能『朝長』の脇は、福王流は御傳(おんめのと=朝長の養育係)と名乗りますが、今回お勤めいただきます下掛宝生流の森 常好氏は、御乳母子(おんめのとご=お守り役の子)と名乗られます。
養育係と養育係の子、では朝長との関係が微妙に違ってきます。
後者の方が、
「昔一緒に暮らし遊んだ朝長が・・・」
と、より悲しみが深くなるのではないでしょうか。
能は通常、通りすがりの僧が、死後苦しんでいる霊が仮の姿でこの . . . 本文を読む
能『朝長』は、嵯峨清涼寺の僧(脇)が朝長を弔うために、美濃国・青墓に向かう、と名乗るところから始まります。
僧達は勢田の長橋、鏡山、老蘇の森 、伊吹山、不破の関を通り青墓の宿に到着します。
舞台は最初は京都ですが、3.4分の謡で場所は美濃国青墓、朝長のお墓の前と変わります。
今、新幹線「のぞみ」で、京都から岐阜県大垣市まで移動するより、はるかに早いです(笑)
そこに、青墓の長者(前シテ)が現れ . . . 本文を読む