能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

能『朝長』のご紹介 その4

2020-02-12 11:29:16 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
能『朝長』の脇は、福王流は御傳(おんめのと=朝長の養育係)と名乗りますが、今回お勤めいただきます下掛宝生流の森 常好氏は、御乳母子(おんめのとご=お守り役の子)と名乗られます。 養育係と養育係の子、では朝長との関係が微妙に違ってきます。 後者の方が、 「昔一緒に暮らし遊んだ朝長が・・・」 と、より悲しみが深くなるのではないでしょうか。 能は通常、通りすがりの僧が、死後苦しんでいる霊が仮の姿でこの . . . 本文を読む

能『朝長』ご紹介 その3

2020-02-12 11:19:00 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
能『朝長』は、嵯峨清涼寺の僧(脇)が朝長を弔うために、美濃国・青墓に向かう、と名乗るところから始まります。 僧達は勢田の長橋、鏡山、老蘇の森 、伊吹山、不破の関を通り青墓の宿に到着します。 舞台は最初は京都ですが、3.4分の謡で場所は美濃国青墓、朝長のお墓の前と変わります。 今、新幹線「のぞみ」で、京都から岐阜県大垣市まで移動するより、はるかに早いです(笑) そこに、青墓の長者(前シテ)が現れ . . . 本文を読む