本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

日本語あれこれ4

2011-10-16 11:23:21 | Weblog
* 漢字の効果
 閑話休題から本論に戻ります。
 文章に使われる文字は、ひらがな、漢字、カタカナのほかにローマ字があり、数字には漢数字、アラビア数字、ローマ数字がありますね。まことに多彩です。例えば「ABC製パソコンⅢ型格安8万円三日間に限る」としましょう。これにすべての文字が使われています。
 殊にカタカナは外来語に対応させる便利な文字です。英語のような表音文字の言葉は同じ表音文字のカタカナと互換性がよいわけです。
 
 この点、表意文字の漢字だけの国は不便です。北京や上海では巴士や的士が走りまくっています。「士」は武士や弁護士のように人や職務を指しますが、その人たちが走っているわけではありません。バスとタクシーのことです。音が似ている漢字を当てたのでしょうが、索尼がSonyとは苦しい当て字です。
 麦当労というお店がありました。もちろん、判読はできませんが、看板にある大きなMの字でマクドナルドとわかりました。

 ついでながらマック(MacやMc)とは息子の意味ですね。つまり、ドナルドの息子がマクドナルドになるわけです。アーサーの息子のマッカーサーを始め、マクルーハン、マクロードなど結構多い。
 また、サムソン、ジョンソンなどのソン(son)もまさしくサムやジョンの息子です。北欧のアンデルセン、ハンセン、ヤンセンの(sen)も同様です。
 さらに、ポランスキーやチャイコフスキーのスキー(ski)も息子です。オニールやオサリバンのオ(O')も息子と思っていましたが、調べるとニールやサリバンの孫という意味でした。おっと、余計なことに深入りしました。

 漢字は外来語に弱いという話でしたね。とはいえ、漢字にはとてつもない強みがあります。先ほど申しましたように漢字は表音文字ですから視覚によるインパクトが強いという特徴があるのです。
 タンクローリーの後ろに「危」の標示がありますね。これは高い所にうずくまる人を不安げにひざまずいて見ている人で構成されているといわれます。いかにもあやうい感じがしますから注意を喚起されます。ひらがなの「きけん」では迫力がありません。

 また、漢字は1秒に7文字を理解できるといいます。もし、崖崩れの手前に「危険地」とあれば0.2秒程度で脳に信号が届くでしょう。ひらがな四文字では8倍になるようですから漢字で命拾いをするかもしれません。漢字は直感像記憶を呼び起こす唯一の文字でしょう。