本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

日本語あれこれ6

2011-10-19 12:47:16 | Weblog
 この項の最後に、音読みの熟語と訓読み熟語について触れます。
 生物を(せいぶつ)と読めば熟字音、(なまもの)と読めば熟字訓ですね。最中の読み方の(さいちゅう)と(もなか)も同じことです。もちろん、五月雨(さみだれ)や大人(おとな)といった訓読みだけの熟語もあるわけです。

 さて、熟語にはもう一つ音読みと訓読みがまぜこぜになったものがあります。和漢混用読み熟語とでも言いましょうか。頭取は前の字が音読み、後の字が訓読みですね。
 これを重箱読みと言います。重(じゅう)が音、箱(はこ)が訓だからです。相場、新手、定宿、蛇口、万年雪もそうです。

 では、その反対に前の字が訓読み、後の字が音読みの熟語をなんと言いますか。これは案外知られていませんが、湯桶(ゆとう)読みと言います。夕刊、雨具、見本、消印などが類例です。金星(きんせい)では単なる熟字音ですが、前頭が横綱に勝った(きんぼし)と読めば湯桶読みになるでしょう。

 ついでに加えると、音読みと訓読みとでは言葉の前後が入れ替わる熟語があります。音読みの左右は、訓読みでは(みぎひだり)と言うでしょう。同じように風雨は(あめかぜ)、東西は(にしひがし)、黒白は(しろくろ)、表裏は(うらおもて)と逆転します。面白い現象です。