本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

日本語あれこれ

2011-10-11 12:02:37 | Weblog
 日本語のあれこれについての雑談です。これを第1回として折を見て少しずつ話します。

訓読みと音読み
「たいらばやしかひらりんか」は、ご存知落語の「平林」でお馴染みですね。漢字はいろんな読み方があるため、読みが一定していないという難点を衝いています。そこで、最初は、漢字の読みの特徴について触れましょう。

 漢字の読み方は言うまでもなく「訓読み」と「音読み」があります。
 訓読みは、和語または大和言葉と言われるように日本固有の言葉を漢字に当てた読み方ですね。例えば、「下」の漢字は、音読みでは天下の(か)または上下の(げ)ですが、訓読み、即ち和語では(した、しも、もと、さがる、おりる、くだる)などと読めます。
 要するに、一つの漢字に様々な訓読みがあるわけで、これを訓読みの多様性といわれていますが、この多様性が読みを一定にさせないということですね。
 
 一方の音読みですが、これも一つの漢字にいろんな読み方があります。
「行」は行政、行列、改行の場合は(ぎょう)と発音しますね。これを呉音といいます。ところが、行動、行使、旅行となれば(こう)の発音になるでしょう。これを漢音といいます。さらに、行灯、行脚、行火とあれば(あん)の音読みになります。最近の若い人は(あんどん)と読めないようですけれど。この読みは唐音や宋音ですから合わせて唐宋音ともいっています。
「頭」の字の付く頭上の(ず)は呉音、頭角の(とう)は漢音、饅頭の(じゅう)は唐宋音の発音になります。ちなみに物故者の回想記をまとめた出版物を饅頭本と呼ぶそうだ。葬式饅頭に擬せられたのでしょう。

 このように同じ漢字でも、伝来した時期によって発音が違うということです。ただし、必ずしも中国語そのものの発音ではありません。言わば、中国語日本式発音となりますか。とにかく、この複数の読み方から音読みの多音性と言っているわけですが、これも読みを一定にさせないもう一つの理由ですね。