華流ドラマの日本語訳がおかしい割合はその逆(日本のドラマの中国語訳)よりもずっと高いと思うのは私一人ではなかったこと、この間生徒さんとの雑談で判明した。
そうなる原因は、日本語の漢字は用法がガチガチに固まっているので、日中辞典を調べればほぼ突き止められる。それに対して、中文の漢字は一文字一文字が独立して、話者の「DIY」でどんどん組み合わせが生まれていく。そのため、辞書に載ってない表現(スラング、または一時的に作られたもの)だらけで、翻訳者が日本人だとお手上げ状態。
だけど、この間見た華流ドラマ、「ちゃんと調べたら絶対載ってるのに!」の仰天な訳があった。Aという女の子がいて、Bという男の子の事が好きなのに言えずに悩んでいた。Cという男の子はAのことが好きで、いつもAにやさしく肩を貸している。ある日、Aがまた悩み事でCのところに来て、雨に濡れた髪を拭いてもらったり、食事の世話をしてもらった。
Cに気がないのにいつもやさしくしてもらってるAが、Cに申し訳ないと思いこう言った。「{イ尓}対我這{ノム}好、我要zenme報答{イ尓}?」(そんなにやさしくしてくれて、どう返したらいいの?)Cが答えた「以身相許」。
字幕:「体で返す」......。
はぁ~っ!?イスから転び落ちそうになった。
「以身相許」yi3 shen1 xiang1 xu3は「将来を託す事を承諾する」、要は「結婚を約束する」の古風で控えた美しい表現なのに、あれじゃ、Cはただのスケベじゃない!
変わり解釈をし「体を許す」と言えなくもないが、少なくともCはいつもの優しい顔で、スケベそうに言ってなかった。
変訳、コワいコワい!
華流ドラマの日本語訳は、変訳だけじゃなくて訳出されずに省略された会話もいっぱい。ぜひ本当のところを自分で確認したいものだ。
注音符号&台湾繁体字の先生を探してる方へ 台湾人による中国語教室T-Chinese