本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

日本語あれこれ2

2011-10-12 10:36:51 | Weblog
 なお、「工夫」は呉音では(くふう)、漢音では(こうふ)ですから、読み方によって一つの熟語の意味がまるで違うという特徴もある。ちなみに韓国語で勉強のことを(コンブ)と言いますが、これは漢音の工夫からきた言葉です。

 また、「言語」は呉音読みでは(ごんご)です。「言語道断」という言葉があるでしょう。では、漢音読みはどうかと申せば(げんぎょ)となります。それがいつの間にか(げんご)と漢音と呉音がたすきがけにした慣用読みになってしまいました。森鴎外の作品には「げんぎょ」とルビを振っているものがありますから、その時代には区別していたのでしょう。

 話を少し戻して訓読みの続きです。この訓読みの厄介なことは、一つの訓読みに様々な漢字があることですね。
 先ほどの例に挙げた「下」の字の訓読みに(もと)がありますが、「元、基、本、素、許」これらも(もと)と読めるわけです。いわゆる「異字同訓」ですね。漢字がどんどんと我が国に入ってきたものの和語の語彙が少ないものですから、異なる漢字でも同じ訓読みの現象が起きてしまいました。

「堅、固、硬」の和語はすべて(かたい)と読ませます。その用法は、結構、悩ましいのですが、正しい漢字を使わないといけません。
「堅い」は引き締まっているあるいは中が詰まって砕けにくいという意味ですから性質や性格を示します。その反対語は「脆い」となります。
「「固い」はガッチリ固まって変らない、つまり考え方や意志を示します。その反対は「緩い」です。「硬い」はゴツゴツとこわばっているということですから主として物の状態を表わします。当然、対極にあるのが「軟らかい」となるでしょう。

 このように反対語から推察できますが、とにかく、悩むくらいなら平仮名で書いたほうがよいのです。