悠さんと同じように新しいものを紡ぎ出していながら、陽水さんの詩がどうしてそんなに高く評価をされるのかぼくには良く分かりません。でも時代に迎合して反映しながら、当代の人々を楽しませてくれた阿久悠さんの詩は、ぼくたちの世代だけの宝物として墓場まで持って行きましょう、そうであってほしい、なんて思うんです。
 最後の曲「時代遅れ」良かったなぁ、あれぼくのテーマソング、持ち歌にしたいな。