能楽・喜多流能楽師 粟谷明生 AWAYA AKIO のブログ

能楽師・粟谷明生の自由気儘な日記です。
能の世界も個人の生活もご紹介しています!

能『朝長』ご紹介 その3

2020-02-12 11:19:00 | 能はこうなの、と明生風に能の紹介
能『朝長』は、嵯峨清涼寺の僧(脇)が朝長を弔うために、美濃国・青墓に向かう、と名乗るところから始まります。
僧達は勢田の長橋、鏡山、老蘇の森 、伊吹山、不破の関を通り青墓の宿に到着します。
舞台は最初は京都ですが、3.4分の謡で場所は美濃国青墓、朝長のお墓の前と変わります。

今、新幹線「のぞみ」で、京都から岐阜県大垣市まで移動するより、はるかに早いです(笑)

そこに、青墓の長者(前シテ)が現れます。長者が謡いながら正面席の方向に着座して合掌しますが、その時ご覧になる皆様には、拝んでいる正面席の真ん中前方あたりに小さな朝長のお墓がある、と想像していただきたいのです。
そして長者は、脇座にいる僧に向かい

「何故、泣いているの?」
と、尋ねますが、その時、僧は特に泣いているような演技はしていません。
皆様には
「泣いているの?」
の謡を聞かれて
「泣いているんだ!」
と、想像していただきたいのです。



能は謡(詞章)により情景や状況をどんどん変化させます。
動きの少ない、退屈しちゃう能ほど謡で舞台は進行します。
粟谷能の会では能をご覧になる前に、事前に現代語訳を記載した冊子をお渡ししております。
是非、ご覧になる前にお読みいただきたく、ご案内申し上げております。

今回、ご鑑賞頂けない方にも、冊子をご希望の方には、無料でご提供させていただきますので、ご興味ある方は下記までお申し込み下さい。
以前に朝長のお墓にお参りして来ました時の事を写真探訪にてご覧頂けますので、こちらもアクセスをよろしくお願い申し上げます。

こちら粟谷明生の写真探訪にて朝長のお墓がご覧になれます。

粟谷明生事務所
noh@awaya-akio.com


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