今までフィリピン国鉄(PNR)の話題を中心に述べましたが、本日からマニラ首都圏を走るLRTやMRTの話題を述べていきたいと思います。
まずはマニラ首都圏を南北に縦貫するLRT1号線の話題を少々提供したいと思います。このLRT1号線はマニラ首都圏の南側にあたるBaclaranと北側にあたるMonumentoまで約15kmを約30分で結んでいます。開業は1984年と他のLRTやMRTよりも最も古く、1985年には全線が開業しましたが、その後、Cavite方面のBacoorまでのSouth Extension部分は計画されているものの未だに着工されていないようです。一方、Monumentoから先のNorth Avenueまでの約6km部分につては当初MRT3号線として開業する予定でしたが、どのような経過でそのようになったのかLRT1号線のNorth Extension部分として開業する予定で、North Ave.(SM North Ave.)までの開業予定時期は今年の6月のようです。
次に車両の紹介ですが、開業当初に投入された車両はベルギー製の車両で、BNもしくはFirst Generationと呼ばれ、1LRVが3両で構成され、基本的に1編成が3LRVで組成されています。また、1編成3LRVのうち真ん中のLRVは運転席がありません。この形式は合計63LRV、21編成が在籍し、1000番台の番号が付されています。当初は色が肌色+オレンジ+臙脂色で非冷房でしたが、2003年から2005年にかけて冷房装置が設置され、色も写真のように徐々に白を基調としたものに変更されました。
続いて1998年から2000年に登場した形式はAdtranzと呼ばれ、Second Generationとも呼ばれています。1LRVが2両で構成され、1編成が4RLVで組成されています。合計7編成が在籍しておりますが、私がマニラに滞在していた時点ではこの形式の全てが運用についておらず休車状態でした。どうも1LRVでも故障してしまうと1編成丸ごと使用できないような構造になってしまっているため使いづらいとのことで、これを解消するために改造が行われるようです。おそらくNorth Avenueまでの区間が開業する時点で営業に入るのではないかと思われます。なお、この形式の車両番号は1100番台が付されています。
続いて2006年に日本車輌(NS)と近畿車輛(KS)から、計48LRV、96両の計12編成が導入されました。こちらも1LRVが2両で構成され、1編成が4LRVで組成されていますが、1LRVが故障しても1編成が丸ごと使用できなくなるということはないようです。なお、この形式については1200番台の番号が付され、Third Generationと呼ばれています。
次回も時間があるかぎりLRTやMRTの話題を述べていきたいと思います。
LRTはよく利用しました。仮に1000形、1100形、1200形と呼びますが、1000形は3車体連接2+1+2=5扉車ですね。片運転台で、基本的に3ユニットで編成していて、中間のユニットにも運転台はあったと記憶しています。たまに2ユニット編成があって、南方1ユニットは女性専用車ですから1ユニットは酷い混雑でした。運転台のない側の妻側には車体幅いっぱいのシートがあり、景色を楽しむのにはよいですね。改札口ではテロ対策の荷物チェックがありますが、バクラーランの市場で生ものを買ったりすると生臭さでも乗せて貰えません。ジープニーで詰めて座る習慣が定着していて、それはLRTやバスでも同じで、日本の混んできても詰めようとしない非常識さと対照的です。
1100形は韓国製と思います。ステンレス製2扉ボギー冷房車ですが、8輌ユニットとは知りませんでした。
1200形は私が帰国する頃に登場しました。近畿車輌製とは確認していましたが、日本車輌製もあるのですね。既に1100形より大世帯なら頻繁に見れる訳で、PNRのみならずLRTも様変わりしたのですね。
LRTは当初均一運賃制(終端近くの数駅間は割引)でアメリカの地下鉄式のトークンを投入してバーを押して入場する方式でしたが、MRT開業に相前後して区間制になりました。自動改札なのに出札は手売りなのは愛嬌ですね。
Maraming salamat po sa comment ninyo tungkol sa LRT.
あづまもぐら様、LRTのコメントをいただき、どうもありがとうございます。
1990年頃は全ての編成が2ユニットでしたね。あれからLRT1号線の利用客も倍増し、編成もホームの有効長ぎりぎりに合わせる形で輸送力増強が行われましたが、増加し続けるマニラ首都圏の人口に対応ができませんので、抜本的な輸送力増強が必要なのではないかと感じております。もっぱらLRT1号線の計画当初からLRT2号線のような車両限界で建設されれば、ハード面での改良は最小限で済んだのではないかと思っていますが、当時としては少しでも早く開業することを最優先させたために、今更、抜本的な輸送力改善に迫られるとはいかにもフィリピンらしいのではないかと思っております。
ところで1100番台の車両についてですが、車両の妻面にはRotemとAdtranzの銘板が付いているようで、機器については韓国Rotemのものが取り付けられているものと思われます。1200番台の3rd Generationについては、半分半分で日車と近車で製造されたかと思われます。
90年にLRTを利用した時は確かにトークン方式で、私は初めて乗車する時にどのように切符を買えばよいのか駅員に質問したことがあります。駅での窓口での販売がシンガポールや香港のように自動券売機で購入できるようになるのではないかと思いきやいまだに窓口で販売し続け、特にラッシュ時には長蛇の列をつくっているところを見ると、フィリピンでは時間の価値観の違いに我々日本人は苛立ちを感じてしまいます。スーパーやファーストフードでもお客さんの長い列があっても、全く従業員は急ぐ様子もなくおしゃべりをしていたり、会社側もこれに関して改善するところがないのには、私個人としては呆れるばかりで、少しは他の国を見習ってはとつくづく感じております。
ちょっとばかりフィリピンの悪い習慣も交えて述べてしまいましたが、良いところもありますので、今後とも感想も交えてフィリピンの話題を述べていきたいと思います。